女性の起業で人気の業種7タイプ|“合う・続く”で選び直す最新版

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「女性に人気の起業の業種は?」と検索したあなたは、たぶん候補をいくつも見比べたうえで、まだ最初の一つに丸をつけられずにいるのではないでしょうか。サロンもネットショップも教室も、どれも良さそうで、だからこそ決められない。その足踏みには、ちゃんと理由があります。

自宅で仕事

先に結論をお伝えします。女性に人気の業種はいくつかの型に集約できますが、人気そのものはあなたが選ぶ理由にはなりません。大切なのは「合うかどうか」、つまり長く続けられるかどうかで選び直すことです。

この記事では、最新のデータで「いま女性の起業がどこに集まっているか」を押さえたうえで、人気の業種7タイプを理由つきで紹介します。そのうえで、人気業種で埋もれずに続けていくための選び方を、起業準備をお手伝いしてきた立場からお話しします。

ポイント データで見る、いま女性の起業はどこに集まっているか

女性の起業は在宅・個人・対個人サービスに集中

フリーランス

日本政策金融公庫総合研究所の「2024年度新規開業実態調査」(2024年11月27日公表)によると、開業者に占める女性の割合は25.5%で、1991年度の調査開始以来もっとも高くなりました。女性の起業は、もはや珍しい挑戦ではなく、年々あたりまえの選択肢になっています。

そのぶん、「どこで始めるか」の傾向もはっきり見えてきました。同公庫の「女性起業家に関する調査」(2022年12月)では、女性起業家の経営形態は個人経営が70.1%、主な販売先は一般消費者が82.3%を占めています。多くの女性が、大きな組織ではなく、自分一人で、目の前の個人のお客様に向けて事業を始めているということです。

業種で見ると、女性は子育てや介護など生活に根ざしたサービス、趣味や前職の特技を生かした教室・講座といった、暮らしに近い分野での起業が目立ちます。在宅・個人・対個人サービスという三つの条件が、女性の起業の土台になっていると読み取れます。

ここから言えるのは、人気業種はバラバラに見えて、実は同じ性質を共有しているということです。だからこそ、業種名で選ぶより、その性質が自分の暮らしに合うかで選ぶほうが、迷いが減ります。

ポイント 女性に人気の起業業種7タイプ(最新版・人気の理由つき)

在宅で個人のお客様に売れる七つの定番業種

アイデア

ここからは、いま女性に人気の業種を七つのタイプに分けて紹介します。どれも初期費用が小さく、自宅やオンラインで始められ、個人のお客様に喜ばれるという共通点があります。

1.ネットショップ・物販

在庫を持たない形や、ハンドメイド品を売る形まで幅が広く、空いた時間に始めやすいのが人気の理由です。いまはBASEやminne、メルカリといった売り場が整い、専門知識がなくても店を開けるようになりました。ただし競争相手は多いので、何を売るかより「誰のどんな気持ちに応えるか」で差がつきます。

2.ハンドメイド作家

アクセサリーや布小物など、趣味の延長で始められるのが魅力です。「軽いピアスがほしい」「自分用の一点がほしい」といった、既製品では満たされない小さな願いをすくえると、ファンがつきます。作る楽しさと、買う人の満足が重なる仕事です。

3.ネイル・まつげ・エステなどの美容系

「きれいになりたい」「癒されたい」という気持ちに直接応えられ、自宅サロンや出張で小さく始められます。技術や資格を生かせる安心感も人気を支えています。お客様との距離が近いぶん、指名やリピートが収入の柱になりやすい分野です。

4.オンライン講座・教室・ワークショップ

料理、英会話、ヨガ、手芸など、得意なことをそのまま教えられます。会場を借りなくてもオンラインで開けるようになり、子育て中でも時間を選んで続けやすくなりました。人に教えられるレベルの「得意」は、思っているより身近にあります。

5.家事代行・育児サポート

家事や育児の経験を、そのまま誰かの助けに変えられる仕事です。共働き世帯の増加で需要は伸びていて、マッチングサービスに登録する形なら、一人でも始めやすくなっています。生活者としての実感が、そのまま強みになります。

6.整理収納・家計などのアドバイザー

片づけやお金のやりくりといった、暮らしのノウハウを教える仕事です。整理収納アドバイザーや家計の認定資格もあり、SNSでの発信から相談やセミナーにつなげる人が増えています。日々の工夫が、そのまま商品になる分野です。

7.Webデザイン・ライティングなどの在宅ワーク系

パソコン一台で完結し、場所も時間も選びにくさが少ないのが特徴です。クラウドソーシングで小さな案件から実績を積み、徐々に単価を上げていく道があります。夜や週末の時間で小さく試し、独立の準備を進めやすいのも利点です。

ポイント 人気業種ほど埋もれる。選ぶ軸は「名もなき強み」

人気で選ぶと競合に紛れ、合うで選ぶと続く

自宅で仕事

ここで一つ、立ち止まってほしいことがあります。人気の業種は、裏を返せばライバルがもっとも多い場所です。「人気だから」という理由だけで飛び込むと、同じサービスがあふれる中に紛れてしまい、価格でしか比べてもらえなくなります。

では、何を軸に選べばいいのか。私がおすすめしているのは、業種名ではなく、自分の中にすでにあるものから選び直すことです。拙著『起業神100則』では、資格や肩書きには載らない地味な業務スキルを「名もなき強み」と呼んで紹介しています。「これは仕事になるはずがない」と本人が見過ごしているものほど、実はもう十分に熟成されている、という考え方です。

たとえば同じネイルでも、人前で話すのが得意な人なら、施術しながらの会話そのものが価値になります。事務職が長かった人なら、予約管理や顧客への気配りが、競合との差になります。同じ業種でも、何を掛け合わせるかで居場所はまったく変わってきます。その掛け算の相手が、あなたの名もなき強みです。

名もなき強みは、過去の仕事や暮らしの中で「人に頼られたこと」「自然とやってあげていたこと」に隠れています。人気業種を一覧から選ぶより、自分が無意識にやってきたことを一つ思い出すほうが、続く事業に近づきます。

  • 人気で選ぶ:
    ライバルが多い場所に入り、価格で比べられやすい。最初は始めやすいが、埋もれて続きにくい
  • 合う(名もなき強み)で選ぶ:
    同じ業種でも自分にしかない掛け算ができ、指名や紹介が生まれやすく、長く続けられる

人気業種を捨てる必要はありません。人気業種に、自分の名もなき強みを一つ重ねる。その一手間が、選び方の質を変えます。

ポイント 人気のネイルで埋もれた人が、選び直して続いた話

人気業種から名もなき強みへ重心を移した一例

ネイル

起業18フォーラムにいた蛯原さん(仮名・40代前半・元アパレル販売)は、もともと「女性に人気だから」という理由でネイルの世界に入りました。資格を取り、自宅サロンを開いたものの、近所には同じような自宅ネイルが何軒もあり、価格を下げても新規のお客様が定着しない時期が一年ほど続きました。

流れが変わったのは、フォーラムの勉強会で、別の会員さんの事例を聞いたときでした。その人は美容とはまったく違う業種なのに、前職で培った「お客様の好みを言葉にして引き出す力」を看板にして指名を伸ばしていたのです。自分にも、技術以外に売りにできるものがあるかもしれません。蛯原さんは、その鏡に自分を映してみたくなったと振り返ります。

フリーランス

勉強会で自分の経歴を棚卸ししていくうちに、アパレル販売時代に毎日のようにやっていた「その人に似合う色を選ぶ」という行為が、まさに名もなき強みだと気づきました。そこから蛯原さんは、ネイルに「パーソナルカラーに合わせた色提案」を組み合わせ、「迷わず似合う色が決まるネイル」として打ち出し直しました。

すると、価格で選んでいたお客様ではなく、「色選びを任せたい」というお客様が来るようになりました。いまでは新規の集客に追われることがほとんどなくなり、季節ごとに通ってくれる常連と、その人が連れてきてくれる知人で予約が埋まるようになっています。数字を追っていたころより、お客様との関係が深くなったことが一番の変化だと話してくれました。業種は変えていません。変えたのは、何を看板にするかの一点だけでした。

ポイント 人気より「続く」を選ぶと、起業は長持ちする

人気業種に自分の名もなき強みを重ねて選び直す

point

女性に人気の業種は、在宅・個人・対個人サービスという共通の性質を持っていました。どれも始めやすい反面、人気ゆえにライバルも多い場所です。だからこそ、人気を入口にしつつ、最後は「自分に合うか、続けられるか」で選び直すことが、長く事業を保つコツになります。

その選び直しの軸が、資格や肩書きに載らない名もなき強みです。蛯原さんのように、業種を変えなくても、何を看板にするかを変えるだけで居場所は生まれます。

今日できることは、人気業種の一覧から一つを選ぶことではありません。これまでの仕事や暮らしで「自然と人に頼られてきたこと」を一つだけ思い出し、できれば知り合い一人に、その力を生かした小さなサービスを有料で受けてみることです。お金をもらって成立するかどうかが、どんな人気ランキングよりも確かなものさしになります。

「自分には売れるものなんてない」と感じている人ほど、会社員や主婦として積み上げてきた経験という資産を、見落としているだけなのかもしれません。

主婦起業は「続けられること」が大切! 成功例と失敗例を紹介
主婦起業で一番大切なことは「続けられる」ことです。成功のポイントは周囲のサポートを得て、好きなことや人脈を活かすことです。逆に失敗の原因は、計画の甘さや不要な資格ばかりに飛びつくこと、無理な借金などがあります。

人気という他人のものさしを一度わきに置いて、自分のものさしで選んでみる。その視点の切り替えが、起業を「始めること」から「続けること」へと近づけてくれます。

ポイント よくある質問

資格や人気業種で迷う人への具体的な回答集

起業前質問集

Q.資格や特技がなくても、女性の起業はできますか?

できます。むしろ資格より、これまでの仕事や暮らしで自然と人に頼られてきたことのほうが、起業の入口になりやすいです。整理が得意、話を聞くのがうまい、段取りが上手といった地味な力が、立派な商品の種になります。まずは「ありがとう」と言われた場面を思い出すところから始めてみてください。

Q.勤めを続けながら、人気業種で起業準備を始められますか?

始められます。在宅で個人向けに売る業種は、収入が途切れない状態で小さく実験できるので、合うかどうかを落ち着いて見極められます。週末や夜の時間で、まずは一件だけ受けてみるところからで十分です。

Q.人気業種はライバルが多いと聞きます。避けたほうがいいですか?

避ける必要はありません。人気ということは、それだけ需要がある証拠でもあります。大事なのは、人気業種にそのまま飛び込むのではなく、自分にしかない強みを一つ掛け合わせることです。同じ業種でも、誰に何を約束するかをずらせば、価格競争から抜け出せます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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