品質管理や内部統制などの企業相手のコンサルティングで起業するには?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

これまでサラリーマンとして培ってきたノウハウを教える仕事をしたいと思います。

品質管理、ECサイト立ち上げ、内部統制、教育研修制度や評価システムの構築などのコンサルティングを考えています。

このような方向性で需要はありますか? また、このビジネスで起業できますでしょうか?
 

起業前質問集
 

● 回答

まず、需要についてですが、いわゆる一般的な経営コンサルティング、業務コンサルティングですので、需要はあると思われます。このようなコンサルティングで起業をしている定年後の会社員の方は大勢いらっしゃいます。

ですが、会社員のままこのビジネスを始める場合には、いくつか考えなければいけない点があります。
以下の2つです。

  1. 会社員のままできるのか?
  2. クライアントを取れるのか?

まず、BtoBコンサルティングは、研修にせよ、その前段階の打ち合わせにせよ、昼間の時間帯に行われることが一般的です。それが可能かどうかを判断する必要があります。

もし難しいようでしたら、夜間や週末に役務提供を行えるようにするか、コンサルティングは別の専門家に振るマッチング業務に転換するなど、ビジネスモデルを変更する必要があります。

ご自身で一般的な中小企業にコンサルティングをするのは、それなりに難しくなるのが実際でしょう。
 

名刺交換
 

また、単純にノウハウを教えるコンサルタントには需要はありません。教科書もGoogleもあり、言葉の意味を教えるだけでは、仕事として成立しないからです。

コンサルタントは、クライアントの抱える固有の問題や課題を整理し、自らが持つ知識、経験、情報、ノウハウ等をもって解決をサポートする必要があります。言ってみれば企業のお医者さんです。

お医者さんが知識提供(病気の説明)だけをしても、患者さんは困ってしまいます。求められるのは情報加工力、そして、一緒に治療していく伴走力になります。

お医者さんであるならば、言葉の意味(医学の知識)、あるべき姿(健康な状態)を知っていることは大前提として、たくさんの事例(症例)を知っていることも必須条件と言えるでしょう。
 
そして、コンサルティングを実施するために必要なツールも整備していく必要があります。
  

50代
 

次にその課題をクリアできたとして、クライアントを取れるのかという壁があります。言ってみれば「あなたに頼む理由があるのか?」ということになります。

正直、実績のないうちは、紹介がベースになるでしょう。人脈が要になります。

スムーズに成功している人の例を見ると、知り合いに人脈の広い、やり手の中小企業のオーナー社長がいて、自社のプロジェクトから友人の会社の案件まで、次から次への仕事を紹介してくれるというケースが目立ちます。

実際に、それで現役時代より多く稼いでいる方もたくさんいらっしゃいます。このような強力な助っ人がいれば、時間もある程度柔軟に対応してくれるかもしれません。

過去のクライアントさんには、紹介に頼らずゼロベースで始めた人もたくさんいますが、早期退職制度などを利用して時間をつくり、専門家紹介のマッチングサイト(業者)を利用して、案件を下請けするところから始めた人が多いですね。

自分の名前で買ってくれる会社が無いので、まずはスペシャリストとして紹介会社から案内されて、面接(コンペなど)を経て受注するということになります。

そこで実績を上げれば、そのうち自社のホームページなどから直接指名されるようになるという形になります。
 

目標
 

それが難しい場合、時間をかけて取り組むことを前提に、草の根の活動から始める必要があります。
まずは、情報発信、そして人脈づくりです。

情報発信は、自分のホームページを作り、質問者様の専門性、たとえば内部統制について調べている企業オーナーや現場責任者が求めている情報を発信します。

ここで単なるWikiのような情報を発信しても、顧客獲得にはなりません。池上彰さんになったつもりで、以下にワクワクさせながら情報を伝えるか、表現力が問われるところですね。

そして、受け皿として、セミナー、勉強会や研究会を主宰するといいでしょう。これを夜間や週末に開催することで、時間をコントロールしながら人脈を構築できるようになります。

また仕事の幅を広げるために、協業、提携先を確保することも大切です。勉強会に人が集まっていれば、自然にお客が欲しいコンサルタントが集まってきます。
 

転職
 

或いは、技術指導ができるのでしたら、日本の技術を現地社員に教育できる人は中韓の企業から引く手あまたですので、既にそのように働き方をしている日本人や外国企業経営者に、何らかの伝手をたどって連絡ができれば、活路を見出せる可能性は高いですね。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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