独立する前に知っておくべきことがあれば教えてください

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

まもなく会社を辞めて、独立します。独立すると、無職になるのですか?

知っておくべきことがあれば、アドバイスいただけますか?
 

起業前質問集
 

● 回答

独立されるのでしたら、無職ではなく、自営業と名乗るのが普通ですね(^_^;)

独立する前に知っておくべきこと・・・たくさんあり過ぎて辛い質問ですが、とりあえず法律のことと税金のことでしょうか。

まず、現在の日本の法律では、有限会社という仕組みは撤廃され、全ての職業は雇用されての就業か、個人事業主、それ以外は法人のみが認められています。あなたの場合、まもなく個人事業主になるということですね。

個人事業主と言うと、一人でフリーで働くか、家族や親類以外の人を雇わない個人の会社という意味で捉える人が多いと思います。しかし実際は、単に法律に従って条件を満たして法人として設立されたかそれ以外かの話であって、規模は全く関係ありません。

個人事業主でも、もちろん人を雇うことは可能です。法人との違いは、法的に社員が守られる法人に対し、個人事業主は一定人数以下であれば社会保険加入は任意であることなど、比較的設立条件がゆるいことです。
 

私たちが提唱する「会社員のまま180日で起業する」という起業準備スタイル。それは、会社に勤めながら、最初の180日でビジネスを立ち上げ、その後、一年をかけてビジネスを育てる活動のことです。もはや副業・兼業・週末起業、待ったなしの時代。2021年5月3日のNHKサイトで「副業・兼業812万人の見通し 去年より100万人余増 コロナ影響か」という記事が紹介されています。記事によれば、副業や兼業を行う人が去年より100万人も増えて「812万人」に上るとのことです。もう、検討中、情報収集中、何て言っている場合ではないですね。...

 

ポイント 知っておきたい所得税の話

独立する前に知っておくべきことは?

確定申告
 

個人事業主でネックとなるのは、やはり確定申告でしょう。

何かの仕入れや、あるいは取引先との間で金銭上のやり取りがある場合は、お金の流れを記録する「簿記」が必要になります。現金を持っているのと、資材や在庫を持っているのとでは、税制上大きな違いがありますからね。

でも大丈夫です。単純に商品を仕入れて、値付けをして販売するだけの単純な取引では、記帳もそれほど難しいものではありません。

現在の法律では、白色申告も記帳が必要となっています。青色申告と白色申告の違いは、検索すれば詳細はすぐにお分かりいただけると思いますので割愛しますが、ざっくり言いますと節税が難しい点でしょう。青色申告にしておけば、必要経費の科目数が決められ、更に控除も科目数が多いため、いろいろと有利です。

他にも、赤字を3年繰り越せるとか、経費に色々加えられるなどがもありますが、複式簿記の必要があるため少々面倒にはなります。とは言え、独立するのでしたら、財務状況を監視する癖を付けたいですから「青色申告承認申請書」を提出しておきましょう。
 

● 質問確定申告の青色申告とか、白色とか、よくわかりません。  ● 回答個人事業を行うフリーランスの方は、毎年2月になると頭が痛いですよね(笑)そうです「確定申告」です。日本は「申告納税」が基本の国です。自分の稼ぎを自分で申告して税金を払うわけですが、それを確定申告とよびます。フリーランスの方は、日頃からしっかりと領収書などの整理をしておかないと、確定申告直前に作業が追い付かずヒーヒー言ってしまいますね。サラリーマンさんは会社がまとめて年末調整をしてくれますから、その辺は簡単です。  サラリーと...

  

ポイント 国民年金と国民健康保険のリスク

独立する前に知っておくべきことは?

社会保険
 

個人事業主であっても、社員や一定期間以上の雇用がある場合は、雇用保険は強制加入となりますので、規模や人数での緩和はありません。

厚生年金は5名以上の雇用が発生すれば、会社と社員同士で折半して加入することが出来ます。まぁ、最初から人を雇うことはないでしょうけれど・・・。
 

● 質問起業して独立した後に、健康保険や年金はどうなりますか?  ● 回答税金と同じように支払わなければいけないのが「社会保険」です。独立すると、この支払いもバカになりません。社会保険と一言で言っても、いろいろなものが含まれています。例えば、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険、年金保険なども社会保険です。独立すると直接関係してくるのは「健康保険」と「年金保険」です。会社を辞めると負担が一気に増えます。  健康保険とは?独立・起業後の社会保険どうなる?(2021年現在)正確には「健康保険」と「国民健...

 

健康保険は、あなたの業種で、組合の健康保険に入れそうか検索をしてチェックをしてください。簡単に調べられる作業ですが、保険料が安くなることがあります。
 

年金
 

個人事業主は、年金に関しては国民年金保険になります。国民年金だけでは老後はかなり心配ですから、国民年金基金などの追加加入などが従来のリスクマネジメントでしたが、今では確定拠出年金などの制度もあります。簡単に言えば、金融機関に資金を預けて運用し、損益が反映したものを年金受給額として受け取れる制度です。調べてみましょう。

確定拠出年金は「確定給付年金」とは違って、運用次第によって年金がどうなるのかわからなないことがデメリットですね。個人事業主の年金については、かなり思慮深く考えておく必要があります。
 

ビジネスチャンス
 

とりあえず、知っておくこととして、こんなところを挙げてみました。他にもたくさんあると思いますが・・・

税に関すること、それから年金(老後)、健康保険に関することが、イチバン気になるかなと思うからです。
 

● 質問WEBサービスを軸とした起業を計画しています。新井さんの言う一人起業、スモールビジネスではとてもできない仕事で、10人程度の社員が必要になります。最初は5人でスタートすることにしています。その場合、個人事業ではなくもちろん法人にし、スタートするのですが、社会保険などはどうすればよいのでしょうか? 教えてください。こちらの記事は従業員の保険をどうするか? の立ち位置で書きます。起業家一人の場合の視点で書いた記事は、こちら(↓↓↓)です。   ● 回答まず「社会保険とは何か」について触れおきましょう。...

 

中でも年金については、引退した後の長い人生に関わることなので、よく考えておくことをお勧めします。事業税などの地方税に関することは、業種によって色々と異なりますので、今回は割愛します。 


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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