記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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実は、この記事を書いている私も、会社に週末起業(副業)がバレた経験があります。取引先が会社トップに対し密告したことが直接の原因、その前にもちろん、私が週末起業のことを取引先に話てしまったことが最大の過ちでした。
その経験から、週末起業をする時は会社に絶対に話をしてはいけない、同僚、上司はもちろん、仲がよくても(この件については)絶対に信用してはいけない、取引先に話すなどもっての外。そのように言い続けています。
自分で話してしまうという原因が最も多い週末起業の会社バレなのですが、その他にも、Facebookからばれる、ブログからばれる、などのネットばれ、そして、リスクは少ないものの注意をしなければならないのが、確定申告による会社バレです。
確定申告も最新の注意を!
会社の人に週末起業(副業)がばれると、とても会社に居づらくなります。もちろん、週末起業的な副業が公式に許可されている会社なら問題ありませんが、一般的に副業禁止規定がある会社であれば、白い目で見られることは間違いありません。私もそれを経験しています。風邪をひいて会社をちょっと休めば・・・
どうせ、週末起業(副業)のために家で何かしているんでしょう、儲けてるみたいだし。
なんて、ありもしないことを噂されてしまうのです。上司や先輩たちからは「あいつは本業に集中できないに違いない」と決めつけられてしまうことも多く、ばれてよいことなど全くないと言ってもよいでしょう。
このページは、起業準備支援の専門家である起業18フォーラムの新井一が、いわゆる副業、週末起業から起業準備をした場合(コーチング、カウンセリングなどの小さな副業、ネットビジネス、あらゆる請負業)をしている方のために、情報をまとめました。
会社員のまま起業準備を始めて(週末起業から始めて)ばれない方法はある?
週末起業から始めて起業が成功する可能性は、正直とても低いです。(参考:週末起業で成功できない8つの理由)それでも、私たちが提唱する正しいやり方を知り、おかしな影響を受けずに効率的にきちんと進めていけば、成果を出すことができるようになります。
ですが、その過程で会社にばれてしまったり、自分を隠すことに一生懸命になり、事業に集中できなかったりということがあれば、それはとてももったいないことです。
一般的な起業塾や講座では「年間の所得が20万円以下であれば、なにも申告しなくてよい」とか「住民税の支払い方法を普通徴収にすれば大丈夫」とか、部分的でしかない情報を伝えていることがあります。
実際、会社にバレてしまう原因の多くは、経験上、上司や同僚を信用して自分で話してしまう、Facebookやブログを発見されて調べられてしまう、会社のパソコンの利用履歴からばれてしまうということが殆どで、税金の手続きから知られてしまうケースはわずかです。
それでも、今後、多くの市町村において普通徴収のルールが変わる可能性がある(特別徴収を推進する活動があります)今、正確な知識は持っておきたいところですね。
税金の手続きでばれてしまうケースとして、最も多いのがいわゆる「赤字申告」です。翌年の住民税の特別徴収額に変更が生じるため(税金が安くなるため)、会社にばれてしまうのです。
では、黒字ならよいのでしょうか? そして、所得が20万円以下だからといって、確定申告をしなかった場合には、どうなるのでしょうか?
週末起業で20万円の所得がないから確定申告をしない?
まず、知っておいてください。20万円基準の確定申告云々のお話しは、税務署管轄の所得税のお話しです。
ここはとても大切なポイントです。所得が20万円以下であっても、住民税のための申告(市区町村への申告)は必要なのです。これは、金額が小さい、大きいの問題ではなく、国民の義務であり、きちんとしておかないと脱税になってしまいます。
- 年間の所得が20万円以上 ⇒ 税務署で確定申告(所得税)
- 年間の所得が20万円以下 ⇒ 市区町村の税務課で申告(住民税のみ・所得税の申告は不要)
週末起業の売上、報酬を現金手渡しでもらっているのでバレない?
これもNGです。あなたが売上を現金でもらうこと自体は問題ありませんが、それはきちんと会計上の処理をして、申告しなくてはなりません。現金でもらったからと、そのままポケットに入れてお小遣いにしてしまうなんて、絶対にダメです。
相手の会社は、あなたへの支払いを何らかの名目で経費にしています。その会社の帳簿を見れば、あなたへの支払いの履歴はすぐにわかります。それは、週末起業(副業)の大小を問わず、形態、業種を問わず同じことですから、申告は必ず行って下さい。
週末起業をする人は、税金を逃れようという意図がある人は殆どいないと思います。実際、私がこれまでお会いしてきた人は皆、そんなことはみじんも思っていない人ばかりでした。ですが、知識がないために申告を7年もしていなかったという人や、税金や会計という言葉への恐れからずっとボランティアでいるという人は過去にいらっしゃいました。
申告をしていない人は、すぐに税務署や税理士さんのところに行って相談をしてきましょう。起業家になったら、週末だろうが何だろうが、税金は避けて通れないのです。
そして、税金や会計に対して不安がある人は、専門家にサポートしてもらえば全く怖くないということを知り、きちんと稼ぐことに集中して、きちんと税金を納めましょう。それが日本のためになり、ボランティアよりも大きな力になることもあるはずです。
マイナンバーで週末起業(副業)がバレる!?
マイナンバーがあるために週末起業の所得が容易に税務署等に把握されてしまい、会社にばれるのではないか?と心配されている方が多くおられます。もちろん、企業がマイナンバーを使って、従業員の所得を知ることや調べることはできません。ですが、過去に確定申告をせずにダブルワークをしてきた人は、それを指摘される可能性はあります。
週末起業ではなく、誰かに雇用されている形(アルバイトなど)をしている人は特に注意です(アルバイトは週末起業とは呼びません)。
副業がアルバイトやパートの場合は、副業していることが勤務先にばれる可能性があります。副業がアルバイトやパートでなければ、基本的に副業していることが勤務先にばれることはありません。
これは、住民税の納付方法の違いから生じます。副業をしている場合は確定申告が必要となりますが、アルバイトやパートの場合は「給与所得」になります。それ以外の副業、例えばフリーランスや内職なら「事業所得」や「雑所得」アパート経営なら「不動産所得」といった給与所得以外になります。
給与所得の場合は、勤務先に住民税の通知書、納付書が送付されます。通知書には所得金額が記載されていますので、そこを勤務先の人が確認したときに勤務先の給料より高い所得があることに気付きます。
アルバイトで給与所得をもらう副業ではなく、雑所得、事業所得になる週末起業をする。そして、きちんと、税務署または市区町村に確定申告する。そういったことが事故を防ぐためにも重要です。
週末起業が勤め先にばれてしまう原因は・・・いろいろあるけれど
もう一度整理しますね。
所得が年間20万円以下の所得であれば、所得税の確定申告は必要ありませんが、住民税の申告は必要なので、市区町村の役所に出向いて確認をしてください。
その前に、基本的なお話として、20万円かどうかを知るためにも、帳簿はしっかりと付けておく必要があるんです!
サラリーマンの週末起業、起業準備活動が会社にバレる原因は、前述のように殆どが「自分がしゃべってしまうこと」と「Facebookやブログのなどのネット利用」です。ですが、確定申告、特に住民税の支払い方法(普通徴収・特別徴収の選択)のミスもありますので、注意をしてくださいね。
住民税の納税額は前年度の所得によって決まります。このため、副業で収入が増えると住民税も増え、会社の経理などに「副業をしているのでは?」と不審に思われる可能性があります。
経理からわざわざ聞かれる可能性は低いかもしれませんが、もし不安な場合は住民税の納付を「特別徴収」ではなく「普通徴収」にすることをおすすめします。普通徴収にすると、副業分は自分で納税することになります。
必ず「普通徴収」を選ぶ!(確定申告書の「住民税の徴収方法の選択」で「自分で納付する」を選ぶ)
そして、年間20万円以下の所得であっても、市区町村には申告が必要ということです。ばれる、ばれない、という問題以前に、きちんと申告しておくことが大切です。
起業塾で教えているよくある間違いとは?
では「普通徴収で確定申告をすれば絶対にばれないの?」と言えば、「100%とは言えないと」いう回答になろうかと思います。(特に週末起業的な働き方ではなく、アルバイトとして働いている場合には、普通徴収を選択していても本業の会社に通知が行くこともあり得ます。よく見かけるのが会社員の水商売アルバイトです。)
また、事業所得を赤字申告した場合や、住宅ローン控除、医療費控除がある場合などもリスクが出てきます。
また、確定申告をしなければ会社にばれない、つまり「年間所得が20万円未満であれば会社にばれることはない」というのも間違いです。所得税は申告不要ですが、住民税は申告が必要です。申告をしないリスクは、会社にばれるばれない以前の問題です。
そして、現金で報酬をもらっていればバレないなどという考え方は、絶対にやめてください。細心の注意が必要な環境にいる方は、常に最新の正確な情報を、最寄りの税務署や市区町村で確認をしておくようにしましょう。
副業は自由にしていい世の中がいい、でも実際は・・・
起業支援をしていて思いますのは、会社員のまま起業準備をするのでしたら、以下のことをしっかりと守っていただきたいということです。
- 絶対に人に言わない
- ネットに細心の注意を払う
- 住民税の支払い方法に気を付ける
アフターファイブの週末起業(副業)では、ネットワークビジネスをする人も増えていますし、自分のスキルを生かしてセミナーを開いたり、コーチングをしたり、バナーデザインをしたり、色々なケースがあります。
週末起業に対して理解のある会社はまだまだ少ないですが、仮に、アフィリエイトや自宅でライター業、せどり、大家などの職種の場合には、それほどうるさくは言われないこともあると思います。ですが、ガッツリ商売をしているとなれば、雑音はいろいろと面倒ですね。公務員の人はもちろんアウトです。
最近では、起業を目指さず、アルバイト選択する人も増えています。残業ができなくなり、収入が減ったという人も少なくないためでしょう。昼は会社員ですというバーの店員さんや、水商売の女性を見かけることも珍しくありません。
その場合には、自分がもらうお金が、給与所得なのか雑所得になるのか、その辺りの契約内容もしっかりと把握しておきましょう。
週末起業で会社にばれないようにするには、赤字申告は絶対だめ!
そもそも、なぜ住民税から会社にばれるリスクが高いのでしょうか? その理由は、住民税の計算方法にあります。
住民税は、本業の給与収入と週末起業の収入(事業・雑・給与)が合算されてから算出されます。そして、本業のお給料から自動的に引き落とされるわけです。ですので、この金額が大きく上下すると、会社の人が不審に思うことがある。そこからばれてしまうというわけです。
通常は、普通徴収にしていれば週末起業分の住民税の納付書は自宅に届きます。ですが、事業所得がマイナスの場合には、給与所得との相殺となり(お給料が少ない扱いになる)、会社から天引きされる税金が少なくなるので、会社に連絡が行ってしまうのです。(※雑所得なら大丈夫)
最後にまとめます! 会社員が起業準備をする時はどうすればいいの?
会社員が起業準備をする時は・・・
- 絶対に人に言わない
- ネットに細心の注意を払う
- 住民税の支払い方法に気を付ける
- 普通徴収を選択する
- 副業で給与所得をもらわない(雑所得・事業所得にする)
- 所得が20万円以下でも市区町村に確定申告(普通徴収であることを念を押して確認)
ということです!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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