記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
過去2年の予想もしなかった出来事のため、勝ち負けがより鮮明になった世の中。私たちは、おとなしく負けているわけにはいきません。
将来を見据えて、自分で稼げるようになりたいと思いますか? この記事をご覧になっているということは、きっと「起業」に興味があり、しかし「何から始めたら良いのか分からない」というモヤモヤを抱えていらっしゃるのだろうと思います。
さて、起業の仕方を検索し、調べている方はたくさんいらっしゃいます。ですが、この情報過多の時代。「何が自分に合う情報なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか?
私、新井一が主宰する「起業18フォーラム」は、私自身の23年以上に渡る経験から「会社員のまま始める小さな起業」の支援を行ってきました。現在では、その経験を著書にまとめたり、公益財団法人東京都中小企業振興公社運営の「TOKYO創業ステーション Startup Hub Tokyo」などでも講師を務めております。
この記事では、私の経験から、会社員や主婦の皆さまなど、自分の役割や仕事を持ちながら起業準備を進めていきたい方に向けて、起業の仕方をステップで解説します。
この記事を読み終えていただくころには、まず最初に何をしなければならないのかが明確になります。動画も合わせてご覧いただき、ぜひ一歩を踏み出してください。
起業したいと思った時の土台・基礎になるものとは?
起業と聞くと、とてもハードルが高いと感じる人が多いようです。私のセミナーに来ていただける人も、最初はそのように勘違いしてしまている人が大半です。
ですが、起業すること自体は、実際はとても簡単なものです。商品を作って売り出し、開業届提出などの手続きを済ませてしまえば、一応「起業しましたよ」という形は整います。
しかし「起業」は、ここからがスタートと言えます。
立ち上げた事業は、軌道に乗せていかなければなりません。シンプルに言えば「売る」ということです。しかし、簡単には売れません。なので、会社員のうちに行動をスタートする。つまり、生活のための収入源を確保しながら、リスクを極力抑えながら試行錯誤すると、成功確率が飛躍的に上がるのです。
なぜか? それは、会社員のままなら「焦らずに済むから」です。私たちは判断を間違えるのは、いつも「焦っている時」です。足元をすくわれるのも、騙されるのも、いつも「余裕がない時」です。
会社員のまま、収入を確保しつつ動いていれば、多少の失敗も受け入れながら、余裕を持って動き続けることができます。生活に営業が出るようなリスクが、殆どないからです。
ここで少しだけ、気持ち(起業マインド)について、お話をさせていただこうと思います。これは、とっても大切なプロセスです。中身がない記事だ、なんて思わず、ぜひ読み進めてください。
起業したいなら明確な「目的」や「目標」が必要!?
私たちは人間ですから、気持ちが整っていなければ、どれだけノウハウを学んだとしても、それを続けていくことはできません。
よく起業の世界では、起業したいなら「なぜ起業したいのか」という明確な目的、そして手にしたい結果、明確な目標が必要だ、と言われます。「How」ではなく「Why」だ、など、自己啓発と間違えてしまうような話もたくさんあります。
この記事をお読みのあなたは、なぜ起業したいと考えたのでしょうか?
- 家族を幸せにするためですか?
- 自分の時間が欲しいからですか?
- 会社が嫌いだからですか?
- やりたいことがあるからですか?
- お金が欲しいからですか?
全部かもしれませんし、一部かもしれませんし、この中にない理由かもしれませんし、何となくかもしれません。
私は、長年の経験からわかったことがあります。それは、実は「起業準備を進めるにおいては特別なノウハウも強い意志も必要ない」ということ。そして「明確な目的や目標も、あった方が良いかもしれないけど必須ではない」ということです。
必要なことは「楽しむこと」「好きなことからビジネスアイデアを選ぶこと」など、ワクワクで止まらない毎日を過ごしているうちに、起業に向かって進んでいる状態を創り出すことです。
売上を伸ばして利益をあげたい、集客テクニック、経営、、左脳ばかり使っていると、思い悩んでしまうことも多いです。「やっていて楽しい!」という気持ち、そして自分が手に入れたい人生を追いかけるワクワク感、成長を実感できた時の喜びと感謝、そんなことの連続の日々であって欲しいのです。
起業したいと思う前に、やりたいことをやっていたら起業になった、それがイチバン楽しい形であることは間違いありません。もちろん、起業したいと思ってから動き出すことに何の問題もありませんが、苦しい修行ではないのですから、ぜひ、ワクワクを楽しんでください!
起業したいなら楽しもう! 2つのアプローチ
まず、イメージしていただきたいのは「自分が手に入れたい人生」です。
- どんなことにワクワクするのか?
- どんな仕事をしていたら楽しいのか?
- 誰といると幸せなのか?
- どんな場所に住みたいのか?
- どんな時間に働くと最も実力が出せるのか?
などですね。
私自身は「こうあるべき」という話がとても苦手です。好きにしたらいいと思います。まさに人生は「フリースタイル」で、それぞれの人生を生きたらいい。こうあるべきと思うなら、そうすればいいのです。
あなたが、ありのままに進める道を強く思ってください。そして、それを実現するために、共に頑張っていきましょう!
もうひとつの面、それは「社会に、お客様に、どのように貢献したいのか?」という思いです。
起業は、自分の想いを実現することもそうですが、そもそもは社会課題の解決のためにするものです。お客様の悩みを解決してあげる、痛みを軽減してあげる、もっと楽しませてあげる、その積み上げで社会に良い影響を与えていく、それが起業です。
売上が上がるということは「あなたは役に立っているよ」とう証明となり、利益が上がるということは「そのビジネスを継続して良いよ」という、社会からの承認シグナルです。起業を通じて、自分が何に挑戦していきたいのか、自分自身の心の声を聴いてみてください。
「起業って会社を辞めないといけないの?」とか「副業のままじゃだめなの?」とか、そんなことはどうでも良いことです。あなたが、ありのままに、素晴らしい人生を送れるのか、それだけが焦点です。副業であれ、何であれ、この考え方に変わりはありません。
この2つ「自分が手に入れたい人生」そして「解決したい社会課題やお客様の悩み」これらが明確になっていれば、迷うことはありません。自分が立ち上げた事業を通じて、どの方向に突き抜けて行こうとするのか、ここが明確になっているのでブレないのです。
「お金が欲しい」「どうすれば儲かるのか」それも悪くはありませんが、その視点だけだと「儲かるにはどうすればいいですか?」などと人に質問してしまうことになり、足元をすくわれたり、時代に翻弄されることになってしまいます。
次に必要になるのは「起業アイデア」
気持がセットできたら、次に、何をもって事業を立ち上げるのか「最初の商品・サービス」を決めていきます。
ここで注意したいのは「事業計画」「具体的なビジネスプラン」などと考えると、一気にハードルが高くなってしまいます。楽しいこと、今すぐできること、何かが見つかるでしょうか? 一番簡単にできるのは、自分のスキルと時間を使って、人のために何かをしてあげることです。
ですが、こう言うとまた「スキルがない」と尻込みしてしまう人がいるかもしれません。ですが、そんなことはないのです。好きなことをすればいいのです。
UberEatsに「すごいスキル」が必要でしょうか? 確かに大変なお仕事ですが、自転車に乗れて、時間と体力があれば、特別なスキルが必要とは思いません。やりたいかどうかだけです。
好きなことを絡めて、最初の商品・サービスを立ち上げてみましょう! 歌が好きな人は歌を絡めたこと 沖縄やハワイが好きな人はそれに関すること プロ野球が好きならそれに関係すること まずは、好きなテーマを書き出してみましょう!
- 物を売るのか
- 自分のスキルと時間を売るのか
- 教える仕事をするのか
- 人を集めて何かを提供するのか
起業アイデアを明確にした後は、具体的な内容を考えていきましょう。私が、誰に、何を、どのように、いつ、どこで、いくらで提供するのか、そのくらいで十分です。
アイデアの出し方についてはこちらの記事にまとめていますのでぜひ参考にしてください。
起業したい時の行政手続きは?
起業と聞くと、いきなり税金のことが心配になったり、行政手続きをどうしたらいいのかわからないの不安だという方がいらっしゃいます。確かに、これまで誰にも教わったことがないでしょうし、やったこともないでしょうし、そう感じるのも無理はありません。
ですが、実際は、会社員のまま副業から始めて準備をする程度なら、何もしなくても良いというレベルの話です。
まだ売上も利益も何もないわけですから、使ったお金を記録しておくだけで十分です。売上も利益もないうちから会社を設立しても意味がないですし、まずはアイデアを出してから、ということになるわけです。
確かに、会社を辞めて法人を設立し、大きく事業展開していくのであれば、やらなければいけないことがたくさんあります。そういうスタイル(俗にいうスタートアップ)でないのでしたら、その心配は半年~1年後に先送りしてしまいましょう。
もし、どうしても、開業届を出したり、最初からしっかりと管理会計をしていきたいというのであれば、以下の2つのことをやってください。
- 開業届の用紙をダウンロードして必要事項を記入して、市区町村の役所に提出。
※分からないことはその場で聞けばいい
※所得税の青色申告承認申請書もしておくと節税になります - クラウドの会計ソフト(弥生会計・MFクラウド・freeeなど)を利用して使ったお金を記帳する
※開業届を出す前の段階では、開業準備費としてエクセルに記録しておけば済むレベルです
その辺りの進め方については、こちらの記事にも記載しております。
開業にあたり、許認可が必要になるビジネスについては、手続きが必要になります。こればかりは、最初に済ませておく必要があります。たとえば、中古品の転売には「古物商許可」が必要ですし、理容師/美容師になる前に人の髪の毛を切ることはできません。
開業にあたり、どのような許認可が必要になるのかは、検索すればすぐにわかることですので、気になる方は調べてみましょう。株などの金融関係のセミナーをする人などは、金融庁への登録が必要になる場合もありますのでご注意ください。
起業の種類について~どのようなビジネスをするのか?
会社を辞めて、法人を設立、資金調達して一気に事業拡大を目指すのか、副業から始めて、軌道に乗せてから将来のことを考えていくのか。私がお勧めしているのは、後者の「副業から始める小さなビジネス」です。
なぜなら、リスクが圧倒的に小さいから。私は小心者ですので、今のこの不安定な時代「ギャンブルはやめといた方がいい」と心から思っているからです。
今は、とにかく、大きな固定費をかけることは避けるべきです。順調にお客様が来てくださることを前提にしない方が良く、来なくても大丈夫なように設計していくことが大切です。
人員も最少人数で、基本は自分一人でやれる、大きくても家族に手伝ってもらえる範囲で、小さくビジネスを立ち上げることが正解です。身軽にしておくことが、何より大切です。
社員を採用することは、社会的にも素晴らしい事なのですが、やはりリスクが大きくなります。家族に手伝ってもらえない場合には、クラウドソーシングからアウトソースしたり、友達に手伝ってもらったり、なるべく固定費のかからない方法で実行しましょう。
会社員のまま起業する方法とは?
何が起こるか分からない、給料が上がらない、増税、物価高、そんな今だからこそ、会社員のまま副業で準備を進めることが、時代に合ったメリットが出せる方法だと思います。私が始めた当時は、こんなことしている会社員はいなかったので非常に珍しがられましたが、新しい日常の下、今後はこのやり方がスタンダードになることでしょう。
私は副業会社員のまま行くよりも独立する道を選びましたが、会社員のうちに準備を進めておいて何より良かった点は、独立した時にはすでにお客様がいて、安定的な収入が継続して得られたことに尽きます。サラリーマンのうちは毎月お給料が振り込まれるからこそ、一定の金額を事業に投資することもできましたし、何より失敗を恐れず安心して挑戦することができました。
人脈作りは大切
私が会社を辞めて独立する時、何人かの仲間が無償で仕事を手伝ってくれました。自分を応援してくれる人たち、その人脈を作ることができたのは、副業時代の事業活動でした。本業の会社にいた上司や同僚は、会社を辞めると全て離れていきました。
会社の人脈は、やはり会社の看板、与えられたポジションの力。その多くは、それを失うと共に消えてしまいます。しかし、人間として向き合ってきた後輩たち、自分で開拓した海外取引先の経営者たち、そして、自分の看板で付き合ってきた個人事業主たち。そんな人達との繋がりは一生続くということも、今まさに経験しています。
実務経験は役に立つ
会社員時代、私にとって、その仕事は決して楽しいものではありませんでした。ですが、お金をもらいながら経験させてもらった営業の仕事であったり、苦手な人とのやり取りであったり、パソコンスキルであったり、今の仕事をする上で基礎になった部分もたくさんありました。
副業禁止の会社がまだ多数
このようは不透明な時代においても、社員自身が経済的リスクから自らを守ることを禁止している会社は、まだまだたくさんあります。様々な事情があるのでしょうが、過去2年間、テレワークすら実施しなかった会社もあるくらいです。
副業禁止ということは、プラスに捉えれば、社員の収入に責任を持ってくれるということですから、ある意味ありがたいことです。ですが、今は本当に何があってもおかしくない時代です。副業を認めている会社に転職するチャンスがあるなら、それも考えるタイミングかもしれません。
副業とは言っても、Uber Eats のようなものから、アンケートに答える内職のようなもの、せどりなどのようなものまで様々なスタイルがあります。私はどうせ副業をするならば「自分で自分の事業を立ち上げてみる」のが良いと思います。
アルバイトや時間の切り売りではないので即金性には劣りますが、明らかに実力(稼ぐスキル)が身に付きます。稼ぐスキルは、この先の時代を生き抜くために必須の「戦闘力」と言えるでしょう。言われたことをやるだけ、決まったことをやるだけの副業では、そのような実力をつけることはできません。
起業して成功するために学んでおきたいことは?
20年以上の経験から、ビジネスをやる上で学んでおくと便利なことは3つあると言えます。
- 特定ビジネスの専門知識(占いをするなら占いの知識)
- マーケティングの知識(ライティング・キャッチコピー)
- 経営の知識(簿記3級程度の知識と税金)
業界の専門知識は、自分が好きで始めたことであれば、どんどん身に付いていきます。好きなことなのですから、勉強する感覚すらありません。
マーケティングの知識に関しては、学びだすときりがありません。敢えて絞るとすると、ネットから発信するためのライティングとキャッチコピーが、最も役に立つと思います。
しかし、学ぶと言っても、スクールに行くようなものではありません。
ライティングは、検索上位に来ている記事を参考にして、自分なりに書いてみて練習すること。キャッチコピーについては、既にあるものを参考にして自分なりにアレンジする練習をすれば十分です。
以下の本は私も勉強に使ったものです。
自分で集客するのが大変だと思う場合、代理店を作ることがお勧めです。代理店と言っても大袈裟な話ではなく、自分のサービスを友達や仲間に売ってもらっても良いですし、マッチングアプリやクラウドソーシング、ポータルサイトを利用するとさらに簡単です。
たとえば、セミナー集客ならストアカ。デジタルコンテンツの販売ならココナラやnote。スキルシェアなら、前述のココナラの他、クラウドソーシングのランサーズやクラウドワークスが便利です。
その他にも、場所貸しならスペイシー、カーシェアならAnycaなどが使えます。
それぞれの業界に似たようなサービスがありますので、調べてみましょう。
簿記と税金の知識は、知っておくと会計ソフトの入力も楽になりますし、確定申告も不安ではなくなります。ですが、これについては、早めに税理士と契約(月1~2万円の投資)してしまうことで解決しますので、そこを目指していきましょう。
起業したい人にお勧めの本
これから稼ぐ力を身に付けることをお考えなのであれば、以下の本がお勧めです。
後はそれぞれの興味のある業界、職種の本を数冊読めば十分だと思います。
プロフェッショナルを目指すのでしたら、60冊を目標に読破できるか試してみましょう。プロに負けないものすごい知識量になるはずです。
以下は、飲食店をやりたい人は一読の価値ありです。
学歴は関係あるのか?
日本では、都市圏の富裕層の子供ほど高学歴という傾向があり、高学歴が社会人になってからの収入や就職に有利に働くことは否定できません。ですが、独立となると「どこの大学にいたか、卒業したのか」が影響するのは学閥くらいでしょうか。経営者の学歴などよりも、商品、サービスが大切なのは言うまでもありません。
2020/03/05付・日経産業新聞・1面に「進学より起業、最速で夢つかむ、孫氏に憧れ事業計画200枚、テックとリアル掛け算」という記事が掲載されていました。
記事では、
大学進学を選ばなかった起業家たちが大型の資金調達を果たしてスタートアップを急成長させている姿からは、大学卒業が起業の必須条件ではないことが読み取れる。それでも大学での経験が無駄というわけではなく、高度な専門知識を学べることの意義は大きい。学歴の有無は本質的な問題ではない。起業家にとって本当に必要なのは社会課題の解決を目指す志と、それを実現するための熱意や行動力だ。
2020/03/05 日経産業新聞1面「進学より起業、最速で夢つかむ、孫氏に憧れ事業計画200枚、テックとリアル掛け算」より引用
と紹介されています。この記事の最初に書いたこと、楽しみながらやる、社会課題の解決を目指すこと、やはり志であることは間違いないことだと確信しています。
必要な経営資源とは?
企業は人、物、金、情報などと言われます。一昔前までは、そうだったかもしれません。しかし、先行きが全く見えない、経済恐慌に突入するのかもわからない今、何よりも大切なのは柔軟性、そして俊敏性です。一人で出来るサイズで、借金をせず、固定費をかけず、柔軟に変化できるオンライン対応ビジネスモデル、これらを守ることが大切です。
無駄に人と組んでも、自分と熱量やスピード感の違う人と組んでもうまくいきません。遠慮が生まれれば撤退の判断も遅れますし、意見が分かれれば喧嘩別れすることにもなるでしょう。
マッチングアプリやFacebook、LinkedIn、YouTubeからの発信などを通じて、ビジネスパーソン同志で繋がることはできます。ですが、2021年の今、このタイミングにおいては、じっくりと足元を見て進むことを忘れないようにしてください。
資金調達の方法は?
繰り返しになってしまいますが、2021年の今、大きな資金調達をしてのスタートにはリスクが伴います。この先の経済がどうなるのか、人々が外出することすらできなくなるのか、全くわからないからです。
確かに、今、値下がりした物件など、水面下で資源をかき集めている企業もあります。ですが、先が読めない以上、資本力のない個人が大金を投資するのには、まだ情報が少なすぎるかと思います。
2020/05/15付・日本経済新聞朝刊・9面に、こんな記事が掲載されました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、スタートアップ企業の資金繰りが綱渡りになっている。銀行との関係が希薄なことが多く、ベンチャーキャピタル(VC)も投資先の選別を進めているからだ。国が始めた実質無利子・無担保融資も制度設計通りに資金が供給されていない企業も出始めており、運用上の課題も浮き彫りになってきた。
2020/05/15 日本経済新聞朝刊9面「スタートアップ、公的支援届かず、融資審査で「返済可能性」カベ、頼みのVCも出資及び腰。」より引用
記事にもありますように、実質無利子・無担保融資の貸付が行われ、まもなく返済が始まります。返済期限の延長がされない場合には、危機が去った後に回復できなかった企業は、どんどん倒産していくことになるでしょう。これで事業を諦めるということではなく、状況をしっかり見極めて判断する必要があるということでしょう。会社員のまま小さく始めれば安心です。
2023年、政府は新しい資本主義の骨子として、スタートアップの支援を掲げています。大きな資金を投下して創業する場合、一般的には、政府系金融機関の日本政策金融公庫から融資を受けて創業することが多くなります。どうしても資金が必要な場合、無担保・無保証人で利用できる「日本政策金融公庫の新創業融資制度」を確認してみましょう。
初めてのビジネスで融資は難しい?
クラウドファンディングは使えるか?
クラウドファンディングとは、資金の協力をインターネット上で募集する方法です。専用のサイトを利用し、事業内容をプレゼン(書き込み)して、不特定多数の出資者から資金を募集します。
特にユーザーから支援金を募るクラウドファンディングは、明確な事業コンセプトを持っている方にとって、資金を調達する有力な選択肢の1つになりつつあります。ですが、応援してくれる仲間がいないと、実際は中々難しいですね。
私も、Makuakeの創業時にお声がけいただいて一度利用したことがありますが、その時は目標金額に全く届かずでした。結果、自分たちで目標額まで買ったのを覚えています(笑)
ビジネスコンテストに出る方法もあるが・・・
これも今の時代では難しいかもしれませんが、ビジネスコンテストに挑戦するのも1つの方法です。受賞すれば事業立ち上げまでのサポートを受けられますし、ただ参加するだけでも他の参加者から刺激を受けることができます。スモールビジネスというよりは、比較的大きめのスタートアップ向きですね。
ベンチャーキャピタルや個人投資家から資金調達はできるのか?
ハイリターンを狙うなら、或いは、高度な技術・専門能力をお持ちなら、ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資を受けることができるかもしれません。マネーの虎の世界ですね。
相手は経営のプロですから、アドバイスをもらえるかもしれませんし、取引先や提携相手などを紹介してもらえるかもしれません。ですが、最初からそんなことを期待していると、怒鳴りつけられて終わりそうですね(^_^;)
サラリーマンのまま準備を始める場合でも、資金調達の方法はあります。ですが、経済的リスクが心配な方は、無理をせず、まずは小さく始めてみましょう。
2023年、行動したいなら忘れてはいけないこと
ここまで「会社員のまま始めるビジネス」について、お話させていただきました。これまでの常識が通用しない、先行きが全く不透明な今ですから、何を考えるべきか、どんな準備が必要かについて、しっかりと考えて行動してください。
私からお伝えしたいことは、ここでまとめたテクニカルな話はもちろんですが、やはり「楽しくてワクワクして仕方がないことから始めてほしい」ということです。自分はどこに向かって突き抜けていくのか、そこだけを意識していれば、ブレることはありません。
会社員のまま、副業から、焦らず、楽しんでやれることから始めれば、経営資源は、自然とあなたの周りに集まってきます。ブランディング、差別化、信用構築、人脈・・・と、難しいことばかり考えると、つまらなくなってしまいます。
あなたが心から楽しめることに、あなたの意識を集中させてください! その土台ができあがれば、それをマネタイズすることなど簡単です。
私たちはこれからも、好きなことで人生を楽しみたい会社員を、ワクワクすることを通じて社会やお客様を巻き込み、幸せを与えていく人々をを応援してまいります。
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
★会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!【セミナー@東京/オンライン】
★自分のタイミングで学びたい、セミナーは苦手、というあなたは【動画版】起業セミナー(特典付き)