フリーランスとして独立する人が知らないと損する4つのポイント

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

フリーランスとして独立するとき、入念な準備をしたつもりでも、抜けていることや知らないことはあるものです。
 

フリーランス
 

今回は「フリーランスとして独立する人が知らないと損をする4つのポイント」をご紹介しましょう。独立を控えた方は、関連記事を含めてチェックしておきましょう!
 

ポイント そもそもフリーランスって何?

独立する人が知らないと損するポイント

フリーランス
 

一般的には、会社や団体に雇用されていないだけでなく、どの組織でも専属的な従事をせずに、自分の能力で仕事をしている人のことを指してフリーランスまたはフリーランサーと呼んでいます。

つまり、プロ野球選手などは球団と専属契約を結んでいるため、雇用関係にはないけれどもフリーランスではないということになります。とは言うものの、世間では「フリーランスって、フリーターと何がちがうの?」と思っている人もいるようです。

そこは、あまり気にせずに、自分がフリーランスとしての覚悟を持ってやることが大事なことでしょう。
 

ポイント フリーランスはやることが多くある

独立する人が知らないと損するポイント

 
脱サラ
 

会社に勤めていると、あれやこれやとやることがいっぱいあって、面倒だなと思うでしょう。

「フリーランスになれば、人に指図されずに思うように仕事ができる」と意気込むのは良いのですが、現実は自分が会社になったようなものですから、日頃、会社がやってくれていることと同じことを、たくさんやらなければならないのです。
 

1.個人事業の開業届けはいつ出すの?

さて、フリーターと一線を画す手続き的なものに「開業届」があります。フリーランスとして独立する人が知らないと損するポイントの1つ目は、個人事業の開業届です。

開業届を出しているのだからフリーターではありません! 「これで損を回避できました」という話ではないですよ。
 

開業届を出していなくてもビジネスはできるのでしょうか?
● 質問私は写真が趣味で、東京の様々な景色を20年以上撮り続けています。同じ場所を同じアングルで撮影することも多く、時代の移り変わりを見ることができる写真の展示ポータルサイトを立ち上げようとしています。アクセスが集まりましたら、広告収入やお店紹介などを行い、お店からの情報掲載料をもらおうと考えています。私はまだ開業届も出していませんし、もちろん、法人化も考えていません。そのような状態ですが、お店と契約をしたり、請求書や領収書の発行をすることはできるのでしょうか?  ● 回答お店紹介となれば、そのよ...

 

法律的な話をすると、所得税法の第229条で(開業の)事実があった日から一月以内に届出書を提出しなければならないと規定されています。提出先は税務署長です。

ただし、一月以内に出さなかったとしても罰則はないので落ち着きましょう。事実があった日ですが、現実的には本人が開業したと決めた日になります。

また「最終日に行ったら土日祝日で税務署が閉まっていた」という場合は、夜間休日用の時間外収受箱が玄関の近くに設置してあるはずです。ちなみに、税務署の受付時間は8時30分~17時までとなっています。

開業届を出さないで損をするケースは、青色申告の適用が受けられないことです。※開業届を出すだけでは青色申告の適用はされませんので、青色申告承認申請書も提出しましょう。
 

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2.必要経費は節税対策にもなる

フリーランスになると、事務用品なども自分で買い揃えなくてはなりませんね。

「もったいないから、なくなってから買おう!」それもいいですが、儲けが増えて税金が多くなりそうなら、なくなる前に必要なものを適度に買っておきましょう。

そんなことを考える必要がないくらい、毎年大儲けできるようになりたいですね!
 

3.こんなものまで経費にできる

必要経費といえば、仕事だけに使っているものしか計上できないイメージを持っているかもしれませんね。ところが、フリーランスの事務所って、自宅だったりしますよね?

部屋も電話もパソコンも、車も何から何まで、私生活と共用ということもあります。この場合、それぞれ仕事に使っている割合に応じて必要経費にできるのです!

按分の割合は、使っている面積や時間、料金など実情に合わせましょう。
 

4.フリーランスの仕事は契約内容の把握から

さて、フリーランスとして仕事をする上では、法律的な契約の知識を持っておく必要があります。請負契約と委任契約の違いを知らないと損してしまいますよ。

順調に仕事が入ることは素晴らしいことです。しかし、契約内容をよくわかっていないまま仕事をすると、後でトラブルになりかねません。

フリーランスで受ける仕事には、請負契約のものと委任契約のものがあります。どちらの契約かは、契約書をみればわかります。でも、契約書を交わさないで取引することが多いのもフリーランスです。

また、契約書のタイトルが請負契約か委任契約かで判断できるわけでもありません。タイトルより中身を見る必要があります。

では、具体的に違いを確認しておきましょう。
 

適正
 

請負契約とは、いつまでにどのようなものを完成させるという契約です。例えば、明日中に犬小屋を作るという仕事があります。作るとは完成させることですから、未完成で終わってしまえば契約違反です。

一方、委任契約とは、なんらかの行為を任せ、引き受ける契約です。例えば、弁護士による債務整理などです。弁護士が動いた結果として、借金の解決ができなくても契約違反にはなりません。

もう少し、同じ土俵で比較したほうがわかりやすいかもしれませんね。

例えば「明日1日、商品Bの営業をお任せします」という依頼があったとします。その報酬の支払条件が「営業を行ったこと」に対するものであれば委任契約です。そうではなくて「売上に対して」であれば請負契約となります。

つまり、委任契約では売るための努力が仕事であり、請負契約では売ったことが仕事なのです。実は、この手の話はよくあるようで「働いたのにお金をもらえない」というトラブルもあります。フリーランスはアルバイトではないので、契約内容はよく確認しましょう。
 
 

ポイント 制度や法律を知ることで自分の利益を守る

独立する人が知らないと損するポイント

 
法律
 

税制やその他の法律を知らなくても、フリーランス生活ができないわけではありません。ただ、知らないと損をするというだけです。

そして、役所や取引相手が向こうから教えてくれることを期待してはいけません。フリーランスとして自分の利益を守れるのは、自分だけなのです。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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