女性用の下着を開発し、特許を申請しています。これだけで大手に真似されませんか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

女性向けの新しいコンセプトの下着を自分で開発し、現在、特許も申請中です。

アイデアには自信がありますが、こうした商品を個人で開発しても、大手企業に真似されてしまうのではないかと心配しています。

また、実際に販売を始めるとなると、どこから手をつけて良いのか分かりません。

店舗やネットでの販売など選択肢はあると思いますが、個人でのスタートに最適な方法について、アドバイスをいただけると嬉しいです。
 

起業前質問集
 

● 回答

とても素晴らしい取り組みですね。女性用下着という分野で、自ら商品を開発し、特許まで申請されているというのは、並大抵の努力ではできないことです。

ただ、ご心配のとおり、「真似されないか?」という問題は、非常に現実的な課題でもあります。
 

特許で「真似」は防げるのか?

特許を出願・取得することで法的な保護は得られますが、以下の点に注意が必要です。

特許は「防御」にはなりますが、実際に真似された場合、訴えるには時間も費用も労力も必要です。一部だけ設計を変えるなど、「回避設計」されてしまう可能性もあります。実際に争うには、特許の中身が明確で強いものである必要があります。

つまり、特許だけで完全に守れるわけではなく、いかに早く市場を押さえ、ファンを獲得するかという戦略も同時に重要です。
 

大手に真似されないための考え方

1人で守ろうとするより、「逆に大手と組む」という発想もあります。

たとえば:

  • 特許やデザインをライセンス契約で提供し、収益を得る
  • OEM提携で生産だけ大手に任せ、ブランドや販売は自社で運営
  • 初期段階でクラウドファンディング等で注目を集め、認知度を先に獲得

大手が動く前に自分のポジションを取っておくことが最大の防御になる場合もあります。

また、同じようなアイデアであっても、企業側が「製造コストが高い」「ブランドに合わない」と判断すれば、あえて参入してこないケースもあります。
 

販売方法の選び方(個人スタート編)

◎ 店舗販売はハードルが高い
実績のない商品は、小売店側もリスクがあるため仕入れてもらうのは難しいです。売上保証や大量発注が前提になることも。
 
◎ ネット販売が現実的
BASE、STORES、Shopifyなどで簡単にオンラインショップを開設可能。受注生産や小ロットでも始められ、在庫リスクも抑えられます。写真やブランドストーリーがカギになります。
 
◎ SNS活用が鍵を握る
特に下着は、機能だけでなく「イメージ」「共感」「価値観」が購買につながる商品です。InstagramやPinterestを活用し、世界観を発信。ユーザーの声やストーリーを載せることで信頼性が増します。モニター募集などでリアルな体験を共有すると口コミにつながります。

広告やPRは地道でも「届けたい人に届ける」戦略が必要です。いきなり大量に売ろうとせず、少しずつ実績とファンを積み上げていきましょう。
 

守るより「広げる」戦略を

確かに、真似されるリスクはゼロではありません。しかし、それを恐れて何もしないよりも、「いかに早く動いて、共感され、独自のブランドを築くか」の方が、現実的で前向きな防御策になります。

特許だけに頼るのではなく、誰に届けたいのか? どんな悩みを解決するのか? どんな体験を提供したいのか? このような“価値の言語化”と“売り方の工夫”が、商品そのものの強さ以上に、ビジネスを支えてくれる武器になります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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