起業を選んだ理由ランキングベスト3を年代別にまとめてご紹介!

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

起業をしようと思う理由は千差万別。若さとバイタリティあふれる20代と、子育ても仕事も終わった50代以降の起業理由は大きく異なります。
 

30代
 

今回は、20代から60代までの年代別に起業を選んだ理由ランキングベスト3をご紹介いたします。
 

ポイント 10代~20代は「若さとバイタリティの豊かさで勝負したい」

起業を選んだ理由・年代別まとめ

美容
 

  • 第1位:失敗してもまたやり直しができるから
  • 第2位:就職してしまうと起業するタイミングを逃しそうだから
  • 第3位:自分に合った企業を自分自身で作りたいと思ったから

第1位と第2位の理由から考えてみると、10代~20代は企業に入社前に、起業を決断する方が多いようです。

就活から入社までの期間がひとつの起点として考えられますが、高校や大学で学んでいる内に、こうした意欲が湧き上がってくる方もいらっしゃるそう。特に大学生は色んな人と触れ合う機会が多く、周囲に触発されやすい時期です。

また、まだまだ若いですから、たとえ起業で失敗しても就職してリカバリーが可能です。

一度企業に入ってしまうと、働き詰めになり、自分の時間が少なくなります。年を重ねるごとに自分の役割が重要になって、辞めづらい状況に。起業に挑戦する時期が早いほど、色々な面で有利になることを、若者はわかっているのでしょう。
 

資格
 

第3位にある「自分に合った企業を自分自身で作りたいと思ったから」は、入社前の方と会社員の方の両方に多く見られた理由です。「自分に合う企業が見つからない」という就活生と「入社して働いているものの、コレがしたくて入ったわけではない」という会社員の声を見かけました。

会社に感じている漠然としたモヤモヤを「なぜ違和感を抱いているのか?」「なぜこの企業に入りたくないのか?」という疑問から具体化できれば、起業への土台作りが始まります。

今後の日本では、さらに起業へのハードルが下がると見込まれています。起業支援サービスの充実化、ネットサービス事業の拡大が進むはずです。大企業に入れても一生安泰ではないのは事実ですから、自分の人生を見つけ、納得のいく選択をしていきましょう。
 

ポイント 30代~40代は「自分の考え・方向性に合った働き方をしたい」

起業を選んだ理由・年代別まとめ

40代女性
 

  • 第1位:勤めている起業の方向性と自分の考えが一致しないから
  • 第2位:自分のキャリアアップの限界を感じているから
  • 第3位:勤務先で得た知識やスキルを違う場所で活かしてみたいから

第1位は10代~20代のランキング第3位と同じ理由です。30代~40代のランキングにおいても、企業に対する不満や違和感が起業への起爆剤となっているようです。

これから転職をするにしても、完全なキャリアチェンジは難しいですから、選択肢の中に起業が生まれてくると推測しています。

30代はスタミナが一番ある時期で、場数を踏みながら、知識やスキルなどの経験値を、どんどん上昇させることできます。40代は、知識とスキルが先行する時期ですが、体力が無い分、効率良く業務を進める力が備わっています。

社会経験が10年以上あるこの世代は、10代~20代と比較して、社会的信頼を得やすい傾向にあります。実際のところ、若者の社会的信用は低いのが現状で、私も20代の頃は、クライアント企業からずいぶんとバカにされたものです。しかし、30代~40代は、社会人としての実績もあり、取引先から軽く見られる心配はないでしょう。
 

固定電話
 

第2位のキャリアアップの限界と、第3位の知識・スキルの活用は、働き盛りの30代よりも、責任ある40代によく見られる起業理由でした。

企業で働いて10年以上も経過すると、自分が勤めている企業の全体像が徐々に見えてきます。上がつっかえているため、これ以上出世の見込みが無い事や、給与も頭打ちになる現実が分かってきます。

30代~40代は、この先、自分がどんな仕事をしていきたいか、得意分野は何なのかを考え、先の10年についてのプランを立てることをスタートしましょう。30代~40代は、冷静な自己分析とビジョン構築が大切です。
 

ポイント 50代~60代は「ゆったりとした挑戦願望」

起業を選んだ理由・年代別まとめ

40代~50代 
 

  • 第1位:仕事を続けて人生にメリハリをつけたいから
  • 第2位:収入を増やしたいから
  • 第3位:育児も仕事も終わって自由な時間が増えたから

50代~60代は、社会人人生も終わりに差し掛かった、あるいは定年後の世代です。

第1位は、これからの人生も仕事を続けて充実させたい、という結果でした。50代~60代で転職したとしても、その企業で働けるのは最大でも10年程度。しかし、人生はもっともっと長いものです。
 

2019年の高齢者の就業率を年齢階級別にみると、2019年は65~69歳で48.4%、70歳以上で17.2%となり、年齢が高くなるとともに就業率は低くなっています。

総務省統計局「高齢者の就業」 より引用

 

しかしながら、内閣府発表の「令和3年版高齢社会白書」では・・・
 

「働けるうちはいつまでも」働きたい60歳以上の者が約4割

現在収入のある仕事をしている60歳以上の者の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答している。70歳くらいまでもしくはそれ以上との回答と合計すれば、約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる。

出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」

 
約4割の方が仕事を求めていても、働く場所が少ないという環境に置かれているので、自ら場所を作って働くスタイルが定着したのです。

第2位の「収入を増やしたいから」は、年金がどうなるのかという心配が、他の世代よりも現実味の迫った課題となり、ランクインしていると考えられます。

起業直後と会社員時代の収入は雲泥の差になってしまいますが、家で暇にしているよりも、仕事を続ける事で、毎日メリハリのついた生活を送ることができます。
 

シニア
 

第3位の育児と仕事の終了も、この世代ならではの理由となっています。

50代~60代の起業理由は多岐に渡り「自分の居場所を見つけたい」「社会のために貢献したい」など様々です。人生経験を積んできた世代だからこそ、やりたいことをやる、社会のためにやる、という自己実現を目指していく方が多いようです。
 

ポイント 起業理由の明確化が第一

起業を選んだ理由・年代別まとめ

フリーランス
 

企業で働いていれば、安定した収入もあり、次に何をやればいいか指示もあり、決められた時間だけ働けば良いわけです。

しかし、起業すると、その全てがなくなります。今一度、自分がなぜ起業したいのか、考えてみましょう。理由をハッキリさせるだけではなく、その理由から、一歩を踏み出すエネルギーを生みだすことです。

「やりたい事はあるけど、起業をするのは気が引ける」という状況であれば、起業はやめておいた方が良いでしょう。起業は小さくやればリスキーなものではありませんが、その代わり並々ならぬ努力が求められます。

良いスタートが切れるように、自分が起業したい本当の理由を、明確にしておきましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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