副業から独立(本業として起業)するタイミングは?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

会社員のまま起業準備をするには、一定期間は副業として事業を運営することになります。すると、副業を本業にするタイミング、いわゆる「会社を辞めるタイミングっていつがベストなの?」という疑問が湧く方も多いようです。
 

起業
 

ポイント 独立後に得たいお給料(収入)を得られたら

副業から独立するタイミングは?

給料
 

私が会社員時代には、私自身も含めてたくさんの周りの人間が「給料が低い」と言い「頑張っても意味がない」というような話をしていました。飲み屋ではいつも愚痴でしたね。お給料は労働に対する対価ですが、経営者の労働分配率に対する考え方と、そもそも利益率の高い事業をしているのかどうかに強く影響されるので、そもそも就職した時にある程度の限界が決まってしまっているのです。

かつては、残業して足りないお給料を補おうとする方もいらっしゃいました。残業代はすでにお給料に込みだという立場の方もいます。何れにせよ、お給料とは会社に自分の人生を切り売りしている「時間給」がベースです。タイムカードを押し、原則として労働時間が決められており、その対価としてお金をいただいているのです。能力や成果に対する対価は、多くの場合は「プラスアルファ」ですよね。
 

給料
 

経営者になれば、役員報酬(自分のお給料)を自分で決めることになります。少ない時間だけ働いたとしても、収益があればたくさんもらうことができますし、収益がなければお給料は払えません。外から決まった金額で仕事をもらって、労働時間が長くなれば、その分は赤字になるわけです。

あなたは、独立後、毎月いくらの報酬を得たいですか? とりあえず会社員時代と同じで良いとするならば、副業会社員時代に年収を2倍にできたらOKということになります。

ちなみに、独立初年度の年収は300万円未満が54%と半数を超えています。(参考:「起業したいけど不安です。ネガティブになってしまいます。」
 

ポイント 時間の切り売りをしないビジネスができたら

副業から独立するタイミングは?

時間
 

上の段落だけで半分以上説明できていると思うのですが、本業は時間給がベース、副業は成果報酬がベースです。つまり、副業も起業と同じで「時間を提供すればよい」というものではなく、収益を上げれば短時間の労働であっても構わない性質のものなのです。

副業を始めた人であっても、それがなかなか本業にならない理由の多くは「収益率」つまりは「効率」の問題です。たとえば、イラストレーターとして副業を始めた場合、素早く数多く高品質のイラストを受注・納品できれば、あとは「時間短縮」だけの問題になります。もし、これが達成できれば、後は「数多くの発注先」を探せばよいだけになりますが、1日は24時間しかないことを考えれば、すぐに頭打ちしてしまうことになります。
 

仕事
 

つまり、時間短縮の難しい労働集約型の副業は避けるのが原則。時間短縮をいかに達成するのかを意識して仕組み化し、次に、限られた労働時間の単価を高めない限り、独立するという決断ができるレベルの収益までは到達しないのです。

多くの人が間違えているのは「スキル」を使った起業ばかりを考えて「時間のかかる仕事」をやろうとすることです。起業する前に様々なツールやビジネスモデルを駆使して「時間の切り売りをしない仕事」にできたかどうかは、重要なチェックポイントです。
 

ポイント リスク分散(管理)ができたら

副業から独立するタイミングは?

リスク
 

多くの人は「仕入れ価格より高く販売価格を設定すれば儲けが出る」と考えます。ですが、そこは怖いところです。いつまで、その「安い仕入れ」が確保できるかどうか、どこにも保証はありません。仕入れによって事業が成り立っている場合、仕入れ業者に命を握られているのと同じことになります。

仕入れ価格を下げるには、一番簡単な方法は大量に買うことですが、一個人にそんなことできるでしょうか? もう一つの方法は、販売者が生産者を兼業することです。少しでも川上に立ち、原価をコントロールできる範囲を広げておくことで「リスクマネジメント」をすることです。

優れた目利きができれば、掘り出し物を探し続けることもできるかもしれませんが、そうでなければ、上述のようにビジネスを生産側に近づけておくか、仕入れを複数の業者からできるようにしておくなど、独立を決断する前に「自分の命運を左右する存在」の明確化と「リスク分散(管理)」をしておきましょう。
 

ポイント まずは「時間」次に「収入」それから「リスク分散」で作っていこう

副業から独立するタイミングは?

スタートライン
 

最初の段落で、会社員のお給料は原則として時間給であり「事業の収益性」と「経営者の労働分配率に対する考え方」で限界が決まってくる、というお話をしました。起業すればそうではなくなります。「収益率」と「成果」が全てであり、どれだけ「効率的」に「合理的」に物事を進めるかです。

本業の会社のお仕事は、自分がどれだけ頑張ったところで、事業の収益性を上げたり、時間短縮をすることは簡単ではありません。ですが、あなた自身の収益性向上、時間短縮は可能です。担当の仕事の作業効率を上げ、残業や意味のない飲み会に参加せず、自宅を会社近くに引っ越すなどをするだけで、たくさんの変化があることでしょう。
 

事業計画書
 

そこで空いた時間、朝晩30分でよいと思います。自分の立ち上げたい事業のために時間を投資し、時間をかけない仕組みを作っていきます。まずはあれこれ難しく考えず、ビジネスを作ること。そして、慣れてきたら効率化に挑戦していきましょう。

少ない時間で多くを稼げるようになれば、本業と収入のバランスが入れ替わっていきます。仮に今、時給換算で2,000円で一日8時間仕事をしているのなら、副業で1日16,000円稼げるようにもっていきましょう。今のお給料の2倍~3倍にもなれば、会社を辞めるタイミングです。

難しく考える必要はありません。時間の切り売りをせず、あなたが会社にいる間に売れていくものを作ればいいのですから。

深く考えすぎず、ビジネスの基本に沿って進めていきましょう!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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