【保存版】サラリーマンのまま起業すると実際に起こるリスクまとめ

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

私は、38歳のサラリーマンです。妻と子供が2人います。千葉県在住で、住宅ローンも30年近く残っています。こんな平均的サラリーマンの私でも、会社に勤めたまま起業できるのでしょうか? 実際、全くイメージが湧きません。

どうすれば、サラリーマンを辞めずに起業できるのでしょうか? クビになるリスクはあるのでしょうか? そもそも、会社にはバレないのでしょうか?

うまくいくまではサラリーマンを辞める気はなく、準備を進めたいと思っています。
 

起業前質問集 
 

● 回答

サラリーマンを続けながら起業することは可能です。実際に、私は1996年からサラリーマンとして働きながら副業を開始し、そのまま事業を大きくしてくることができました。ですが、言うほど簡単な道のりではありませんでした。

いや、正確に言えば、今振り返ればとても簡単なことばかり。ですが、当時ひとりで孤軍奮闘をしていた自分にとっては、難しいこと、リスクのように感じることばかりだったのです。

ポイント 家族に強く反対される

サラリーマンのまま起業するリスク

家族に強く反対される
 

サラリーマンを続けながら起業を目指すことは「家族に迷惑をかけないため」という一面があるはずです。ですが、実体験として、私の周りには「家族に反対された」という理由で、起業準備を断念された方がたくさんいらっしゃいます。「起業」を諦めたのではなく「起業準備」をすることを断念したのです。サラリーマンとしての仕事が休みの日に活動することすら許されなかったのです。

個人的には、愛する人が夢を追うこと、しかも、リスクが殆どなく、自分から離れていくわけでもないことを、応援しない理由がよくわかりません。しかし、離婚を条件にされたり、奥様が精神的におかしくなってしまったなどのトラブルが実際に起こっている状況を見ると、夢よりも保守的な安定を求める人が多いこと、そして、起業という言葉に冷静さを失うほどのリスクを感じる人が多いことがわかります。

【対策】サラリーマンのまま週末に起業をすること、お休みの日に起業準備をすることは、全くリスクがないという認識を、家族と共有すること。

そのためにも、あらゆることを数値化して約束することが大切です。月に使うお金、時間、目標、そして、自分たちへのご褒美など、数字と行動で見せて信頼を勝ち取ることです。
 

◆2020年を振り返って、あなたが優先してきた時間は何でしたか? という問いに対して、最も回答が多かったのは「家族とのコミュニケーション」47.3%。次いで「家事・育児・介護の時間」41.7%です。

◆2021年にあなたが優先したいと思う時間は何ですか? という問いに対して、最も回答が集まったのは「仕事時間」45.0%です。次いで「家族とのコミュニケーション時間」43.8%「休息・睡眠時間」37.2%となっています。

しゅふJOB総研の最新のアンケート調査「2021年に働く主婦が優先したい時間」

 
 
調査によれば、2020年はステイホームで家族との時間をより優先したいという人が増えて、2021年は仕事時間を優先したいという人が増えたとのことです。

どのようなご時世であれ、サラリーマンであれ起業家であれ「家族ファースト」の姿勢は大切です。を変えない、そして「家族が反対するから起業は諦める」ではなく「家族ファーストで脱サラできる方法を探す」ことだと思います。
 

ポイント 睡眠不足になる

サラリーマンのまま起業するリスク

睡眠不足になる
 

サラリーマンとしての仕事を終え、帰路につけば、早い人で7時、一般的な人であれば8時ころに自宅に戻れる人が多いでしょうか。もちろん、同じサラリーマンと言っても、シフト制や勤務形態の違う方もたくさんいらっしゃると思います。

しかしいずれにせよ、私たちの時間は1日24時間という事実は変わりません。

たまに「シフト制だから起業できない」とおっしゃる方がいます。どういう意味なのでしょうか? シフト制であると決まった時間に作業できない、週末の勉強会に通えないから、ということなのかもしれませんが、そんなことは関係ありません。

サラリーマンではないのですから、作業など好きな時間にやれば良いことです。たとえば、起業18は動画で学習して、質問もメールで自由にできますので、時間も場所も問いません。

問題なのは、睡眠時間を削って起業準備をすることです。なぜ問題なのでしょうか? それは、サラリーマンも起業家も、健康があってこその幸せだからです。

起業すれば、眠れない日もあります。全てが自分の責任ですから、寝ていられない日もあるのです。サラリーマンのうちはまだ準備段階ですから、そこまで頑張る必要はないでしょう。毎日コツコツ、それで良いのです。
 

国民全体の平均睡眠時間は、7時間12分で、男性は7時間20分、女性は7時間6分です。女性の睡眠時間は男性より短くなっています。男女年層別にみると、6時間台と短いのは、男性の40代・50代、女性の40~60代で、最も短いのは、6時間36分の女性50代です。

国民生活時間調査 NHK放送文化研究所【2020年調査】あなたの睡眠時間は平均より長い?短い?

【対策】とにかく健康第一! 移動時間を効果的に使い、睡眠時間を最低5~6時間は確保すること。

サラリーマンであれば、朝早く出勤して、会社近くのカフェで作業をするなどもお勧めです。睡眠時間を削り過ぎると、あとでガクンと来ますよ! ここは守ってくださいね。
 

ポイント 会社がつまらなくなる

サラリーマンのまま起業するリスク

会社がつまらなくなる
 

起業準備を始めれば、サラリーマンの仕事だけの毎日とは全く違う生活が待っています。刺激に満ち溢れ、ぞくぞくするような高揚感を味わうことも多くなるでしょう。

そうなった時、朝礼、社訓斉唱、会議、日報、愚痴だらけの社内飲み会「うーん、つまらない! 早く帰りたい!」と思うこともしばしば。

自分の好きなことで、好きな人と、好きなお客様を選び、好きな時間に、好きな場所で、思いきり「志事」をする。

そんな毎日を知ってしまったら、しがらみだらけの人間関係と、理不尽なサラリーマン組織に魅力を感じなくなるのも無理はありません。これがいわゆる「サラリーマン起業の副作用」です。

私自身の経験でも、虚勢を張ったり、威張っていたり、自分の立場を必死で守ろうとしているTHEサラリーマン上司を見て、可哀想な気持ちになることがありました。考えの異なる部下や、自分の怠慢や不正を見抜いた社員が力を持つことを嫌い、必死で潰そうとするその姿に、サラリーマンの悲哀を感じていました。そんな人間と早く離れた、そんな人が来れない世界に行きたい、そんなことを強く思っていました。

【対策】サラリーマンとして会社にいる時間は、脇役。何を言われても、何がどうなろうが、低温、低空飛行でOK。

起業を目指すことを決めたあなたの夢、あなたの未来は、そんな場所にはない。はっきりと割り切り、サラリーマンとしての仕事はきちんと定時で終わらせて帰宅しましょう。そして、どんどん自分のビジネスを進めましょう!
 

ポイント 接待、休日出勤、出張、異動が怖くなる

サラリーマンのまま起業するリスク

接待、休日出勤、出張、異動が怖くなる
 

サラリーマンのままであればリスクが極限に小さいとは言え、実際に行動に移せる人はごくわずかです。周りに反対されたり、自分自身でブロックをかけてしまったりと理由は様々です。そして、そのハードルを無事に超えた人は、次の壁(心配)に当たることになります。それが「人事」です。

もし、ローカルなビジネスを始めてしまったら、人事異動は、ひとつの転換点となります。サラリーマンとして断れないケースも多いでしょう。

残業の多い部署への異動や昇格などはまだマシで、出張や転勤などの大きな仕事環境の変化を伴う場合は、思いきって退職を選ぶ人も少なくありません。

サラリーマンは、常に自分以外の誰かの意志や思惑によって、人生を翻弄される運命にあります。自分の意志が通じるところは、表面上のごくわずかな部分だけでしょう。そんな持ち駒のようなサラリーマン人生は嫌だと思う人は、どうか、一刻も早く自身の強みを生かして、次のステージに進んでいただきたいと思うのです。あなたには、その力があります。

【対策】異動は、いろいろな理由を付けて拒否するのがイチバン!

もし断れない環境なら、場所、時間に捉われないビジネスを最初から設計しておけば安心です。たとえば、ネットを活用するお仕事なら、場所も時間も比較的自由になります。諦めなければ方法はたくさんあります!
 

ポイント 名前が世に知られる

サラリーマンのまま起業するリスク

名前が世に知られる
 

サラリーマンのままビジネスをする際には、ビジネスネームが必要になります。そうしないと、すぐに会社にばれてしまうからです。あなたの味方ばかりなら良いのですが、そうとも限らないですからね。サラリーマンのうちは、自分のビジネスで知り合った人とFacebookで繋がることにも気を付けたいところです。(※きちんとノウハウを得れば問題ありません。)

ブログやホームページ、そしてセミナーなど、一人型スモールビジネスでは、自分自身が商品になるケースが多々あります。コンサルティング、カウンセリング、コーチング、全て自分が商品です。結果、どうしても世間に名前や顔を露出することになります。ここが多くのサラリーマンが気にする「会社バレ」リスクです。

しかし実際は、きちんとしたノウハウがあれば、うまくかわすことができます。私自身がサラリーマンとして15年やってきました。私は最後に油断し、何と取引先業者に会社に密告されるというミスを犯しました。(※役員自宅に怪文書を送付されるという陰湿なやり方で、大変な目にあいました(笑))しかし、こんなことも、私自身のミスが原因です。そんな失敗をしてきたからこそ、ノウハウが蓄積されています。

【対策】サラリーマンのうちは、ビジネスネームを名乗ること。

そして、Facebookを使うなら、会社の人とのつながりをプライバシー設定できちんと管理することです。正しいノウハウでしっかりと準備すれば、全く問題ありません。どんどん進めていきましょう!
 

ポイント 打ち合わせに呼び出される

サラリーマンのまま起業するリスク

打ち合わせに呼び出される
 

もし、やろうとしている事業が「BtoB」、つまり、企業を相手にするお仕事である場合「打ち合わせに呼び出される」というリスクが生じます。これは、私も何度も経験しました。顧客の社長や担当者さんから「アポイントを取りたい」と連絡がきてしまうのです。(※当然ですよね・・・)

アポイントなら、有給休暇を取るなりして何とか対応できます。ですが、イチバン困ったのは「今から来て!」「今日は来れる?」という類のもの。お世話になっているお客様だけに、断る適当な理由が見つからず、本当に苦労しました。

BtoBの場合、週末(お休みの日)にだけ活動をしていることを正直に伝えるか、ZOOMやスカイプなどで夜間の打ち合わせをさせてもらうかなど、やり方を工夫する必要があります。

【対策】サラリーマンのうちは「BtoB事業」をやらないこと。

或いは、こちらで時間と場所をコントロールできる事業を選択することが挙げられます。たとえば、BtoCコンサルティングならば、時間と場所をこちらの都合で設定することが可能です。
 

ポイント メール、電話に応えたくなる

サラリーマンのまま起業するリスク

メール、電話に応えたくなる
 

工夫をしてネットを活用し、サラリーマンを続けながら準備を進めることができるようになったとしても、すぐに次の課題がやってきます。それは、「就業中に決して内職をしてはならない」ということです。どうしてもやりたくなりますが、やってはいけません。

問い合わせや受注メールも入ってきます。スマホをちょっと見れば、返信をしたくもなります。トイレや外出先で、ついついやってしまいそうになるでしょう。ですが、万が一ですが、それがばれたらどうなるでしょうか? 週末だけ活動していました、なんていう話は一切通じなくなります。

外出中に自分のビジネスの仕事をすることもやってしまいがちですが、絶対にやめましょう。朝、夜、週末(お休み)の時間でできるビジネスを考えることこそ、サラリーマン事業家としての手腕が問われます。また、外注化を進めれば、経営者としての感覚を磨く練習にもなります。チャレンジしましょう!

【対策】作業は、朝、夜、週末にまとめて行うこと。

サラリーマンのままできる事業、仕事の流れを創り出すことが何より大切です。貴重な週末などの時間を、意味のない交流会や、売り込まれるばかりのイベントで潰してしまうと、準備はいつまで経っても進みません。
 

ポイント クレーム対応が必要になる

サラリーマンのまま起業するリスク

クレーム対応が必要になる
 

仕事時間をきちんとコントロールしていても、どうにもならないのがこの「クレーム」です。クレームにはいろいろな種類があります。ただの問い合わせなのに、相手が数時間も待ってくれない場合、単なる言いがかりの場合、明らかにこちら側に過失がある場合、そして、悪質なクレーマーなど、実に様々です。

私もいろいろな経験があります。「ダウンロードできない! 詐欺だ!」と、消費者センターに連絡した人がいました。聞けば「パソコンのスイッチを切ってしまい、再度スイッチを入れたら、購入完了画面が消えた!」というもの(笑)「どうしようもないよ!」と思ったものです。また「過去に20万円だったのに、今30万円なのは損した気分だ!」などの文句だったり。。価格は需要と供給で決まるのですけどね。

ただ、ひとつ言えることは、クレームはどちらの責任であるとか、何が原因であるとかの分析は、あとの話であるということ。まずは、怒っているその人を落ち着かせる必要があります。メールでは怒りが収まることはまずありません。

【対策】クレーム体質の人とは、お付き合いしないこと。

クレーマーは、どんなにきちんと対応をしたとしても、永遠にあなたの悪口を言い続けます。どんなにお金を払ってくれそうな人でも、最初から付き合わない方が良いでしょう。また、トラブルが拡大してどうしようもない時には、早退するなどの対応も必要になるでしょう。
 

ポイント 信用されない自分に気付く

サラリーマンのまま起業するリスク

信用されない自分に気付く
 

あなたがサラリーマンとしてエース級の人材であるとしても、ひとりで独立をすれば、その力の足りなさを思い知らされることになるでしょう。何と言っても、誰もあなたのことを知らない、信用しないというショック。これはサラリーマンの看板を使えなくなった誰もが経験することです。

悪く言えば「どこの馬の骨?」「サラリーマンなのに自分の会社をやってる? 何それ? 怪しいね」という反応です。そこで多くの人は心が折れ、身近な知り合い相手にだけアプローチをし、お小遣い稼ぎレベルで終わって満足してしまうのです。そこを乗り越えなければなりません。

そのような現実があるのは確かなのですが、だからと言ってサラリーマンのうちから「過度なブランディング」をする必要もありません。よくInstagramにキラキラ写真を投稿しまくっている「ブランディングを間違えている人」を見かけますが、そんなことはしなくても大丈夫です。

【対策】信用のある人に紹介してもらうこと。

商品は、その品質を信用されなければ売れません。無形のサービスなら、自分が信用されない限り売れません。では、サラリーマンのままビジネスをしている場合、どうすれば人に信用されるのでしょうか? 答えは簡単です。紹介を受けること。

ただ、それだけでは独立した後には稼ぎが足りなくなります。サラリーマンである今は、コツコツとマーケティングの準備をしながら「紹介」で経験を積む。これが王道なのです。
 

ポイント 確定申告が必要になる

サラリーマンのまま起業するリスク

確定申告が必要になる
 

サラリーマンでいれば、税金関係の処理は基本的には会社がやってくれます。とっても楽なシステムですが、副業を始めたら、自分でやらなくてはいけなくなります。「今まで税務署に言われたことないけど?」なんて言っていられません。数年分まとめてお尋ねがやってきますので、きちんとしておきましょう。義務ですし、脱税は犯罪ですよ。

この確定申告の際、住民税の支払い方法(普通徴収・特別徴収)に気を付ける必要がありますので、しっかりと理解をしておいてください。ここを間違えてしまうと、あとでとんでもないことになる可能性があります。その他にも、マイナンバー制度など、知っておいた方が良い知識はたくさんあります。

今現在、自分がいくらの税金、社会保険を支払っているのかさえ知らない、お金に対する恐怖心はあるのに、詳細は知らないという状態にある方が多いのではないでしょうか? 今の状況をしっかりと把握しておくことで、自分がどこまでのリスクを取れるのか、どこまで稼がないといけないのかが明確になります。勉強しておきましょう!

【対策】正確な情報を入手すること。

副業で利益がでたら税金をしっかり払うこと。住民税の払い方に注意し、会社にばれないように処理をすることが大切です。また、法人化をすればマイナンバーや、都道府県の特別徴収制度の推進など、様々な情報を得ておく必要がありますので、私たちの動画やブログで、正確な情報を入手しておきましょう。
 

独立と税金【所得税・住民税・事業税・固定資産税・消費税】
サラリーマンでいると、税金のことを意識することはあまりないかもしれません。お給料から毎月引き落としされているためか、自分がいくら払っているのかさえわかっていない人が多いのではないでしょうか? 意識するとしたら消費税くらいかもしれませんね。  自分で商売をしている人は、様々な税金を意識するようになります。実際はサラリーマンである時と変わりは殆どないはずなのですが、自分で支払うようになる分、意識するようになっていくのです。個人事業主が意識する税金には、例えばどのようなものがあるかと言えば、所得税住...

 
確定申告の青色申告とか、白色とか、よくわかりません。
● 質問確定申告の青色申告とか、白色とか、よくわかりません。  ● 回答個人事業を行うフリーランスの方は、毎年2月になると頭が痛いですよね(笑)そうです「確定申告」です。日本は「申告納税」が基本の国です。自分の稼ぎを自分で申告して税金を払うわけですが、それを確定申告とよびます。フリーランスの方は、日頃からしっかりと領収書などの整理をしておかないと、確定申告直前に作業が追い付かずヒーヒー言ってしまいますね。サラリーマンさんは会社がまとめて年末調整をしてくれますから、その辺は簡単です。  サラリーと...

 


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


アイデア

会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!【セミナー@東京/オンライン】

自分のタイミングで学びたい、セミナーは苦手、というあなたは【動画版】起業セミナー(特典付き)

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!