記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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今の会社に未来はないと辞職を決断したときに目の前に現れるのが、転職か起業かという選択肢です。
転職と起業にはどんなメリット・デメリットがあるのか。自分はどちらに向いているのか。そんな疑問や迷いに対して、この記事では解決のヒントを提供しています。
また「転職してかつ起業もする」という第三の道についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
起業と転職はどっちがよい?それぞれのメリット・デメリットを解説
起業と転職にはそれぞれどんなメリットとデメリットがあるかを、まず見ておきましょう。
転職と起業のメリットとデメリット
転職には起業のように収入がゼロになるかもしれないというリスクはありませんが、転職後も転職前と同じ不満や悩みが生じる可能性があります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
転職 | 安定した収入が得られる。社会保険料の半額を会社が負担してくれる。将来設計が立てやすい。 | 会社に縛られる立場は変わらない。人間関係のストレスが大きい。大きな収入増は見込めない。 |
起業 | 自分のやりたいことができる。働く場所、時間を自由に選べる。高収入を得る可能性がある。 | 収入の保証がない。社会保険料が全額自己負担。最初は社会的信用がない(住宅ローンを組めないなど)。 |
転職向きか起業向きかはどこで判断するのか?
上記のそれぞれのメリットの中でどの項目に一番魅力を感じるか、デメリットではどれを一番避けたいかで、ある程度、転職向きか起業向きかを判断できます。
今の会社を辞めたい理由で転職向きか起業向きかが分かる
転職か起業かで迷っているときは、まず「なぜ今の会社を辞めたいのか」という理由を考えてみましょう。そこに、どちらが向いているのかを判断するヒントがあります。
会社を辞めたい理由としてよくあるのは、次のようなものです。
- 仕事が面白くない
- ほかにやりたいことがある
- 上司がつらく当たる、上司が嫌い
- 同僚との人間関係がうまくいかない
- 勤務時間が長いく自由がない
- 給料が安い
このうちで「仕事が面白くない」というのは、業種を変えて転職すれば解決する可能性がありますが「ほかにやりたいことがある」という気持ちは転職では満たされないことが多いでしょう。
「上司とうまくいかない」など人間関係が辞めたい理由の場合は、転職すれば解決する場合がありますが、転職先でも同じことになる可能性もあります。
組織で働くことが自分の性格に合っていないと思ったら、起業を検討してみましょう。
「勤務時間が長く自由がない」「給料が安い」は、今の会社がブラック企業でない限り、転職しても劇的に改善することは期待できません。
これはサラリーマンの多くが持っている不満です。この不満が特に大きい場合は転職ではなく、ある程度のリスクを覚悟しつつ起業を検討しましょう。
上司の評価が低いという人は転職向き
上司の評価が低い、同僚との人間関係がうまくいかない、という理由で会社を辞めたいと思っている場合は、転職を検討してみるべきでしょう。転職しても同じことになる可能性はありますが、今の会社に我慢できない場合は仕方がありません。
人間関係が嫌で会社を辞めたいから即起業するというのはおすすめできません。起業で成功するには、会社員のときよりももっと人間関係の調整能力や人間的魅力が必要になるからです。
どうしてもやりたいことがある人は起業向き
今の会社でもそこそこの評価を得ていて人間関係も悪くないが、どうしてもやりたいことがある、という人は起業向きです。
サラリーマンの給料では満足できず大きく稼ぎたい、という人も起業することでしか欲求は満たされないでしょう。人に「あれをしろ、これをしろ」と言われるのが耐えられない、という親分肌の人も転職ではストレスが解消しないでしょう。
転職してから副業として起業するのもあり!
転職か起業かをあれこれ考えても、なかなか結論が出ないのが実際のところです。自分の性格、向き不向きも、はっきりこうだとはいい切れません。夢の大きさも秤(はかり)にかけて計測することはできません。
そんなときは「転職してやりたいことは副業でやる」という、第三の道を検討しましょう。
週休二日が当たり前で三連休も少なくない現在は、会社員をしながら副業で起業するという「二足のわらじ」はけっして非現実的ではありません。
副業として起業するメリット
「食べていけなくなる」というリスクがないだけでなく「夢を捨てなくてよい」のが、副業として起業するメリットであり魅力です。
ほかにも、副業で起業するメリットには次のようなものがあります。
- 会社員としての収入や社会的信用を持ち続けることができる
- 焦らずに自分の夢を追求していくことができる
- 1つの副業に失敗してもやり直しができる
- さまざまな副業を通じて、自分の適性を探ることができる
- 会社とは別の世界の人脈ができる
- 時間の使い方がうまくなる
副業で起業するときの注意点
副業で起業するのは、暇な時間を利用してお小遣いを稼ぐこととは違います。将来大きく育つ可能性がある仕事、好きなこと・熱中できることを副業として選びましょう。
最初から大きな収入を期待しない
ネットでよく見かける「副業を始めて1年で年収1,000万円」などという記事をうのみして、最初から高収入を目指すのは危険です。そういう記事のなかには、結局「儲かるノウハウを教える」と称してお金を払わせる目的のものがあります。
仕事を始める前に、材料費とか紹介費などの名目でお金を要求する副業は詐欺商法で、実際に仕事が回ってくることはありません。
また、たとえばFXなどのように、儲かる可能性もあるがリスクが高い投資法もあります。信用取引をすると大きな借金を背負うことがあるので、安易に始めるのは危険です。
本業に悪影響が出ないようにする
会社が特に副業を禁止していなくても、副業していることを会社に知られると不利益をこうむることがあります。わざわざ上司にいう人はいないでしょうが、気を許した同僚にでも副業で儲けた話などをするべきではありません。
副業に力を入れていることが評価される場合もありますが、逆に「本業がおろそかになっているのでは?」と思われる場合もあります。
オーバーワークを避ける
ゆくゆくは起業を目指す副業なら、一生懸命やることはもちろん必要ですが、何事も身体が資本なので、睡眠時間を充分取れないようなオーバーワークは避けましょう。
起業するなら正社員になる必要はまったくなし!
転職したいが正社員の口がない、というのは転職希望者の多くが抱える悩みです。しかし、転職して副業で起業する場合は、正社員として雇われることにこだわる必要はありません。むしろ、副業に対する縛りがきつくない非正規雇用のほうが適している場合もあります。
非正規雇用者への健康保険、厚生年金の適用が拡大しているので、社会保険の面でも正社員と変わらない待遇をする会社が増えました。転職して副業として起業する場合は、正社員かどうかよりも社会保険が適用されるかどうかに注目しましょう。
転職か起業かではなく、転職も起業もできる「副業起業」がおすすめ
今の会社を辞めたいけれど転職か起業か悩んでいるなら、両方を選べる副業による起業がおすすめです。
会社に勤めながら副業として行う起業なら、収入がゼロになる心配がなく、焦らずに起業を成功させることができるでしょう。
副業として起業するときは、過大な初期投資を避けるのはもちろん、最初から大きな儲けを期待せず、コツコツと努力することが大切です。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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