これからのビジネスで成功しやすい起業分野とは?(2025年5月・随時更新)

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

2024年度の企業倒産件数が1万件を超え(前年度比13.4%増)となり、11年ぶりに1万件を超えました。サービス、小売り、建設の中小企業の倒産が目立ちます。(調査機関:株式会社帝国データバンク)

一方で、引き続き、都市部や京都では「オーバーツーリズム」が問題になるほどインバウンドは活況。人手不足も深刻で、人手不足倒産は過去最高を更新しています。

変わらず続く物価高、賃金上昇圧力と増税、社会保険増路線、長引く戦争の影響を横目に、ここでは、2025年、これからのビジネスはどうなっていくのか、どの方向に行けば成功し易いのかを考えてみたいと思います。
 

通勤
 

この記事は、随時、最新情報にアップデートしていきますので、ぜひブックマークしておいてください。

2025年・スモールビジネスに影響のありそうな社会の流れ

  • 政治
    • 参議院議員選挙
    • 103万円の壁
    • 金融所得課税の強化
    • 増税・社会保険料アップ・金融引き締め
    • 高校無償化
    • インボイス制度の段階的導入
    • 石破内閣発足・衆院選大敗
    • スタートアップ支援
    • 衆議院解散・総選挙
    • 自民党総裁選
    • 日銀総裁人事
    • 統一地方選挙選挙
    • G7広島サミット2023
    • インボイス制度
    • 電子帳簿保存法
  • 国際問題
    • トランプ関税
    • ロシア・ウクライナ戦争が終結へ?
    • 中国富裕層に10年観光ビザ新設
    • 米欧分断
    • 米中覇権争い
    • イスラエル・イラン衝突
    • 台湾有事の可能性
  • 環境(カーボンニュートラル)
    • 米国パリ協定脱退
    • 金融機関の脱炭素国際枠組みからの脱退連鎖
    • EV失速の可能性
    • 再生可能エネルギー
    • 原発再稼働/新設
    • SDGs推進
    • 炭素税
    • 企業ミッションの見直し
  • デジタル資本主義
    • AI(ChatGPT/自動運転/ロボット)
    • メタバース
    • NFT
    • 空飛ぶ自動車
  • 物価変動
    • 実質賃金は再びマイナスへ
    • 賃金上昇
    • 資源価格高騰
    • 物価上昇(インフレ)
    • コメ不足
    • 令和の米騒動
    • EV向け半導体不足&先端半導体は供給過剰
    • 金融緩和政策の行方
  • 働き方改革
    • 移民問題
    • キャリアチェンジ(リスキリング)
    • 人材不足
    • 解雇規制緩和
    • 早期退職制度(黒字リストラ)
    • リモートワーク廃止(出社回帰)
  • 感染症関連
    • 中国で呼吸器感染症の一つ、ヒトメタニューモウイルス感染症が拡大
    • インフルエンザ感染爆発で5年ぶりに警報基準超え
    • 第11波襲来
    • 全国旅行支援
    • 特定国に対する水際処置
    • 感染症法上の分類見直し
    • 新たな変異株
    • ゼロゼロ融資の返済スタート

流行り病の時代、世界が財政出動を強化した反動で急激なインフレが続いています。日本でも資源、食料品の価格高騰、特にコメは深刻で過去最高水準に達しています。アメリカではトランプ氏の関税政策が世界を混乱させ、日銀もその動向と円安への影響を注視しつつ、慎重な金融政策運営が続けられています。

世界ではインフレが進み、日本も物価高ではありますが外国人にとっては「品質が良くて安い国」であり、もはや東京のホテルは我々日本人庶民が利用できる価格帯ではありません。一方で、日本人は20代若者や女性の貧困、格差は深刻で、人口が減り続けていることも盛んに指摘されるようになりました。
 

理念
 

昨年、一時1ドル160円を超えた為替相場は急変し、トランプ氏の円安けん制もあって、執筆日(2025/05)時点では143円前後の円安基調で推移しています。海外に依存している資源価格は高止まりで、自然再生エネルギーへのシフト、多くの原発停止が続く以上、今後も値上げは続く見通しです。
 

ビジネス
 

特に飲食店は、未曽有の危機に直面しています。原材料費、人件費、光熱費の上昇が経営を圧迫し、さらに価格転嫁の難しく、そもそもコロナで他業種に人が移ってしまい人手不足。今後も倒産、廃業は止まりそうにありません。
 

ポイント これからのビジネスは、大きくやると失敗した時に大変

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

安全安心
 

起業18は、小さく起業準備を始めることを是としていますが、私たちのセミナーにいらっしゃる方の中には、多額の資金を要する大きな起業を考えている方もいらっしゃいます。

しかし、多くの上場企業が早期退職制度の導入を始め、今後は解雇規制が緩和される見込みの今です。実質賃金も再びマイナスに転じました。今後の増税、社会保険料のアップ、アメリカ経済の動向などなど、、、予断を許さない状況です。

故に、これからのビジネスは、個人で小さく起業する場合には、引き続き慎重にならざるを得ず、固定費(家賃・人件費)のかかるビジネスを選択することは、どうしてもリスクが高くなることを認識しておかなければなりません。中小規模以上のビジネスについても、デジタル化・省人化への取り組みが重要となるでしょう。
 

これからのビジネスのポイントは3つ
これからのビジネスの3つの「最低限」チェックポイント

  • 固定費(人件費/家賃)は、可能な限り少なく抑えれられているか?
  • 柔軟に変化/撤退できる余裕を残せているか?(資金/時間的制約)
  • オンライン化に対応できるビジネスモデルか?

通勤
 

これからしばらくは「身軽に」「いつでも」「どこでも」

こんな不確実性が高い時だからこそ、これからビジネスを始める場合には、小さくスタートしておきましょう。これからのビジネスのポイントは「身軽に」「いつでも」「どこでも」です。そして可能なら、団塊ジュニア世代をメインに狙うことです。

では、小さくするのなら、どんな起業アイデアが成功するのでしょうか? 個人は、こんなスタートをすれば成功するのではないか、という例を書いてみようと思います。

ポイント 輸出→輸入ビジネス

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

輸入
 

一時の急激な円安は落ち着きましたが、まだ円安基調には変わりありません。ですが今後、さらなる利上げが示唆されていますし、トランプ大統領の政策次第では、一気に円高に向かう可能性もあります。

仮に、円安基調がこのまま落ち着いて維持されれば、越境EC(電子商取引)が成長すると考えられます。国内のプラットフォームを利用して手軽に海外に商品を輸出できるようになり、税制上のメリットも大きくチャンスです。
 

ポイント 健康スポーツ関連

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

オンラインダイエット
 

メジャーリーガーの大谷翔平選手の大活躍もあり、野球少年は増えると思われます。日本人選手の活躍を見て、「やってみたい!」「習いたい!」と思う人が増えれば、これからのビジネスにつながります。

また、健康ビジネスで言えば、多くの企業においてテレワークがなくなっています。満員電車や忖度&理不尽な組織でストレスを感じるは多くいますし、ダイエット、サウナ、健康ブームはこの先も続くと思われます。

コロナ禍でオンラインサービスが一気に広まり、自宅でできる運動やダンスを紹介するYouTuberも多く登場しましたが、競合が激増した上、スタジオやジムに戻る人も多くなったため、広告収入は減るでしょう。ビジネスモデルの転換が必要になるかもしれません。
 

ポイント 環境・グリーン・サステナブル(SDGs)関連

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

エコ
 

脱ガソリン車や再生可能エネルギーなどの大きな流れは、大企業や行政がやる仕事です。日本ではEV化について、2030年代半ばにガソリン車の新車販売を廃止すると打ち出されていますが、550万人が従事する産業が転換期を迎えたら・・・、多くの労働者がキャリアチェンジの必要性に迫られることになります。保守政党は盛んに反対していますね。

実際にはEV化推進に対しては、自動車を生産している各国の思惑、各社の労働組合の抵抗もあり、このままスムーズに進むかは不透明です。テスラの株価も下がっています。ですが、日本においては、このままいけば「環境保全ビジネスへの切り替えしない=時代に合わない悪いこと」という空気が醸成されていく可能性は高いです。
 

グリーン
 

各国の国益が複雑に絡み合う中で、欧州ではエネルギー問題が深刻化する可能性もあり、一旦、環境問題は棚上げされる可能性もないとも言えません。トランプ大統領が脱炭素の政策転換を行い、企業もそれに倣う方針を続々と打ち出しているため、今後の動向から目が離せません。
 
私たち小さなビジネスをする人間は、「自分のビジネスにちょっとだけSDGsに関連する貢献を入れる」こと、そんなプチサステナブル、ミニSDGsを目指しましょう。とは言え、先行きが不透明なため、大きな投資は避けた方が賢明です。
 

ポイント ファイナンシャルアドバイザー

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

ファイナンシャルアドバイザー
 

物価高や老後資金の不安が高まる中、ファイナンシャルアドバイザーの需要の増加が見込まれます。ですが、従来型のアドバイス業務ではなく、AIアプリがこれらの業務を代替する可能性が高いでしょう。専門性の高いアドバイザーでないと生き残るのが難しくなるはずです。
 

ポイント 新しい集客サポート

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

コピーライティング
 

フェイクニュースやエビデンスの提示が不十分な情報などを排除する流れが急加速しています。ヤフコメも登録制になりました。これまでも検索の世界では、YMYLと言われる人に重大な影響を与える分野の情報に関しては、発信者の十分な権威性や信頼性が求められてきましたが、その勢いがさらに加速しています。

検索アルゴリズムが進化し、従来のネットマーケティングによる結果の操作が通用しなくなったこれからは、新たな「集客ビジネス」が求められるようになるでしょう。

アルゴリズムといたちごっこだったネットマーケティングは姿を消し、LLMO(大規模言語モデル最適化)などの総合的な知識を持つ、情報発信をディレクションできるマーケッターが勝ち残るようになります。或いはもしかすると、AIの進化を超えてくる天才が登場するかもしれませんが・・・。

また、日本ではまだまだ需要が弱いため、プロフェッショナルな営業代行サービスが求められるようになると予測されます。特に成果報酬型の営業代行は、スキルのあるフリーランスにもチャンスがあります。
 

ポイント クリエイティブ関連

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

クリエイティブ
 

クリエイティブ関連と言っても幅が広いですが、たとえば、ライターや単純なデザイナーとして起業する人は激減するしょう。もうAIに抗うことはできません。これからはデジタルではなくアナログが勝機。体験参加、生演奏、文化などの人間が絡むものにしなければ生き残れないでしょう。

カメラ・写真関連で起業する(教室・販売・NFT)なら今がチャンス!
仕事で身につけた知識や技術だけではなく、趣味や家庭でのルーティンなどから身についたことも、立派な起業ネタになります。  カメラや写真を趣味にしている人は多いです。確かに、デジカメ市場は急激に縮小していますが、それはスマホに置き換わっていることが主な原因。デジカメの出荷台数は年々減少し続けており、コロナ前から前年同月比で2~3割減の水準で推移していた。そこに新型コロナ影響が追い打ちをかけた。世界的な流行が確認され始めた2020年3月の出荷台数は前年同月比で5割以上落ち込み、5月には前年同月比72.6%減の36...

クリエイティブ関連は、AIや3Dプリンタの普及で、流れに乗れれば大きく飛躍できる分野です。しかしながら、AIが従来型の仕事の多くを奪っていくことは避けられません。いかに共存するかがカギです。最新のトレンドをしっかり掴んでください。
 

ポイント 高品質生産農家

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

農家
 

農業も、これからのビジネスとして注目される産業の一つです。140円前後レベルの円安であれば、ビジネスチャンスを感じる人も多いでしょう。

日本の農業分野の一番の課題は、既に語りつくされた高齢化の影響です。しかし、今から少子化を抑制できたとしても、成果がでてくるまで20年近くかかるわけですから、やはり、改革は必須と言えます。

もちろん、事業化して目指すところは「高品質農業」です。農地造成、作付け効率や作業の軽減で、労働コストよりも収入を高くすることが目標となります。

欧米式の産業型大規模農産業ではなく、極めて小規模、都会であっても農家が存在し、そして地産地消していく姿が日本らしいですが、それでも全体の世帯数減を考えれば、今こそ、株式会社の参入、輸出市場を見据えた生産性の向上が必要ですね。
 

ポイント AIを活用するシステム

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

クラウド
 

デジタル庁も立ち上がり、デジタル化、DXの流れは止まりません。そして、IT、通信技術は進化し続けています。もちろん、これからのビジネスとして有望な分野です。ChatGPTを始めとするAIの劇的な進化があったり、デジタル通貨の登場があったりと、新たな価値がブロックチェーンの中で生まれ、それが膨大な利益を獲得する事実を作りました。

今後、さらに注目の分野は・・・短期的には〝ChatGPT×●●〟というシステム。特に、金融、健康、教育などの分野で多くのベンチャー等によって開発され、その後、後発で個人が無料リリースする進化版に駆逐されていくことが予想されます。そんな中で、おそらく安定度ナンバーワンはセキュリティ分野でしょう。

セキュリティ分野もAI同様、スタータップ支援の下、プログラマーとして優れた若い人が続々とベンチャーを立ち上げ、そして数年で廃業していくことになるでしょう。過酷な大競争時代の幕開けです。
 

ポイント オンラインおよびオフラインのコミュニティ

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

コミュニティ
 

オンラインおよびオフラインのコミュニティは今後も重要であり続け、さらに細分化されて広がるでしょう。COVID後にオンラインコミュニティは厳しい状況になりましたが、それでも勉強会コミュニティを中心に生き残っています。

趣味系ではリアルの集まりが完全に復活しています。同時に、ハイブリッドモデル(オンラインとオフラインの組み合わせ)も注目され、安全性、シンプルさが求められるようになりました。
 

ポイント 建物・スペース活用ビジネス

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

空き家
 

空き家活用はずいぶん前から提言されています。これからも空き家は増える一方のはずですから、空きスペース再利用ビジネスは、今後も活性化するでしょう。

空き家物件を仲介するだけの不動産ビジネスは、もうすでに飽和しつつあります。そして、特区の民泊は移民制度の穴として悪用される一方です。そのうち規制も入るでしょう。今後は、ベンダーとして物件活用自体をプロデュースし、業態によってその設備からインフラをデザインするなど、クリエイティブ要素が重要になってきますね。

シェアオフィス兼シェアハウスのようなサービスも続々と登場しています。
 

ポイント 結婚相談所ビジネス

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

結婚相談所
 

結婚相談所業界は若者向けのみならず、全年齢対象のエンタメ性のあるマッチングサービスにシフトしていくでしょう。インタラクティブで体験型のプラットフォームが、より魅力的で楽しさを提供する方法として注目されており、AIマッチングアプリと競争する中で重要なトレンドとなるはずです。

シニア向けデートプランニングなど、シニア向けサービスの開発もさらに進むでしょう。
 

ポイント インバウンドビジネス

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

インバウンド
 

2025年初頭、インバウンドは過去最高で1000万人と突破。年間4000万人ペースでとんでもない成長産業になっています。医療観光が再び注目され、外国人患者の受け入れ整備も進んでいます。国保の悪用、不公平さえ是正されれば(ようするに彼らが自費や民間保険を利用するのなら)、日本としても大歓迎でしょう。

2025年、インバウンド産業は成長を続けるでしょう。治安が心配ではありますが、環境変化をしっかりと捉え、たとえば英会話ビジネス、国際恋愛ビジネス、ウェルネスなど、小さく開業できる方法を模索すれば、チャンスはいくらでもあると思います。
 

ポイント まとめ:これからのビジネスとは?

これから来るビジネスで成功しやすい起業分野とは?

ビジネス
 

大きな流れは、ネットニュースや新聞を読めばわかります。その流れが個人ビジネスで出来る範囲にどう降りてくるのか、そこに着目しましょう。外資は、空き店舗を安く借り上げたり、中古品や土地を買い叩くなど、着々とこれからのビジネスのために動き出しています。私たちも負けてはいられません!

これからのビジネス【起業するならお勧めの分野】アンケート調査結果
起業18フォーラム(運営:パーソナルビジネスブレインズ 東京都豊島区 代表:新井一)では、経営者・自営業・自由業の方々50人を対象に「これからのビジネス」に関するアンケート調査を実施し、そのデータを分析しました。   調査概要これからのビジネス【起業するならお勧めの分野】アンケート調査結果 調査期間2021年11月8日~11月12日 調査方法ネットリサーチ(クラウドワークスにてアンケートを依頼) 対象者条件経営者4s、自営業・自由業46s 有効回答数計50s 回答者プロファイル詳細   これから起業や独立を目指す方に...

個人にできるこれからのビジネスの範囲は限られますが、時代の変化の中で、チャンスはたくさんあります。それに気づけるのかどうかだけです。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


アイデア

会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!【セミナー@東京/オンライン】

自分のタイミングで学びたい、セミナーは苦手、というあなたは【動画版】起業セミナー(特典付き)

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!