記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「40歳。今から起業しても遅いかな?」最近は10代でも起業をする人がいるくらいに、起業年齢が下がっています。そのため、40歳での起業となると「遅い」というイメージがさらに強くなりがちです。
今回の記事では「40歳での起業は決して遅くない」という点に触れながら「40歳での起業の5つのポイント」を紹介していきます。
起業時の平均年齢は43.7歳という事実
日本政策金融公庫の「2020年度 新規開業実態調査」によると、日本における「起業時の平均年齢は43.7歳」です。
○ 開業時の年齢は「40歳代」の割合が38.1%と最も高く、次いで「30歳代」が30.7%を占めている。開業の主要な担い手は「40歳代」「30歳代」である。
○ 開業時の平均年齢は43.7歳と1991年度の調査開始以来、最も高くなった。2013年度以降、8年連続で上昇している
つまり、40歳での起業は決して遅くはないということがわかります。言い方を変えれば、40歳でも起業の適齢期の範囲内と言えるでしょう。
実際に、近年では60歳以上のシニア世代による「シニア起業」が増えています。そのため、「もう40歳だから」と起業をあきらめる必要はありません。
40歳を超えての起業は会社員時代の経験がフルに活きる
確かに、20歳など若い頃の起業では「若さ」特有の勢いがあります。一方では、会社員として企業で働いた経験が浅いため、ビジネスを一から勉強しなければなりません。
では、40歳まで会社員として働いていた場合はどうでしょうか? 新卒から会社員として仕事を続けた場合、約20年の社会人経験を持っていることになります。
これは若い起業家にはない大きな強みではないでしょうか? 会社員時代に経験した成功から失敗までが、起業に活きるのは間違いありません。
たとえば、起業して仲間と仕事をする時、会社員としての経験があれば、チームワークの大切さを理解しやすいのではないでしょうか。実際に、私の周りでも、会社員時代に培ったスキルをフルに活用しながら、起業を成功させている人は多いです。
40歳での起業のポイント5つ
40歳からの起業でも遅くないということ、お分かりいただけましたでしょうか? では、ここからは実際に40歳で起業することになった場合に知っておきたいポイントを紹介したいと思います。
ポイントは以下の5つになります。
- 事業のアイディアをよく練る
- 自己資金を用意する
- 家族の理解を得る
- 健康に気を配る
- 経営の知識をインプットする
では、ひとつずつ解説していきます。
事業アイデイアをよく練る
起業をするためには、当たり前ですけれど「事業」が必要です。どんな事業を行うかで、資金などすべての方向性が決まります。
そのため、事業アイデアはできるだけ多く出し、ひとつずつ検討していきたいところ。
しかし、一体どのようにして事業を選んでいけば良いのでしょうか? 基本的に、事業選びの基準は3つほどあります。
- 好きなこと
- 得意なこと
- お金になりそうなこと
好きなことをするにしても、需要(ニーズ)がなければ成り立ちません。得意なことも同じです。かといって、お客様の奴隷になる、または、お金だけを起業の目的にしてしまっては、精神的にストレスを感じやすくなってしまいます。
「ニーズ、ウォンツの中で、自分が情熱を感じ続けられること」が事業選びのベースです。
自己資金を準備する
起業で苦労するのは資金づくりです。起業18では、創業時の借り入れはお勧めしていません。それでも、借り入れしてでもやりたいことがある人もいるでしょう。
どうしてもまとまった資金が欲しい場合、どれほどの自己資金を持っていれば融資を受けられるのでしょうか? 事業内容によっても変わりますが、事業全体で必要な資金の1/2または1/3は準備しておくべきだと思います。
そのくらい自己資金を用意できれば、融資してもらえる可能性はかなり高まります。
私は、創業時には、社会人時代に貯めたお金の範囲で小さく始めてほしいと思っています。最初の事業がいきなり成功する確率なんて小さなものです。経験もない、仲間もいないのですから。
家族の理解を得る
40歳で起業をするにあたって一番心配なのは「家族」だと思います。「もし事業に失敗したら家族を食べさせていくことができないのではないか?」という不安が頭をよぎってしまうと思います。
ここで大切なことはその不安を忘れようと努力するより「家族と真剣に相談する時間を設けること」です。
- 事業が流れに乗るまで辛い時期を家族と一緒に絶えられるか?
- 家のローンや子どもの学費を払える余裕はあるか?
まずはこのようなことを、家族としっかり話し合うことが大切です。家族を持っている以上、自分の想いだけではいけません。話し合った結果、家族の理解を得ることができたら、家族は最高のサポーターになるでしょう。
健康に意識する
40歳になると若い時に比べて体力も落ち、体調を壊すことも多くなります。
起業は会社員時代の仕事とは大きく変わります。会社員のときにはやらなくてよかった雑務などもこなしていく必要も出てきます。事業の未来が自分の手の中にあるわけですから、精神的も辛くなることもあるかと思います。
そこで大切なのが健康管理です。「しっかりと食べて、適度に運動し、よく寝ること」が重要になってきます。起業するということは自分が組織のトップになるわけですから、体調を壊してばかりでは事業にネガティブな影響を与えてしまいます。
休日をしっかりと確保することも非常に大切です。事業に余裕が出始めたら、アウトソーシングを活用して、少しでも休める時間を取りましょう。
また、会社員時代と同じように「定期的な健康診断」を受けることも忘れずに。
経営の知識をつける
起業して事業を展開させていくためには、会社員時代に培った知識と経験だけでは不十分と言えます。実際に会社を回していくためには、以下のような知識が必要になります。
- マーケティング
- 営業・販売
- 財務・会計(経理)・管理・総務
- 製造・調達・開発・企画
- IT
一人型起業をすると、このように広い知識をインプットすることになりますが、これらはやってこそ身につくものです。特に、事業の収益に大きく関わってくる「マーケティング」は、日々の試行錯誤の結果、わかってくるものです。
マーケティング意識を身に着けることで自分の事業を客観的に評価することができるようになるからです。事業で商品やサービスを生み出す前は「これは絶対に売れる」と思っていても、実際には売れないケースは多いです。
それは「市場(マーケット)と自分(作り手)にギャップがある」ということです。このギャップを埋めることが、起業を成功させるには本当に大切です。
最近は起業までの流れを体系的に書かれている書籍も多くあります。まずは自分に合ったものを書店で手にとって、経営の一連の流れを学んでみるのがオススメです。
以上5つが、40歳で起業をするときに抑えておきたいポイントになります。ぜひ、参考にしてみてください。
参考:40歳以上の起業でもらえる助成金|生涯現役起業支援助成金の魅力
この助成金の大きな特徴は「40歳以上で起業をする人」をターゲットにしている点です。少子化の影響で近年では「生涯現役」という言葉が謳われるようになり、これからは老後も働くという選択肢が普通の時代になりそうです。
- 「40歳以上59歳未満での起業」なら最大150万円支給
- 「60歳以上での起業」なら最大200万円支給
- 起業時に40歳以上であること
- 中高年齢者を雇用すること
中高年齢者の雇用は60歳以上が1人以上、40歳以上が2名以上、もしくは、40歳未満を3人以上という条件になっています(40歳以上1名と40歳未満2名でも可)。
40歳以上で起業し、人を採用したい場合には知っておきたい助成金です。採用がどうしても必要な場合、必ず検討してみてください。
40歳の今だからこそ起業しよう
今回は40歳で起業することを考えました。
起業時の平均年齢は43.7歳というデータがあったとしても、今まで会社員として仕事をしてきて40歳で起業というのは勇気がいること。どうしても失敗した場合のリスクについて考えてしまうと思います。
しかし「起業したい!」という想いを抑えて会社員を続けていくのも辛いものです。家族の理解を得ることができているのなら、思い切って起業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
40歳の今だからこそ、できることがあります!
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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