記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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最近では、美容系の事業で起業を行う女性が増えています。
しかし当然のことながら、起業にはある程度の心得やノウハウが必要になります。何の見当もなしに、いきなり起業をしてしまうことは、時としてその人の人生を大きく狂わせてしまう可能性もあるかもしれません。
そこで今回は、女性が美容系で起業をする際に心得ておきたいポイントについて紹介をしていきたいと思います。
美容系起業のポイント
1.実際にプロの現場で働こう
近年増加傾向にあり、需要が高いビジネスでもある美容系は、簡単に開業できることも事実ですが、プロとして働くことを目指す場合「好きだから」というだでは充分とは言えません。
仮にネイルが大好きだから開業したといっても、それだけではお客様に魅力を感じてもらい、リピーターになってもらうことは難しいでしょう。
安定した経営を行うためには、お客様が抱えている問題、得たい未来、ワクワクと真剣に向き合い、その痛みを解決、或いは、快楽の追及をするためのアドバイスをするなどの応用力、そしてコミュニケーション力が必要となります。
やはり、美容系、特に店舗ビジネスで開業する場合には、まずはお店で現場経験を積んで、さまざまなスキルやコミュニケーション術を間近で見て、体感で覚えるといいでしょうね。
2.美容の技術だけではなく「経営知識」も必要
起業するため、そしてお客様により高い満足度を実感してもらうために、現場経験を積んで技術を身につけるのはとても大切なことです。しかし、技術だけではなく経営についてもしっかりと学んでおく必要があります。
特に美容系の店舗は、飲食店同様に数も多く、入れ替わりも早いです。起業する以上、経営について常に考えておかなければ、売り上げが伸びずに、苦しい思いをしてしまうでしょう。
事実、技術があっても経営面が上手くいかず、思ったよりも早く廃業してしまうというケースは決して少なくありません。
経営を軌道に乗せるためには、事業を客観的な立場から見直し、世の中のトレンドを正確に把握して、消費者が求めるものを提供し続ける必要があります。
3.助成金を利用できないか調べる
店舗を構える起業は大きくなりがちです。設立費用、運転資金など、資金もそれなりに必要になります。だからこそ、店舗を構えることは決してお勧めしません。場所を間借りしたり、サロンを借りたり、美容教室にするなど、家賃を変動費化することが成功の秘訣です。
どうしても店舗を構えたい場合は、助成金や補助金を活用することをおすすめします。
助成金や補助金は返済が不要な資金援助であるため、返済を必要とする融資とは異なります。主に行っているのは経産省(中小企業庁)や地方自治体で「小規模事業者持続化補助金」や「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」などの制度もあります。
助成金は比較的小額ですが、いくつかの条件を満たせば支給が認められるものであり、基本的にはいつでも申請可能です。一方で補助金は助成金と比べると大きな金額が支給されますが、審査がとても厳しく、また申請時期も限定されています。
その公募案内に関しては、中小企業庁や各地方自治体の公式ホームページ、ミラサポなどにも掲載されるため、確認しておきましょう。
4.起業する目的をはっきりさせる
事業が軌道に乗って成功するかどうかは、計画がどれだけしっかりしていたかにかかっています。「独立して気ままにやっていきたい」「好きなことで稼ぎたい」という思いだけでは成功しません。
起業する際には、何故起業するのかという「動機」起業した後どうしたいのかという「目的意識」その目的をいつまでに達成させるのかという「プロセス」を考えて、はっきりと定めておく必要があります。
具体性のある計画を最初に立てておけば、ビジネスをしていく中で様々な困難があっても、自らを助ける指針の1つとなってくれるでしょう。
5.ターゲットを絞って宣伝する
単純な、女性のネイルを綺麗にする「30代女性向けのネイルサロン」といった漠然としたターゲット設定では、ありきたりなビジネスになってしまいます。同業者との差別化を図ることができません。
起業家としての成功を手にするためには、まずは自身の「ターゲット」を絞る必要があります。たとえ小規模な起業であったとしてもターゲットを決めることは非常に重要で、成功を収める鍵になります。
たとえば「就職活動中の女子大生」というターゲットの場合、その多くは社会経験がないために、自分に相応しいメイクの方法が分からずにいるかもしれません。「出産・育児中の母親」がターゲットの場合は、美容にかける時間もお金もなくて困っているという人が多くの割合を占めている可能性もあります。
そういった需要に応えることができるのであれば、必然的にターゲットは絞られていきます。自身の明確なビジネスコンセプトを打ち出し、ターゲットとなるお客様にそれを直感的に理解してもらい、顧客を増やす工夫が必要となるのです。
6.無理に事業を拡大しようとしない
起業家としては、一等地の綺麗なビルにオフィスを構えることや、オシャレな店構えの店舗を持つことはひとつの夢かもしれません。しかし、起業してすぐにそういった夢が叶えられるわけではないことを知っておきましょう。
むしろ最初の頃は事業に対しても経営に対しても、経験や理解が浅いためさまざまな失敗をしてしまうものです。そんな時に大きなオフィスや店舗を持っていれば、それを負債として抱えてしまう可能性さえあります。
経験と実力が伴うまでは、小規模で堅実な事業を行う方が良いでしょう。
そして事業を拡大する際は「固定費用」というものに注意しなければなりません。これは家賃や人件費、光熱費など毎月必要となる費用のことで、いかにこれが売上金額を上回らないように設定できるかがポイントとなります。
美容系での起業には準備が必要!
女性が美容系で起業する場合の、簡単なアドバイスをまとめました。
実際、とても相談が多い分野で、多くの女性が「美容が好きだから」とおっしゃるのですが、それだけでは勝ち残ることはできません。
実際にプロの現場で働くこと、経営の知識を持っておくこと、助成金(補助金)が利用できるか調べておくこと、起業する目的をはっきりさせること、ターゲットを絞って宣伝をすること、無理に事業を拡大しようとしないこと、そんなことをまず知っておいてください。
何事も計画的に、慎重に準備を整えておきましょう!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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