起業する時に必要な資本金っていくら? 平均的な相場は?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

一年以内に起業をするつもりです。法人を設立するので、資本金を用意する必要があると思いますが、一般的に、どのくらいの金額を用意するものなのでしょうか?
 

起業前質問集
 

● 回答

業種によって目安も異なります。今は1円から会社を作ることはできますが、実際は1円カンパニーは信用面から言っても現実的ではありません。私の周りでは一人型ビジネスで起業する人が多いため、50万円~300万円でスタートする方が多いです。
 

ポイント 「目安は300万円!?」の理由

起業する時の資本金・平均的な相場は?

お金
 

起業に必要な資金の相場は「300万円」とも言われます。

法的な資本金の制限がほぼなくなった現在でも、総務省の統計では会社設立の準備金は平均500万円。資本金の平均額は約300万円で、その他の200万円が創立費と開業費となります。

freee株式会社「開業費、1人は12万円、複数人は200万円から。会社設立に必要な費用一覧」 より引用

 
とは言っても、前述のように、金額は業種にもよりますし、少なくとも私はこんなお金は用意していませんでした。 では、一般論としてこの「300万円」という数字が出てくる根拠は一体なんでしょうか? ここで起業する際の設立費用を考えてみましょう。

まず法人として会社を設立するのなら「定款」という会社の規約のようなものを設定します。収入印紙代4万円、認証手数料4万円(電子化で低く抑えられる)、登録免許税で15万円(or 資本金の0.7%)で、トータル25万円程度を想定できます。(参考:マネーフォワード「法人設立で最低限必要な費用と、株式会社・合同会社の違い」

事務所などの家賃相場は、郊外で数人規模なら6~7万円ほど用意しますから、敷金2ヵ月か月、管理費1ヵ月などで、初月は20万くらいで、残り11か月となると6.5万円の11か月分で71万円です。家賃だけで年間約100万円、会社設立費用を足すと、およそ経費は120万円近くかかっています。
 


 

次に生活費では、家賃を下げて5万円ほどで、これに電気代やインフラ費用で月5万円くらいを支出予定とすると10万円で、これに食費週5,000円とすると12万円~13万円あたりが最低費用になるので、13万として年間では156万円になります。実際はもっとかかってしまうでしょう。

ここまで、事業を何もしないで設立と自宅家賃だけで276万円ですから、諸々の生活費を入れると400万円を超えてくるでしょう。事務所を借りない自宅開業の場合は、-100万円として300万円。それに事業をするためのお金が必要になります。起業に必要な資金の相場は「300万円」というお話は、あながち間違った数字もなさそうです。

会社員のままであれば、自宅家賃と生活費の心配は要りませんから、追加でかかる費用は会社設立の25万円、そして、事業をするためのお金ということになります。やっぱり、安心感が違いますね。
  

ポイント 会社員時代にクレジットカードを作る!

起業する時の資本金・平均的な相場は?

クレジットカード
 

私自身は、最初は小さく個人で起業して、借金はしないことを強く推奨している立場ですが、始めたい事業によっては法人化、融資を受けることが必要になるケースもあるでしょう。

大きなお金が必要な場合は、自己資本がたまるまで貯金するよりは、融資を受けた方が現実的ということもあるため、常に「損益」を計算できるようにしておくとよいと思います。

この損益とは、簡単に言えば売上と支出から、すべてを計算して終えると「純利」がどれくらいあるかを計算するという意識です。ほとんどの会社員は、会社から給与を貰って消費することしか頭にないので、資本は常に給与と年収しか頭に入っていません。

そういう意味でも、クレジットカードは小さな債務ですから、起業をする前にカードを作っておいて、慣れておくことをお勧めします。会社経営は利益を出せればそれで終わりということではなく、支出と収入のバランスを健全に保つことが必要です。
 

ポイント 超短期事業計画・目標を立てるのがコツ

起業する時の資本金・平均的な相場は?

事業計画書
 

起業しても、最初は長期計画はまず立てられません。何となくの計画はあっても、個人で起業をすれば刻一刻と状況は変わっていきます。取引先も半年単位で変わっていきます。仕事をくれると言っていた人も、すぐに去っていくのが普通です。急に在庫不良を抱えたり、流通で災害で障害が起こって、商売やサービスの販売機会を失うこともあり得ます。

駆け出しの起業家は、超短期目標をクリアすることを継続することで、1年を2年、2年を5年としていくことが多くなります。「今日を懸命に生きる」というのは、創業当時の起業家の生き方そのものです。その日暮らし、不安定と言ってしまえばそれまでですが、最初はそんなものです。そこを超えていくことで、大きく成長することができるようになります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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