記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
今回は「特定商取引法」の質問です。
「特定商取引法に基づく表記」の中で、住所や電話番号を公開していないサイトを見かけますが、これはOKなのでしょうか?
私は一人暮らしなので、住所はもちろん電話番号も公開することに不安を感じます。ですが、事務所を借りることはできませんし、自宅で仕事をしたいと考えています。
表記は、どのような場合にしなければならないのでしょうか? 例えば、1000円のサービスを引き受けるだけでも必要なのでしょうか?
よろしくお願いします。
● 回答
特定商取引法に基づく表記ですね。多くの会員さんに質問いただくことですが、頭の痛い問題です。ですが、回避できる可能性はあります。
まず、一般的には以下のように言われます。
ネットを利用して商売を行う場合「特定商取引に関する法律」の規制を受けることになり、上述のように1000円のサービスであっても、ネットを利用し商売を行う以上、この法律の遵守は必須となります。
通常、以下の項目を表示しなければなりません。(参考:「特定商取引法に基づく表記の項目」)
- 販売業者名 (法人の場合は、代表者名)
- 運営責任者名
- 所在地
- 連絡方法
- 営業時間、休日
- 販売価格
- 商品代金以外の必要料金
- 支払方法、支払期限
- 引渡し時期
- その他(返品・交換、返品期間、費用負担など)
ようするに、サイト運営者の身元を明らかにし、取引に必要な項目をまとめて表示する義務があるわけです。目的はもちろん、消費者の利益を保護することです。
また、サイト利用者は、情報を隠しているサイトを信用しません。
こんな回避方法があり得ます
従いまして、ご質問にあるような表示のないサイトについては、法律を遵守していない可能性がありますが、そうではない場合もあります。
たとえば、こちらのような「商号登記」をしているケースです。(参考:「特定商取引法に基づく表記に本名を書かない(屋号のみ)ことは可能?」)
もう一つは、販売責任があなたにないケースです。販売責任があなたにない、責任を他社に委託する場合、あなたの名前は出なくなります。(参考:「ドロップシッピングとアフィリエイトって何が違うの?」)
こんな例外の規定もあるけど・・・
もう一つ「責任者名等の表示をしなくても、お客様が請求した時に遅滞なく提供できる仕組みがあれば良い」という例外もあります。自動返信メールなどを活用して、請求をしてくれた人だけにメールで送る方法です。
ネット上に責任者名等を表記せず、お客様が請求した時に滞りなく情報を提供できればよいということは、本名や住所などのネットに出したくない項目は書かずに、その代わりに「特定商取引に関する表示についてはこちらをクリック」などと表示しておき、それをクリックしてくれた人にのみ、メールが送られて即答する仕組みを作っておくなどのことです。
上述のように自動返信メールを利用するために、定型フォームを用意しておいてメールを送信する形になると思いますが、しかし、これでは信用力が著しく下がりますし、この場合でも、ボタンを押されれば名前が出ることには変わりありません。
正直、あまりよいやり方とは思えません。
また、名前などの表記部分、或いはページ全体を画像化して、検索エンジンを回避するといった方法もありますが、これも100%ではありません。
まとめ
「特定商取引法に基づく表記」の中で、住所や電話番号を公開していないサイトを見かけますが、これはOKなのでしょうか?
いずれにしても、法律はきちんと守る必要がありますし、情報を開示することはビジネス成功の上でも大切です。
お客様が商品を購入する際には、少しでも疑問があると去っていってしまいます。買った後でわかることが多くても、トラブルやクレームの原因になります。
正しい知識を得て、出来る限り情報を公開し、健全なビジネスを展開しましょう!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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