記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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今回のマネ虎レポートは、創作チャーハンのお店を開業したい27歳の料理人のお話です。
令和版も大人気、今も色褪せることのない伝説「マネーの虎」。ビジネスを始めたい志願者が、成功社長(マネーの虎)5人を前に事業計画をプレゼンし、出資、または融資を勝ち取る番組です。コワモテ社長がブチ切れるシーンに、毎回ドキドキしっぱなしでした。
今回の志願者は、創作チャーハン専門店の開業資金に1310万を希望する、当時27歳の青年。口下手ですが、その顔から、自信と本気度が伺えます。しかし、何か影を感じる・・・虎はそれを見逃しません。
「創作チャーハンとは、、まさにヌーベルシノワ?!」
ヌーベルシノワ(nouvelle chinois)とは、「新しい中華料理」のことを指す造語。
Wikipedia「ヌーベルシノワ」 より引用
今回は、レストラン経営の安田社長、餃子の文野社長、豚骨ラーメンの川原社長など、飲食業の虎がそろっています。
- 堀之内九一郎(55歳当時・年商67億)
(株)生活倉庫 代表取締役 - 安田久(40歳当時・年商18億)
テーマパーク風居酒屋の先駆者 - 加藤和也(31歳当時)
(株)ひばりプロダクション 社長 - 川原ひろし(39歳当時)
(株)なんてんかんでん 社長 - 文野直樹(43歳当時・年商71億)
イートアンド(株) 代表取締役社長
ちなみに、当回には出演されていませんが、現在の南原会長です。虎ノ門・株式会社LUFTホールディングス事務所にて。
創作チャーハンの専門店を作りたいという志願者に、ラーメンの虎、川原社長が次々に質問をしていきます。
志願者「今までチャーハンというのは、チャーハンだけを食べに行こうっていう感覚がなかったじゃないですか? だから僕はあえて脇役だったチャーハンを主役にしたいと思ってます。チャーハンていうのは僕はまだそんなにみんながいじってないジャンルだと思ってます。いろんな形を作ることによっていろんな味が生まれますし、すごい種類のメニューを作っていきたいと思っています。」
川原社長「具体的にいうと、どういう風な特徴があるんですか?」
志願者「ちょっと見ていただけますか? まずこの石焼の器を使いたい!と思っています(実際に器を取り出し虎達に見せる)。この石焼の器を使うことによって、チャーハンの今まで冷めえてたらちょっと脂っぽくなっていたのを保温効果によって冷めにくくしたいと思います。そして僕のチャーハンはソースをかけることによって食べやすさを強調したいと思います。」
川原社長「ソース?」
志願者「はい。僕は21世紀のチャーハンだと思っているんですけど。」
自分の考えていることには自信がある様子の志願者は、言葉を選びながら質問には答えていきますが、時折、言葉の語尾やはっきりとしない言い回しが気になります。
社長たちの質問は続きます。
志願者「お客様の目の前にチャーハンを乗せたものを持っていて、上からソースをかけ、ジューっていう音をさせてそれを食べていただくチャーハンです。混ぜるっていうよりもソースと合わせるみたいな感じで食べていただきたいと思います。」
川原社長「どういう中身なんですか?」
志願者「まず、エビとハマグリのアメリケンヌソースです。」
ソースが肝。当時とすれば、まさにチャーハンという概念や認識を変える新しい食べ物ですね。
志願者がオープニングメニューとして考案したのは、以下の5種のチャーハンでした。
- ウナギのひつまぶし風チャーハン
- エビとはまぐりのアメリケンヌソース
- 日韓創作チャーハン
- 本日の鮮魚ベトナム風チャーハン
- 北海道クリームチャーハン
ここら辺から、虎の質問が確信をついてきます。
志願者「まああの。。僕は一週間に一回メニュー変更をしようと思ってますんで・・・」
川原社長「ただ、どうなんだろうね? なじみがないからね。スパゲッティとかは単価が高いじゃないですか。だからこそ専門店でやっていけるのかもしれないけど、チャーハンの場合だと800~1000円になると高いイメージが。」
志願者「僕は680円均一でやろうと思ってますんで。」
川原社長は驚いた顔で志願者を覗き見ます。志願者は、言葉の上では「自信満々」だと言います。
虎達は基本的なことを質問し始めました。
言葉で説明ができなくて黙ってしまった志願者。しかし、驚きの展開に。「試しに、その美味しいってヤツを食べてみようか? 食べてもないのに批判ばかりしても仕方ないですから」と、堀之内社長が助け舟を出します。
舞台はスタジオを出て、中華料理屋の厨房へと移ります。
スキルはある。美味しい。しかし・・・
厨房では、志願者が手際よく調理を進めます。包丁さばき、鍋振りのスキルはお見事。食材も、エビ、はまぐり、アボカド、モッツァレラチーズ、ワイン、ミルク、バター・・・。虎も吉田栄作さんも興味津々です。
中華の概念にとらわれない食材。うまければマネー成立。番組のナレーションも煽ってきます。
その自信のチャーハンが出来上がりました。目の前で石焼鍋に入ったチャーハンにソースをかけます。ジュージューと食欲をそそる音が・・・。
ふるまわれたチャーハンを虎達が食べている様子は、厳しい顔も緩み、味には納得いっている様子で、加藤社長も食べながらうなずいていました。
堀之内社長が口火を切ります。
よくある、堀之内社長のお断りパターンがさく裂します。
志願者も、テレビの力で最初は客が来ても、それをいかにつなぎ留めるかが大事だと言います。とても大事な自覚です。
マネー成立に向けて良い流れの様に見えたその時に、今回、沈黙を続けていた安田社長がついに口を開きます。
文野社長「中華料理の経験はあるわけですか?」
志願者「中華料理の経験は4か月。。中華料理屋をやったんですけど。。」
文野社長「4か月????」
空気が一変します。
チャーハンの味に魅了されていた虎達が、我に返ったかのようにさらに質問を始めます。
志願者「今無職です。」
堀之内社長「これに出るためにやめたの?」
志願者「出るためではないです。創作チャーハンをやりたいと思って、、」
川原社長「どうして4か月でやめたの? やめた理由は何なんですか?」
自身の過去への後ろめたさを感じている様子がうかがわれる様子に、さらに川原社長が切り込みます。アイデアだけではなく、志願者という人間に投資するのだから、辞めた理由をきちんと話してくれというわけです。
川原社長「人生流されて生きてるっていうか・・自由奔放に生きてる?」
堀之内社長「1300万て、あなたが貯金すると何年かかると思う?」
志願者「20年。。。」
堀之内社長「そんな大金を今あなたが手にして。チャーハンやをやってうまくやっていける自信ある?」
志願者「お金が出ても、はっきり言って怖いって思ってます・・・」
弱音が駄々洩れになったその時、加藤社長の怒りが爆発します。
涙ぐむ志願者に、子供を諭すように安田社長がご自身の経験からの思いを伝えます。
うんうんとうなずく志願者に、虎達は優しいまなざしを向けています。先ほど怒りをあらわにした加藤社長までが。優しく頷きながら見ていました。
そして川原社長からの最後のメッセージ。
結果はもちろんノーマネーでしたが、志願者も大きな学びを得たことでしょう。
まとめ
技術があっても、味が上手に出せても、経営者は人間を見ている。起業家になるには、人間性も高めなければならない。
人間的な成長のないままでは、信用は得られないということ。
私自身も、大きな学びになった放送でした。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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