私が、起業【スタートアップ】ができなかった理由

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

起業18には、会社員のまま始める起業に興味・関心のある人が集まっています。ほぼ全ての人が何らかのビジネスを立ち上げ、安定軌道に乗せるためのマーケティング活動に挑戦するわけですが、多くの人が最初にぶつかる壁があります。

それは「何かを始める」という行動そのものです。それは、自分棚卸しでも、その後のネタだし、商品作りでもありません。起業には、そのような「準備行動」に進むこと自体に躊躇してしまう「最初の壁」が存在するのです。
 

起業スタートアップ
 

ポイント 起業準備の最初の壁とは?

私が起業できなかったこれだけの理由

リスクが小さく、誰にでもできると思われている「会社員のまま始める起業準備」ですが、そこには前述のように、意外と低くない「最初の壁」が存在しています。

以前、起業準備を始めようとしていて、しかし、まだ始めていない方にその理由をお尋ねしたところ、

  • お金がない
  • 時間がない
  • 自信がない

というお答えが返ってきました。そして、勉強会やイベントなどで度々顔を合わせる「すでにネタは決まっている」とおっしゃる会員さまにも、その後の進捗を訊いてみますと「何となく進まない」「前回から変わっていません」とおっしゃる方がいて、その理由は「時間がない」が殆ど。その他にも「やり方がわからない」「怖い」「うまくいくか心配」などのお答がありました。そして皆一様に、
 

「やらないといけないのはわかっているのですけどね。。。」
 

と何だか辛そうで、これ以上は質問されたくないご様子。起業準備が苦しくなってしまったとしたら、それはとても残念なことです。もし、ここまでこの文章をお読みになって「あ、自分のことを書かれてる」とお感じの方がいらっしゃいましたら、どうぞご安心ください。あなたのことではありません。私はこれとほぼ同じ会話を、何年も、それもしょっちゅう、たくさんの人としているのです。
 

ポイント 起業準備という行動が起こせない理由は?

私が起業できなかったこれだけの理由

違和感
 

言うまでもなく、ビジネスは始めてからが本番です。商品が売れない、集客できない、資金が足りなくなった、クレームがきた、そんな課題が山ほどでてくるのはこれからです。

ですが、多くの人がスタートラインにすら立てないという現実があります。これにはきっと理由・原因があるはずです。私は自分の経験からも、それを個人の「やる気」や「起業への想いの弱さ」の問題として片付けることができないでいます。解決・改善方法は必ずあるはずです。そのノウハウと場を提供したいと強く思うのです。

あなたは行動できていますか? やりたいと思うのに動けない自分。決意できない自信のなさ。行動を起こさ(せ)ず悶々とし、情報収集ばかりしている日々。自分自身を振り返れば、その気持ちはよくわかります。私自身も起業をする過程で、似たような経験をしているからです。

自分はどうして行動が起こせなかったのか?「本気度が足りなかった」と言われれば、確かにそうかもしれません。「本業で疲れていたから」それもその通りでした。

ですが、正直に思い返せば、たまには時間が取れる日もあり、スキマ時間もあったと思うのです。ただ「そのタイミングではやる気が起こらない」ことの繰り替えしだったのです。

なぜそうだったのでしょうか? 今思えば、最初の理由は「やる義務がないから」だったからだと思います。やらなくても、誰にも迷惑がかからない状態だったのです。

さらには「起業マインド」の無さ。サラリーマンとして「成果がでてもでなくても固定給」があった部分が「行動しても未知の世界」となったことで、決断を躊躇し、行動に恐怖を感じ、足が止まってしまったのです。その壁を打ち破ることが、しばらくの間できなかったというわけです。
 

ポイント 弱い人ほど、自分を追い込むことから

私が起業できなかったこれだけの理由

目標
 

私は「会社を辞めなくても、起業準備をやらないといけない状態を作ること」が決断への最初の一歩だと思います。この状態を作るには「ビジネスパートナー」か「顧客」を持つことがイチバンです。顧客を持てば問答無用、ビジネスをやらなければなりません。

ですが、ビジネスをスタートする前から顧客を持つことは大変です。そうなれば「パートナー」です。ビジネスパートナー、しかも、すでに事業を始めていて「成功しているパートナー」と組ませてもらうこと。そして、その事業の一端を担う仕事を引き受ける(下請けする)ことが重要です。

それにより、行動する義務が生じます。仕事をいい加減に投げ出せば、パートナーはあなたの責任を追及し、損害がでれば、賠償請求をしてくるかもしれません。言い訳はできません。そして、お手伝いをしながら、下請けに甘んじることなく「起業マインド」を育てることです。例えば私の場合、起業マインドの成長を阻害していた思考には、以下のようなものがありました。

  • 仕事は組織や上司から命令や指示によって与えられるものという考え
    起業すれば、黙っていたら仕事は与えられないですし、上司が命令・指示をしてくることはありません。下請けであっても同じです。
  • 頑張れば評価されるものという考え
    頑張りは評価されて当然と思っていましたが、起業したらそんなことは関係ありません。お客様が喜んでくださるかが全てです。
  • 頑張っても頑張らなくても同じ評価なら、やらない方がいいという考え
    他の人がズルをすることや、自分が評価されないことが許せないなどの気持ちがありましたが、起業にはそんなことは全く関係ありません。やるのみです。

私自身もこんな人だったのです。そういう意味では、そんな私でも起業することができたのですから、やっぱり誰にでもできることだと思うのです。
 

ポイント 一番大切な起業マインドを育てる方法は?

私が起業できなかったこれだけの理由

起業
 

では、どうすれば起業マインドを育てられるのでしょうか? 自分の経験からわかることは、このような性格、思考をセミナーなどで無理やり矯正したところで、数週間もすればすぐに戻ってしまうということです。まずは、強制的に「起業行動と成果がイメージで結び付けられる環境に身を置くこと」だと思います。

「会社に行く=お給料がもらえる」という具合に、行動と成果がわかっていれば、行くことを決断し、行動に移すことができます。生活のためには我慢して会社に行きます。ですが「起業をする=お金が稼げる」というイメージが持てず、上手くいく自分の姿の想像ができないと、いつまでも起業準備を始めることができないのです。

この成果の部分は「お金を得ること」に限りませんが、あなたの「得たいもの・こと」を実際に実現している成功者と仕事をすることが大切です。やらなければならない状態を作る時と同じで、パートナーを持つことがいかに大切か、お分かりいただけると思います。

自ら起業し、実際にお金を稼いでいる人と一緒に仕事をすることで「起業=稼げる」いうイメージが次第にリンクしてきます。同じことをもう一度繰り返しますが、実際に仕事を請け負う形(無償のお手伝いではダメ)でスタートするとよいでしょう。

自力で稼ぐという成功体験が、あなたの起業マインド、『行動=成功』というイメージをますます強固なものにしていきます。
 

ポイント 起業の世界は管理をすれば怖くない!

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独立したい
 

また、起業の世界に飛び込むのが怖いと感じる人も多いようです。上述のような責任が生じることに怖さを感じ、起業家になる覚悟ができない状態です。「もしできなかったら」と不安になり「やっぱりやめておこうか」という弱気の虫がでてきてしまうのです。

ですが、本業でもしっかり仕事をしている皆さまでしたら、それで十分通用します。大丈夫です。さらに不安を払しょくしたいのであれば「リスクマネジメント」をしましょう。会社員のまま始める起業準備のリスクは極めて小さいですので、最初は例えば以下のようなポイントだけ決めておけば、それで十分だと言えます。

  • お金について
    例:いくらまで投資するか/月いくら使えるか/いくら損をしたら撤退かなど
  • 本業について
    ○○時までなら残業する/バレた時の対応/転勤や異動になったら転職するなど
  • 家族について
    週○時間は一緒に/起業について週1回話す/家族が病気になったら休むなど
  • 健康について
    睡眠時間○○時間/運動時間○○時間/○○時間おきに休息するなど
  • 夢について
    進捗確認を月1回確認/楽しいかを月1回確認/迷ったら家族に相談するなど

軌道に乗った後は、事業リスクも発生してきますので、以下のポイントも追加して取り決めておきましょう。自分や家族など「内部」で起こることと、顧客や外注など「外部」で起こることに分けて洗い出しをし、一次対応と恒久対策を考えておきましょう。

  • 商品リスク(クレーム・訴訟への対応)
  • ITリスク(情報漏えい・PC故障など)
  • 事故・災害リスク(地震や火災、交通事故など)
  • 環境リスク(地域トラブルや引っ越しなど)
  • 労務リスク(従業員がいる場合には特に注意・外注との取引停止など)
  • その他(取引先の倒産・背任・損害賠償責任など)

判断基準を明確にしておけば、後は機械的に処理するだけです。感情に流され、疲弊することもありません。つまり、起業準備を始める決断とは、

  • 成功している人のパートナーとなり、下請けからスタートする
  • 行動と成果のイメージをリンクさせる
  • 判断基準を決める(リスクマネジメントをする)

をすることです。これができれば、起業準備をしようという気持ちがより強くなるはずです。強い気持があれば、工夫や努力といった前向きな行動が生まれてきます。時間の捻出、ネタだしはこれまでよりスムーズに進むでしょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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