フリーランスは気楽で最高!? メリットとデメリットを解説

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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フリーランスとは何か? 簡単に言えば、個人事業主のこと。或いは、場合によっては一人社長も含みますね。
 

大学生
 

フリーランスと言っても2種類「個人事業主」と「一人社長」があります。異なる点(メリット・デメリット)はたくさんありますが、大きな違いの一つが所得の計算です。個人は、事業で得られた収入に関しては「所得」として所得税がかけられ、収入額に応じて累積課税の適用を受けます。所得が多ければその分所得税も大きくなります。法人にした場合は、自分で自分に役員報酬(給料)を払うことになり、その給料に対して所得税がかけられます(※法人税もかかります)。
 

独立と税金【所得税・住民税・事業税・固定資産税・消費税】
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法人にする大きなメリットとしては、会社としての信用度が高いことが挙げられます。信用のある金融機関から融資を受けているケースも多く、フリーランスより社会的に認められているというわけです。正し、設備投資や経営体質の強化など様々な責任も課せられるため、個人事業主の自由さに比べると準備も運営もそれなりに大変です。
 

起業したら法人化する方がよい? メリット、タイミングは?
私のお勧めしている「会社員のまま起業して準備を進めていく」スタイルでは、基本的には、最初から法人化を考えるよりは、まずは個人事業から始めて「会社を辞めてから法人化すれば良い」とお話ししています。もちろん、許認可の問題や取引先の都合で法人化が必要になったり、節税目的で法人化を急ぐ人もいると思いますので、その人次第です。  ちょっと視点を変えてみて、「個人事業主のままでいると、どのような不都合が発生するのか?」を考えてみれば、まず言えるのは「信用」です。個人と法人では、同じ一人カンパニーでも雲泥...

 

会社員のまま起業をする際には、まずは「個人事業主から始めればよい」でしょう。小さく、知り合いを相手に実績、経験を積み上げることからです。自己資本が小さくても、多少の債務があったとしても、個人事業であればいつでも自由に開始できますし、廃業することも簡単ですので、自分の裁量だけでできることは、何より気が楽です。
 

ポイント 中規模以上の企業に勤めるサラリーマンとフリーランスに二極化

フリーランスのメリデメを解説

仲間
 

最近では、年齢問わず、フリーランスの道を選択する人が増えています。日本企業の85%は小規模な事業者で、その6割が個人事業者です。こう聞くと多く感じますが、15%が大企業、85%の中の4割が中小零細企業、そしておよそ339万人の公務員。そう考えると、個人事業者まだまだ少ないです。(※内閣官房日本経済再生総合事務局「令和2年5月 フリーランス実態調査結果」によると、日本のフリーランス人口は約462万人。定義により1,670万人などの統計もあります。)

フリーランスは年々増加していますが、まだまだ少ない。その要因は様々あるとは思いますが、最も簡潔に説明するとすれば、少々強引ですが、それは「一人でリスクが高いように感じる」からでしょう。

会社員のままフリーランスのように副業をする良い点は、いつでも開業、廃業できる気楽さにあります。業種にもよりますが、身軽でコストを低く抑えられますので、リスクは圧倒的に低いです。逆に零細企業(例として5人以上など)にしてしまうと、動きは鈍くなり、コストも高くなります。
 

ビジネスモデル
 

今後は、安定、安心、福利厚生が整った上で残業もない大企業と、フリーランスとが二極化してくるでしょう。民間を選ぶ人は、リスクはあるかもしれないが自由度の高い人生を求める層、そして、安定・長期雇用を求め、しかも倒産のリスクが低い大企業を求める層に明確に分かれるだろうと思います。

とは言え、就職活動の動向を見ていれば「まずは大企業を目指す」というのは昔から同じですよね。その大企業を3年から5年ほどで退職した後、フリーランスで独立する人が増えるだろうと言う方が、正確かもしれません。

ですが、誰もが経営のセンスを持っているわけではありません。会社員時代に、どれだけ自分の担当現場で使える能力以外に、利益や人件費などのコストにも目を向ける感性を高めておけるか、その辺りも意識して働く人も増えてくるのではないかと思います。エンジニアでも物をつくるだけではなく、営業のことまで考えてつくる、そのように自然に感性を磨くことを続けた人が、独立していくことになるでしょう。
 

ポイント リスクマネジメントとタイムスケジュール管理

フリーランスのメリデメを解説

ミートアップ!
 

フリーランスのメリット・デメリットを考える時「リスクマネジメント」について語らない訳にはいきません。

フリーランスはリスクが比較的小さいと言えます。たとえば、不測の事態が起こった際でも方針を転換したり、撤退することを、大手と比較すれば簡単に決断できます。代わりに、自分の信用や身体的な体力など、代わりの利かない要素も多くあり、全ては自分次第です。

また、売上の急変にも対応できないことが多く、天候や立地条件、タイミング、ライバルの動きなど、外部要因に大きく左右されてしまった場合などは、苦しい局面を迎えることもあるでしょう。

外部要因に翻弄されている事例では、最近では以下のようなことがありました。最近、小学生の「将来なりたい職業」でも流行りの「YouTuber」への規制の流れです。

最近、ユーチューブで人気を誇る、いわゆる「ユーチューバー」がやたらと多くなっている。無名の一般人が何らかの技を披露し、それが口コミで話題を呼んで100万を超えるビューを得る、というタイプの人々だ。独自のチャンネルを設けてビデオを連作し、視聴者も楽しみにする。

(中略)

さて、今ユーチューバーたちの間で懸念が広がっている。それは、広告主が不快と感じるようなコンテンツや言葉遣いを、ユーチューブが厳しく取り締まり始めたことだ。そうしたビデオには広告表示を停止し、それを画面で通達するようになったのだ。ギリギリの表現でファンを楽しませてきたユーチューバーも多く、当たり障りのないビデオだけを許すのならば「子供用チャンネルになってしまう」と、彼らは不満の声を上げている。ユーチューバーたちの収入の大部分は、各ビデオに合わせて流れる広告によるものだ。規則と表現がどこで折り合いをつけるのか。これは、ユーチューブの性質を決定する意味で、大きなポイントとなる。

2016/09/11 日経MJ(流通新聞) 6面

 

フリーランスは身軽で参入も撤退も簡単ですが、逆にすぐに吹き飛ばされてしまうことも事実です。自分のタイムスケジュール、仕事の頻度、それに応えられる体力や知力にも限界がありますので、その限界を見極め、限られた範囲で最善を尽くすセンスも重要なのです。
 

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ポイント 社員が増えるリスクとフリーランスのリスク

フリーランスは気楽で最高!?メリットとデメリットを解説

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フリーランスは、何より「気楽」です。一人でやっている場合には「社員がいないこと」もある意味ではメリットになります。社員は、雇用されて給与を受け取ることを「もらえて当然の労働対価」と捉えます。もちろん、それは正しいのですが、経営者側からすれば「事業の存続」が最重要課題であり「利益を上回る給料は払えない」ものです。だからこそ経営者は、コストの無駄を省き、サービスを揃え、収益を高めようとします。それが当たり前の感覚になります。

一部の社員は「労働対価=仕事をしているかどうかはともかく、会社に拘束されている時間に対する対価」と考えていたり「与えられた最低限の仕事をやるだけ」という感覚を持っていることがあります。時間に関しては確かに正しいのですが、零細企業でそのような人材が増えてしまった場合、経営は危機的な状態に陥る可能性が出てきます。結果、経営者が自分で仕事をすることが多くなり、さらに経営が危うくなるのです。

そのような心配もなく、自分のできる範囲で効率性、単価アップを追求し続けられるのは、フリーランスのメリットであり、リスクでもある特徴です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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