記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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なんでんかんでん【川原ひろし社長の現在2026】マネーの虎の伝説回と村野達郎のその後
マネーの虎で印象深かった出演者の中に、当時、環七沿いにあった行列のできるラーメン店「なんでんかんでん」の川原ひろし社長を怒らせた「ラーメン店起業志願者」がいました。川原社長を怒らせた彼の名は、村野達郎さん。

- なんでんかんでん西新宿店は2024年11月29日に閉店(現在、営業中の店舗なし)
- 川原ひろし社長は2022年に心臓の大手術から生還。新業態「パスタ館」の構想も(2026年現在の最新情報を掲載)
- 村野達郎さんは現在、不動産の家賃収入で生活。川原社長とも和解済み
この記事では、伝説のテレビ番組「マネーの虎」の名場面を振り返りながら、なんでんかんでんの閉店理由、川原ひろし社長と村野達郎さんの現在、そしてポジティブで力強い川原社長から学べる起業に大切なことについて、語ってみたいと思います。
なんでんかんでんとは? 川原ひろし社長が起こした豚骨ラーメン旋風

1987年に豚骨ラーメンのブームを東京で起こしたのが「なんでんかんでん」です。川原ひろし社長が東京世田谷の環七沿いに開いた本店は、当時は斬新だったバリカタ麺、替え玉などのシステムを取り入れた博多豚骨ラーメンで瞬く間に人気となり、日商120万円を超える日もあったほどの大繁盛店でした。客の路駐やとんこつ臭がクレームになるなど、数々の武勇伝も生まれました。
川原社長は2001年からテレビ番組「マネーの虎」に虎として出演し、人情味あふれるキャラクターで全国的な人気者に。番組の中でも1、2位を争う人気キャラクターで、私も大好きな社長でした。(マネーの虎の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください)
なんでんかんでんのスープはまずかった? 閉店理由の真相
「なんでんかんでん まずい」という検索をされる方も多いようですが、これには経緯があります。
川原社長自身がテレビ朝日「しくじり先生」に出演した際、あまりに売れすぎてスープが不足し、スープを4倍に薄めて出していた時期があったと告白しています。この発言はネット上でもかなり話題になりました。
加えて、支店やコラボ店を増やしていく中で、味の均一化が難しくなっていたことも指摘されています。本店の味を知るファンからすれば、支店のクオリティに失望したケースもあったのでしょう。
2012年に環七沿いの本店が閉店。2015年には全店が閉店しました。借金は最高時5億円にもなったそうです。その後、2018年に高円寺店、2021年に西新宿店として再出発しましたが、2024年11月29日に西新宿店も閉店しています。現時点で営業中の「なんでんかんでん」の店舗は確認されていません。
スープを薄めた判断は、経営者としての焦りだったのかもしれません。しかし、飲食店の命である「味」を妥協した瞬間に、ブランドは崩れ始める。これは全ての飲食店起業家への教訓です。
川原ひろし社長の現在【2026年最新】心臓手術から復活
川原ひろし社長は2022年に感染性心内膜炎・大動脈閉鎖不全症と診断され、6時間以上に及ぶ心臓の大手術を受けました。術後は体重が15キロ減少し、退院後もリハビリが続いたと報じられています(東スポ2022年9月12日報道)。
退院後の川原社長は、新業態「なんでんかんでんパスタ館」の都内オープンに向けた構想も語っていました。ただし、2026年4月現在、パスタ館の開業は確認されていません。西新宿店も2024年11月に閉店しており、「なんでんかんでん」としての店舗営業は現時点では行われていない状況です。
それでも川原社長は前向きな姿勢を崩していません。X(旧Twitter:@mr_nandenkanden)やInstagram(@mr.nandenkanden)でも発信を続けており、ファンとのつながりを大切にしています。借金5億、全店閉店、心臓の大手術、それでも諦めない。この人の生き様そのものが、起業家にとって最高の教材だと私は思います。
村野達郎さんとのバトル全容
村野さんは、番組の放送当時35歳。その昔は子役タレントとして活躍していたそうです。ラーメンの食べ歩きが趣味で大食い、早食いも得意。ファストフード店やラーメン店で働いた経験があります。
川原社長に怒鳴られた村野さんのプレゼン
村野さんは「大食いラーメン店」の開業資金として、虎たちに1000万円の投資を求めます。ただ、村野さんのプレゼン中の態度は視聴者から見ても褒められたものではなく、すぐに一部の虎が不快に思っていることが画面から伝わってきます。
この回には、5人の虎(席順に左から/堀之内社長・小林社長・加藤社長・川原社長・高橋社長)が出演していました。
- 堀之内九一郎(54歳当時)年商50億
(株)生活倉庫 代表取締役社長 - 小林敬(44歳当時)年商56億
(株)小林事務所 代表取締役 - 加藤和也(30歳当時)
美空ひばりの長男・音楽プロデューサー - 川原ひろし(37歳当時)年商6億
(株)なんでんかんでん 社長 - 高橋がなり(43歳当時)年商60億
ソフト・オン・デマンド(株)社長
まず、村野さんは「世の中にあるラーメンは量が少ない」という話を始めます。大食いの人にも満足を与えられるラーメンを提供したいと主張します。
- 最低ラインで、通常の麺の2倍(2玉)
- チャーシュー、メンマ、ネギ、コーン、玉子、海苔の全部乗せ
- 3玉、4玉のサイズも同じ価格(600円)で提供
堀之内社長が「全て600円?」と驚いた表情を見せる中、川原社長は「麺の原価で言うとそんな大したことないと思う」と言いつつ問題点を指摘します。「量が多ければいいのなら、どんなラーメン屋でも日本一になれるよ」とツッコミ。ここから村野さんと川原社長は、バトルに突入していきます。
しかし考えてみると、今や大盛も特盛も同じ値段のラーメンや蕎麦は珍しくありません。大盛・特大サイズの料理、大食いのブームも何度も繰り返し訪れたことを考えると、村野さんには先見の明があった!? とも言えるのかもしれません。
バトル勃発!
村野さんは、ストレートに言い放ちます。
川原社長は不機嫌モードに突入。
村野さんは動じません。
川原社長は、明らかに不機嫌な顔になっています。
村野さん「20代半ばからここ8年ほどは、ラーメン屋さん渡り歩いて」
川原社長「作れるの?」
村野さん「はい」
川原社長「自信ある?」
続いて、加藤社長が出店候補地について質問します。村野さんは新宿の歌舞伎町界隈や西口を考えていることを伝えます。がなり社長からも初期費用について質問され、村野さんは資金計画を説明し始めます。
- 賃貸400万円(カウンターのみ15席/15坪程度)
- 改装費300万円
- 什器・備品200万円
- 宣伝広告100万円
ここで当然ながら経験の差がでます。川原社長がすかさず「それはもうできないね。歌舞伎町はやめた方が良い。外れでもできない。改装費だけで1000万円はかかる」とツッコミます。
ここからは、虎たちに攻められ防戦一方となります。収録当時、無職で親のマンションに住んでいる状態。そして、8年間ラーメン店に勤めていながら5店舗を渡り歩いている。その原因を聞かれると、行く先々で経営側と揉めてきた経緯を、自身を肯定しながら説明。これは、投資する側としては気になる点でしょう。

修行中は怒られて当たり前、今、これを言ったらパワハラ扱いかもしれません。時代が違えば、村野さんの言っていることも違った形で受け止められた可能性もあります。ですが、当時は昭和のど真ん中。ついに、小林社長が「薄っぺらい!」とイエローカード。直後、堀之内社長が「まったく投資対象外」と吐き捨て退場。
しかし、村野さんのふてぶてしい態度はそのまま変わりません。その後、小林社長に、ラーメン屋にとって大事なことは何だと思うかすぐに答えてみてとフラれ、村野さんは以下のように答えました。
- 美味しい
- 食材に妥協しない
- 盛りがいい
- お店がきれい
- 従業員の雰囲気がさわやか
- 新鮮なもの
- 熱いものは熱く出す
- 味に特徴がある
- 選び抜かれたメニュー
言っていることは、その通りです。ですが、経営となれば話は変わってきます。理想の追求だけではダメ。小林社長が厳しく言います。
大きな売り上げを目指すなら、こだわりだけではダメ。きちんと計算しろ、と社長は教えてくれたのです。しかし、村野さんの態度は変わりません。話し方、物件をきちんと調べるなどの行動をしていない、無職など、商品企画以前に、人として拒絶されてしまっている状態が続いています。
ところが、ここで高橋がなり社長が驚きの質問をします。
村野さん「本来の意味で言ったら専門家が良いです。ただ川原社長のラーメンは僕は美味いと思わないので、高橋社長に出して欲しいと思います」
ここで伝説のひと言がさく裂します。
村野さんを睨みつける川原社長。もはや、村野さんが1000万円を得ることなど不可能だと思われたのですが、番組は思わぬ方向に展開します。高橋がなり社長が助け船を出したのです。「飽きっぽい性格」「自分を肯定する態度」を改めるには「あなたが嫌いなラーメンを作る川原社長の店で働くのが一番だ」と意見します。それに同意するなら「川原社長がOKを出すまで月20万円給料を出し、1000万円出資する」と提案したのです。
まさに、大どんでん返し「えええええ!」と視聴者の誰もが思う展開。ですが、ここでまた昭和がさく裂。なんと川原社長が・・・
今なら大問題ですね(笑)村野さんも「邪魔ってことですか? 偏見ですよ!」と言い返します。そして、実は過去にも「厨房が狭いから」という理由で採用されなかった経験を語ります。その後、今度は村野さんから名言が飛び出します。
結局、川原社長が「皿洗いしかさせないが時給は払う」「嫌なことも我慢して学ぶこと」「最低3年から5年、何を言われても素直にはいと言う」という条件で「マネー成立」となります。結局お金を出した川原社長、そして、村野さんを育てようと助け舟を出した高橋社長、お二人の凄みを見た放送でした。
しかし、初日から、村野さんが川原社長の店に現れることはありませんでした。番組宛にこんな手紙が送られてきたようでした。
村野達郎さんの現在【2026年最新】不動産収入生活と川原社長との和解

村野さんはその後、大食いが祟ったのか糖尿病を発症し、巨漢だった番組出演当時の姿からは想像もつかないスリムな体型になっています。現在は親が持つ不動産の家賃収入で暮らしており、生活に不自由している様子はありません。最終的にラーメン店を開業することはありませんでした。
このままだと「ラッキーな金持ちの息子」ということになってしまいますが、村野さんがひと味違うのは、不義理をした川原社長と和解していることです。「美味しくない」とこきおろした「なんでんかんでん」のラーメンを、川原社長の公式チャンネルですすっており、良好な関係であることがうかがえます。ほっとする動画ですね。
不義理をした人に頭を下げた村野さん、そして川原社長の笑顔は、起業家が誠実でなければならないこと、過去は固執するものではなく、学んでいくものであることを教えてくれます。
小林敬さん(謙虚ライオン)の現在【2026年最新】
マネーの虎で数々の名言を残した小林敬さん。番組当時は年商56億円の株式会社小林事務所の代表取締役として、牛丼チェーン「らんぷ亭」などを経営していました。志願者に対して最も厳しい言葉を浴びせた虎として記憶されていますが、その厳しさの裏には「ビジネスで甘い考えは命取りになる」という信念がありました。
小林事務所が経営していた「らんぷ亭」は、2014年頃に全店閉店しています。吉野家やすき家といった大手との価格競争に苦戦したとされています。小林社長個人のその後については公開情報が限られています。
小林敬さんについて詳しくは、マネーの虎【うどん回】の記事でもご紹介しています。
村野さんはなぜチャンスを逃したのか?
高橋がなり社長の助け舟でマネー成立したにもかかわらず、村野さんは初日から川原社長の店に現れませんでした。なぜ、目の前にあった1000万円のチャンスを手放してしまったのか。
行動経済学には「現状維持バイアス」という概念があります。人は変化を避け、今の自分を守ろうとする心理的な傾向があるのです。
村野さんが番組に送った手紙にはこうありました。「既存の器に入ることは不可能です」。これは、自分の信念を曲げてまで他人の下で働くことへの強い抵抗です。一見すると芯の強さにも見えますが、起業においては、学ぶべき時に学べないことが最大のリスクになります。
ここで興味深いのが、もう一つの行動経済学の概念「サンクコスト効果」です。村野さんは8年間ラーメン店を渡り歩き、「自分のやり方」を確立してきたという自負がありました。「ここまで積み上げた自分のスタイルを捨てたくない」という心理が、新しい学びの機会を拒絶させたのです。
会社員が起業する際も、この罠に注意が必要です。過去の経験や実績にこだわりすぎると、目の前のチャンスを見逃してしまう。「学ぶ」と「自分を曲げる」は違います。一度は相手のやり方を吸収し、その上で自分のスタイルを磨く。それがプロの姿勢です。
飲食店起業で失敗しないための3つの教訓
この放送回は、飲食店起業を夢見る人にとって最高の教材です。起業支援の専門家として、3つの視点でまとめます。
教訓1:業界の先輩をリスペクトする
村野さんの最大のミスは、投資をお願いしている場で、目の前にいるラーメン業界の先輩の店を「美味しくない」と否定したことです。自分の味に自信を持つことは大切ですが、他者を否定することで自分を上げようとする姿勢は、ビジネスの世界では致命的です。
これは起業準備中の会社員にも当てはまります。競合を分析する時に「あの店はダメだ」ではなく「あの店のここは素晴らしい。自分はさらにこうしたい」という姿勢。この差が、協力者が集まるかどうかの分かれ道になります。
起業18フォーラムのセミナーで、Bさん(当時38歳・サービス業)は「村野さんの事例を聞いて、業界の先輩に敬意を持って教えを請う姿勢に変わった」と話してくれました。自分のやり方にこだわりすぎず、まず学ぶことが起業の最初の一歩になる。この気づきは、6万人の支援を通じて確信しています。
教訓2:「こだわり」と「経営」は別の能力
村野さんが挙げたラーメン屋にとって大事なこと(美味しい、食材に妥協しない等)は、全て正論でした。しかし、理想を追求することと、ビジネスとして成立させることは別の話です。会社員が飲食店で起業する際、こだわりは大切ですが、まず数字の計算ができているかどうかが問われます。
教訓3:「我慢」が起業の必須スキル
高橋がなり社長が出した「川原社長の店で修行し、OKが出たら1000万円出資する」という破格の提案。村野さんはこの最高のチャンスを、プライドだけで手放してしまいました。
起業は我慢の連続です。理不尽なことも、プライドが傷つくことも山ほどある。しかし、まずは学び、実力をつけてから自分の道を切り拓いても遅くはないのです。
よくある質問(FAQ)
Q:なんでんかんでんは今も営業していますか?
A:2012年に環七沿いの本店が閉店、2024年11月29日に西新宿店が閉店しています。2026年4月現在、営業中の店舗は確認されていません。
Q:なんでんかんでんのラーメンはまずかったのですか?
A:全盛期のなんでんかんでんは東京に豚骨ラーメンブームを起こすほどの味でした。ただし、川原社長自身がテレビ番組で認めているように、あまりに売れすぎてスープを薄めて出していた時期があったことが、「まずい」という評判につながった面があります。支店展開時の味の均一化の失敗も要因のひとつです。
Q:川原ひろし社長は現在どうしていますか?
A:2022年に心臓の大手術(感染性心内膜炎・大動脈閉鎖不全症)を乗り越え、復活しています。新業態「パスタ館」の構想も語っていましたが、2026年4月現在、開業は確認されていません。SNS(X・Instagram)で発信を続けています。
Q:村野達郎さんはラーメン店を開業できましたか?
A:村野さんは最終的にラーメン店を開業していません。現在は不動産の家賃収入で生活されています。ただし、川原社長とは和解しており、良好な関係を築いています。
Q:川原社長の「美味いよ(怒)!!」はなぜ有名なのですか?
A:自分のラーメンを「美味しくない」と否定された川原社長が、職人としてのプライドをかけて放った言葉です。ラーメンへの情熱と、プレゼンでの緊張感のギャップが視聴者の記憶に残る名シーンとなりました。
Q:マネーの虎の小林敬さんは現在どうしていますか?
A:小林社長が経営していた「らんぷ亭」は2014年頃に全店閉店しています。小林社長個人のその後については公開情報が限られています。詳しくはマネーの虎【うどん回】の記事をご覧ください。

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