記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
まもなく会社を辞めて、独立します。独立すると、無職になるのですか?
知っておくべきことがあれば、アドバイスいただけますか?
● 回答
独立されるのでしたら、無職ではなく、自営業と名乗るのが普通ですね(^_^;)
独立する前に知っておくべきこと・・・たくさんあり過ぎて辛い質問ですが、とりあえず法律のことと税金のことでしょうか。
まず、現在の日本の法律では、有限会社という仕組みは撤廃され、全ての職業は雇用されての就業か、個人事業主、それ以外は法人のみが認められています。あなたの場合、まもなく個人事業主になるということですね。
個人事業主と言うと、一人でフリーで働くか、家族や親類以外の人を雇わない個人の会社という意味で捉える人が多いと思います。しかし実際は、単に法律に従って条件を満たして法人として設立されたかそれ以外かの話であって、規模は全く関係ありません。
個人事業主でも、もちろん人を雇うことは可能です。法人との違いは、法的に社員が守られる法人に対し、個人事業主は一定人数以下であれば社会保険加入は任意であることなど、比較的設立条件がゆるいことです。
知っておきたい所得税の話
個人事業主でネックとなるのは、やはり確定申告でしょう。
何かの仕入れや、あるいは取引先との間で金銭上のやり取りがある場合は、お金の流れを記録する「簿記」が必要になります。現金を持っているのと、資材や在庫を持っているのとでは、税制上大きな違いがありますからね。
でも大丈夫です。単純に商品を仕入れて、値付けをして販売するだけの単純な取引では、記帳もそれほど難しいものではありません。
現在の法律では、白色申告も記帳が必要となっています。青色申告と白色申告の違いは、検索すれば詳細はすぐにお分かりいただけると思いますので割愛しますが、ざっくり言いますと節税が難しい点でしょう。青色申告にしておけば、必要経費の科目数が決められ、更に控除も科目数が多いため、いろいろと有利です。
他にも、赤字を3年繰り越せるとか、経費に色々加えられるなどがもありますが、複式簿記の必要があるため少々面倒にはなります。とは言え、独立するのでしたら、財務状況を監視する癖を付けたいですから「青色申告承認申請書」を提出しておきましょう。
国民年金と国民健康保険のリスク
個人事業主であっても、社員や一定期間以上の雇用がある場合は、雇用保険は強制加入となりますので、規模や人数での緩和はありません。
厚生年金は5名以上の雇用が発生すれば、会社と社員同士で折半して加入することが出来ます。まぁ、最初から人を雇うことはないでしょうけれど・・・。
健康保険は、あなたの業種で、組合の健康保険に入れそうか検索をしてチェックをしてください。簡単に調べられる作業ですが、保険料が安くなることがあります。
個人事業主は、年金に関しては国民年金保険になります。国民年金だけでは老後はかなり心配ですから、国民年金基金などの追加加入などが従来のリスクマネジメントでしたが、今では確定拠出年金などの制度もあります。簡単に言えば、金融機関に資金を預けて運用し、損益が反映したものを年金受給額として受け取れる制度です。調べてみましょう。
確定拠出年金は「確定給付年金」とは違って、運用次第によって年金がどうなるのかわからなないことがデメリットですね。個人事業主の年金については、かなり思慮深く考えておく必要があります。
とりあえず、知っておくこととして、こんなところを挙げてみました。他にもたくさんあると思いますが・・・
税に関すること、それから年金(老後)、健康保険に関することが、イチバン気になるかなと思うからです。
中でも年金については、引退した後の長い人生に関わることなので、よく考えておくことをお勧めします。事業税などの地方税に関することは、業種によって色々と異なりますので、今回は割愛します。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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