起業18の新井です。私はいつも、起業準備に「お金を使うな」と言い続けています。ですが、会社員の方はお金を使うことが大好きです。やれ資格だ、勉強だと言って、大きなお金を「消費」してしまいます。
違うんです! 起業後に使えるインフラに投資をしないといけないのです。そして、現実的には、いちばんお金が必要になるのが、起業後1年目です。起業1年目は無収入の期間が長くなります。「売上=収入」ではありません。回収まで何ヶ月もかかります。さらに、前年の税金、設備投資、広告費などの先行投資、そして生活費、もういくら現金があっても足りないくらいなのです。
ですので、私たち起業18では、初期投資を小さく起業し、先につながるインフラには無理なく先行投資をするスタイルを提唱しています。インプットなどいくらやっても、資格をいくら取っても、1円にもならないのです。
繰り返しますが、お金がかかるのは「起業後」です。1年目なのです。やってみればわかります。日本は「挑戦のコストが高い!」のです。なので廃業が少ないのですが、、。開廃業率はなんとたったの5%・・・そんなのおかしいですよね。起業準備中は、開業後の集客につながる投資をしましょう。「インプット」「勉強」にお金を使ってはいけません!
金融機関は担保のない個人にはお金を貸さない。現状では失業者も限られるため、進行する廃業増加が関心をひくことも少ない。しかし真の問題は失敗による廃業が少ないことだ。挑戦のコストが高いからである。実際、どんなに立派な商品を開発しても国内での販路開拓は容易ではない。
中小企業の廃業率(大機小機)2016/07/02 日本経済新聞 朝刊 17面
それでも大きく起業したい人がたくさんいるので、一応解説!
起業1年目にかかる費用の明細を公開!こんなことまでお金がかかる!
小さく起業しましょう! と私がいくら言っても、それでもやりたいことがあるのが起業を目指す熱い皆さん。お問い合わせの多い「飲食店起業」についても、ちょっと書いてみたいと思います。(※大きい起業はあくまでもお薦めしない立場ですけど・・・)
まず、居ぬき物件を使用しても、ランニングコストは同じというお話から。コストを下げるために「居抜きならどうか?」というお話をいただくこともあります。確かに、居抜き物件の再利用は初期投資の削減になります。ですが、しっかりと選ばないといけないのは言うまでもないことで、「悪しき立地条件を引き継ぐかもしれない」ことを肝に銘じておきましょう。
また、居抜きで初期投資を抑えても、ランニングコストは、飲食店ではシェフやホールスタッフの人件費を削るか、メニューを工夫しない限り変わりませんので、立ち上げがなんとかなったとしても、経営努力を怠らないようにしてください。
コンビニなどのフランチャイズ費用の目安はどうか?
起業1年目にかかる費用の明細を公開!こんなことまでお金がかかる!
実は、私の会社のおすすめ(好きなことで起業)と全く異なるコンセプトなのですが、「フランチャイズで起業はどうか?」というお問い合わせも多くいただきます。
ライセンス契約のフランチャイズは、起業というよりも「独立開業」という言葉の方が合いますが、パッケージになっていてビジネス構築を考える必要がないので、ほぼ就職と変わらないわけで、楽なイメージがあるからでしょう。ただ、リスクは小さいわけではありません。
フランチャイズチェーンにはいろいろありますが、有名企業で一例をあげると、加盟条件として、オーナーが20歳以上で、店舗専従者が最低2名必要で、契約期間は売上に関係なく2年間とされています。土地建物をフランチャイズする企業が貸与して、その費用が約307万円~。開店準備金としてシステム使用料や什器提供で約50万円、看板使用料に該当するロイヤリティは、総売上から換算するパターンと、総収入から50%を差し引くパターンがあるようです。本部からのサポートを受ける際は無料の代わりに、アルバイトの時給や諸経費はオーナーの収入から負担するなどのルールがありますね。何にしても大きな費用です。
物販でもっとも費用が掛かるペットショップ開業で考えてみよう!
起業1年目にかかる費用の明細を公開!こんなことまでお金がかかる!
「好きなことで起業」と言うと、ペットショップを開業したいとおっしゃるかたも、一定の割合でいらっしゃいます。(※最初の事業としてはおすすめできないのですが・・・)
最初は本当に、シンプルでコストのかからないことから始めてもらいたいです! 何せ、うちの場合は、会社員のまま始めることを前提にしていますし、それより何より、初めての起業というものは、「はじめてのおつかい」と同じなのです。これについては初めての経験なのですから、子供と同じなのです。
物販をしたいのなら、最初は自宅でネット通販という単純なパターンでやってもらいたいものです。在庫を保管する場所と自分が仕事をする空間だけで済みます。ですが、店舗を構えれば、来店する顧客のために必要なあらゆる整備も必要となります。
そこで店舗経営では、最も費用がかかるパターンである、しかもお問い合わせの多い「ペットショップ」を例に明細を示してみましょう。居ぬき物件を改造し、新規店舗に仕上げる場合です。
・内装工事費用:一坪約4,000円(壁面は1平方メートル換算)
・外装工事費用1平方メートル:約1,000円(屋上や屋根を除く)
・飼育管理施設設備:犬猫舎価格1台2万×頭数分
・水道及びトリミング専用設備設営費用:坪単価約8,000円(冷暖房設備別)
・POSシステム導入(レジ関係導入):約80万前後
・顧客用インフラ(トイレ、洗面所など):平均50万円
・トリミングなどの水道工事:約10万円
大体、このような感じです。これにランニングコストがかかりますが、ペットによっては冷暖房を一年中使うため、40坪程度の店舗で、電気代で20万円前後と聞いています。ちなみに、ラーメン店などでは、ガス代が坪30で一日来店60名前後として、月に約5万円のコストがかかっています。
起業費用で最も掛かる経費は何か?
起業1年目にかかる費用の明細を公開!こんなことまでお金がかかる!
ずばり、固定費です。人件費、家賃、諸々。なので、これらの必要のない小さな起業(しつこいですね(汗))がおすすめなのです。店舗経営は経験を多少積んでからの方がよいと思います。
最近人気のサロン開業なども同じです。店舗を持ちたがる女性はとても多いです。ですが、考えてみてください。どうしてうまくいくと思えるのでしょうか? 何を根拠に、お客様が集まってくると思えるのでしょうか? お客様がすでについている、仕入れのルートがあって格安で経営できる、アパートを持っていて家賃がかからない、などの何らかの根拠がないのでしたら、もうちょっと慎重になりましょう。
ですが、サロンが絶対失敗するというわけではありません。根拠がない場合、まずは固定費のかからない、小さなビジネスをやってみて欲しいのです。そして、それから拡大していって欲しいのです。もし、箱を持たない間借りサロンだったらどうでしょうか? たとえば美容室とコラボして、そこでネイルサロンのサービスを提供する。そうすれば家賃はかかりませんよね。
ちなみに、私の開業時の費用明細は、こんな感じでした・・・
・パソコン:それまで使っていたもの
・事務所:自宅の一室
・事務用品:5,000円程度
・電車賃:5,000円程度
・その他:セミナー会場費など(月に1~4万円程度)
利益が上がってから、パソコンを新調したり、事務所を借りたり、少しずつ大きくしてきました。最初は、それでいいんです。起業18で、まずは練習をしながら、大きく羽ばたいてください!

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