記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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多くの企業がコロナ不況と戦っている今、この不景気に今後も強いと言われる業界、産業も確かに存在しています。
今現在、これら業界に関わっている人、いない人、全ての働く人はこの現状を知り、自分の仕事や自社のビジネスモデルを変化させる必要があります。
コロナが今後どうなるのか、今の段階でははっきりしていません。ですが、私たちは、副業を続けるためにも、起業準備を進めるためにも、しっかりと現状をとらえ、自分のビジネスに反映させていかなければなりません。
このコラムでは、このコロナの時代に、しっかりと成長を続けている産業をご紹介していきます。これらの業界に携わっている、或いは、これらの業界を顧客としているのであれば、当面の間は大きな影響を受けることなく、この時代を乗り切ることができるでしょう。
逆に言えば、これらの業界にまったく関わりがない、今の会社が傾きつつある、そんな場合には、今すぐ次のコロナ危機に備えて、準備をしなければならないということになります。
大きな影響を受けない人は、自分のペースでしっかりと、大きな影響を受けそうな人は、今すぐ立ち上がること。
この記事を読み終えたら、最初の一歩を踏み出しましょう。やるかやらないかで、迷っている場合ではありません!
WITHコロナがチャンスになるビジネス10選
1.教育業界
今、緊急事態宣言により、多くの人が外出を自粛しています。多くの人が、大きなイベントへの参加や、不要不急の外出を控え、なるべく早く帰宅するという生活パターンを維持しています。
そんな環境の下、教育業界がかつて行っていた「対面型のセミナー」や「社員研修」の仕事は、もうしばらく戻ってきません。
ですが、自粛生活をしているとはいえ、教育を受けたいというニーズがなくなったわけではありません。人々は学習の機会を求めています。どこにも行かずに「自宅からオンラインで学べる」という機会を求めています。
今は、子供も学生も、大人もオンラインで、パソコンやスマホから、知識をインプットしています。そして、この状況に慣れてしまった身体と脳は、この先、疑問を持つことになります
わざわざ、行く必要ある? たとえ、このコロナの流行が収まったとしても、短期間に劇的に変化した人の思考がどのような方向に向かうのか、まだ分からないところが多いです。
ですが、間違いなく言えることは、人々はこの時代に合った新しいスキル、新しい知識を求めているということ。そして、それを「オンラインで手に入れようとしている」ということです。
教育業界は、コロナ不況の今後においても、オンライン対応次第で伸びると思います。
2.医薬品関係
コロナ患者を受け入れてる病院が、軒並み経営難に喘いでいるという話を耳にします。
政府からの補助で黒字化はできているものの、他の病気の患者を受け入れる体制に影響が出てしまった上、ソーシャルディスタンスを確保するために病院内の空間も自由に使えなくなり、インフルエンザの患者も減ったというのです。
一方で、医薬品業界に関しては、病院に行けない代わりにオンライン診療が盛んになり、薬を手に入れやすくなったり、マスクや消毒薬など、人々が大量購入する商品もあるため、活況のようです。マスクも消毒液も、世界中で品不足になったことは、記憶に新しいところですね。
では、これら医薬品や医療用品が、新型コロナのワクチンができて治療法が確立された後、急速に需要が落ち込むのかと言えば、そんなこともないでしょう。
今回のようなパンデミックが発生するリスクは、世界中で増していると考えられます。数年後には、別のウイルスや、新型インフルエンザが発生する可能性もあるわけです。
つまり、この医薬品、医療用品関連のビジネスは、これからも多くの人々が求めるものであり、マイナスの影響を受けることが少ないビジネスだと言えます。
3.デリバリー/運送業
多くの人がテレワーク、自宅待機になった今、食事もテイクアウトや「Uber-Eats」などのデリバリーを利用する人が増えています。また、ネット通販を利用する人も増えていますので、運送、配達のセクターは非常に好調に見えます。
ですが、中長期的な目線で見れば、長距離トラックを始めとした「自動運転」の分野、そして、ドローンやロボットが活躍する配達の分野に関しては、人員削減が進む可能性があります。
業界自体はコロナで活性化しても、人は現状維持か減る方向。そんな可能性も感じられます。
2020/06/20付けの日本経済新聞朝刊11面にも「コロナが促す『物流テック』、宅配急増、データを駆使、佐川や日本郵便、ロボ・AI活用」という記事が掲載されています。記事によれば・・・
佐川急便はスタートアップと連携し、ロボットなどで荷物の積み下ろし時間を縮める取り組みを進める。日本郵便は人工知能(AI)で、配送経路を短時間で探す試みを始めた。
2020/06/20 日本経済新聞朝刊11面「コロナが促す『物流テック』、宅配急増、データを駆使、佐川や日本郵便、ロボ・AI活用」より引用
とあり、AIの革新をコロナが後押しし、業界が変わっていく様子がわかります。
また、Fedexは来年にも、日本でロボット配達の実証実験を行う方針を発表しました。「人よりロボットの方が安い」という認識の定着は、近い将来の事でしょう。
この流れはもう止められません。今現在、配達業務に従事している人は、今は好調でも、その先のキャリアについて考えておく必要がありそうです。
4.ホームエンターテイメント業界
テレワークや自宅待機のために、動画配信サービスNetflixや、Amazonプライムなどの利用者が激増しています。YouTubeの視聴時間も急増し、通信量が増えたため画質を落として配信するなどの処置が取られました。
今、そのYouTubeにはたくさんのクリエイターが参入し、これまで以上の視聴時間の奪い合いの激戦となっています。
しかし多くのYouTuberがマネタイズに成功しておらず、またコンテンツの安売りが進んでしまっているため、収益が減少が進んでいる現実があります。子供向けのコンテンツには広告がつかなくなったという規約変更もあり、動画からの広告収入は下がっていくことでしょう。
しかし、コロナ不況にあえぐこの時代、人々には娯楽が必要です。コロナ禍が長引くほど、娯楽コンテンツを制作できる個人や企業は、ますます伸びていくものと思われます。
5.オンラインゲーム
テレワークや自宅待機によって、人の心は刺激を失い、退屈な状態にあるはずです。日頃、外出するだけで入ってくる様々な情報が遮断されているわけですから、仕方ありません。
ゲームセンターに行くにも、ゲームのイベントに行くにも気が引ける人も多いでしょうし、そもそもイベントは開催していません。
そんな、私たちの娯楽や刺激にたいする欲求を埋めているのが、オンラインゲームや先述の動画などです。
Amazonを見ると、ゲームがやたら売れています。オンラインゲームも、ボードゲームも、とてもよく売れている様子です。
とくにオンラインゲームの勢いはすごいものがあります。この流れは続くと思われます。
6.オンラインデート/マッチングアプリ業界
今、コロナで人々は孤立し、かつてないほど孤独を感じている人も増えています。コロナうつなどという言葉も生まれました。
交流が遮断されて煩わしさもなく、楽になった面もありますが、人恋しくなっている人も多いことでしょう。そもそも、私たちは、人とのつながりを求めているのかもしれません。
テレワーク導入で、自宅で仕事をする人が増えれば、多くの人が出会いの機会を失います。その結果、独身者の割合が高まることになるかもしれません。
カフェで出会うことも、飲み会で出会うことも、社内で出会うことも減ってしまいますから、自然とマッチングアプリを使う人は増えるでしょう。
ですが、マッチングしても会えない、ここは課題です。オンラインでどう解決できるのか、ここは考えていく必要がありますね。
出会い系ではなくとも、異業種交流会なども消えていく運命の今、マッチングアプリは盛況になるでしょう。
7.ソフトウェア業界
当然ながら、コロナの時代では、リモート接続、オンライン配信、作業を助ける、役立つソフトウェアがたくさん利用されることになります。
Skype、zoom、オンライン会議システムはもちろんのこと、データの受け渡しに使うクラウドストレージ、ギガファイル便など、ソフト、アプリ、オンラインサービスは活況が続くでしょう。
人々のコミュニケーションを支援するためのソフトは、これからもたくさん出てくるでしょうね。
今回のコロナ騒動は、人の働き方や習慣までを変える力を持っている、大きな黒船のような変化でした。私たち自身が、その新しい人の習慣、そこから生まれてくる市場にどのように対応できるのかについて、考えていかなければなりません。
コロナの騒動が終わっても、この新しい習慣は定着していく可能性が高いでしょう。
8.サプリメント/健康食品業界
新型コロナの流行によって、人々の健康への意識、特に「免疫を高める」という意識が高まりました。
手洗いうがいなどの外的予防法に加えて、平熱を少し高くするためにお風呂に入ったり、生姜を食べたり、自宅で筋トレをしたり、ストレッチをしたり、オンライントレーニングもブームになっています。
私たちはもうしばらくコロナを恐れることになり、健康についての意識を高めながら生活していくことになるでしょう。
コロナに効くと謳うサプリが出てきたり、怪しい一面があるのもまた事実の業界ですが、注目が高まっていることは間違いなさそうです。
9.スーパーマーケット/ドラッグストア
日頃、自分が飲んでいるサプリや、習慣的に食べているものが健康に良いと実感していた人は、家族や友人のためにも購入したり、いつもより多く買うこともあるでしょう。
結果、コロナ特需が生まれ、サプリを生産している会社だけでなく、それらを販売しているドラッグストアもまた活気を呈していくことになります。
今、スーパーマーケットなどは時短営業をしているところが多いですが、人々がいつもより若干多く買いだめをする傾向があります。
百貨店が大きく売上げを落とす一方で、スーパーやドラッグストアは、しばらく好景気が続くでしょう。
10.クリーニング業界
ハウスクリーニングよりも、ビル清掃というイメージです。
厳しい作業、リスクもあるので、決して魅力的な業界とは言えませんが、今回のコロナにおいて清掃や消毒の需要は伸びています。
2020/06/23付の日本経済新聞・地方経済面・関西経済10面にも「アートコーポレーション、入居前に新居除菌」という記事が掲載されていました。記事によると、利用者の入居前に新居を除菌するサービスを始めたのだそうです。
安心につながるクリーニングには、確かに需要がありそうです。その作業する現場を仕切る企業、人材を派遣する企業はもちろんのこと、その溶剤や用具などを準備する関連業界も活気づきますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 他にもたくさんありますが、代表的な「コロナ不況に今後も強いビジネス10選」について、お伝えしました。
私たちができることは、これらの業界に直接参入すること、これらの業界に関わる関連事業をすること、そして、これらの業界で働く人々をサポートするビジネスを開発することです。
たとえばマッサージ店でも「医療関係者の皆さまありがとうコース」を準備するなど、少しの工夫でビジネスを活性化することができるはずです。
- 私たちは、出かけなくなりました。
- 私たちは、お金を使う機会が減りました。
- 私たちは、お店の人とも触れ合うことがなくなりました。
これからもしばらくの間、お金の使い方は変わったままです。私たちが立ち上げる小さな起業、ビジネスでも、今の流れに逆らうことはできず、変化していかなければなりません。
カラオケ店でさえ、今はテレワークのためのレンタルスペースと化しています。既存のビジネスモデルにこだわり過ぎず、軸足を維持したままもう一方の足をずらす、時に軸足も少し動かしてみるなど、チャレンジをしていきましょう!
追記(2021/07/18):起業18会員意識調査・アンケート結果
以下は、2021/07/18の勉強会にご参加いただきました起業18会員さん(n=45)に「2021年後半~2022年にかけて流行ると思うビジネス」についてご意見をいただいた生のお声です。(原文ママ)
調査方法:会場調査/ネットアンケート調査
調査人数:会場参加者14名・オンラインイン参加者31名
調査対象:20代~60代会社員
質問:2021年後半~2022年にかけて流行ると思うビジネスは何ですか?
- おうち時間を楽しめる事業
- 遠方の家族とのコミュニケーションを支援するビジネス
- 投資を学ぶ
- 脱炭素型のグッズ,支援サービス
- 会うこと自体が価値のあるビジネス(感染リスクも抑えて)
- 地球温暖化系
- よりりあるな会議(5G?6G活用)
- デジタル画像をNFTで原本登録し、特定の人のために販売するという方法が流行ると思います
- お金に関すること
- 親子で楽しめるPC教室
- バーチャル体験
- 自己理解
- 自然災害の予測、対策ビジネス
- 私の周りでは安心を求めて、人と繋がりたい人が多いので、手段は様々だと思いますが集まる場所は需要があると思います。
- 仕事以外で、話せる機会
- オンラインで子ども×プログラミング教室・イベント
- 旅行に行った気分になるようなサービス
- バラバラですが、希望的観測も含め、焼肉、電子出版、キャンピングカー、国内旅行
- 災害時の対応 いろは
- オンラインで何かを教える教室の作り方ビジネス
- キャンピングカーカスタム事業
- キャンプ系がより盛んになるのでは
- 海外の本番の味が楽しめる料理
- 会社からの収入に頼らない収入の作り方講座のようなもの
- 大家業(築古活用)
- ハンドメイドの売り方講座
- 不労収入を増やす高配当株や外国株、怪しげな案件の紹介など
- ベランピング(一人キャンプのシェア)
- 一人でも、少人数でも楽しめる
- ながら聴きコンテンツ
- 好きな分野に投資できる金融商品
- ストップをかけるまで出てくる飲食店(がっちりマンデー出てたやつ)
- 失業や就職に関する相談業務
- 飲食店が閉ざした後をリノベーションする業務
- ダイエット
- 旅行関連
- インバウンド再燃
- 老後の活動楽しみ方
- 友人とオンライン融合型の大規模なフェスイベント(特に屋外)
- 旅行
- カラオケ
- ファッション系の巻き返し
- 飲食系(ワクチン後)
- SDGsの低価格帯ライン
- 異業種技術のコラボ
- コーヒーお家喫茶店
- オンラインの活用の仕方を教えるビジネス
- オンラインセミナーの作り方を教えるビジネス
- ズームの活用方法苦手な人に教えるサービス
- 50代向けビジネス
- ラジコン
- モーターボート
- 潜水艦
- 看護師のメンタルケア
- コンビニ袋を紙袋に変える技術
- SWITCH の桃鉄の先生
- 大谷翔平のビデオビジネス
- ワクチン接種後人が移動するので、withコロナの旅行向けグッズが流行ると思う
- 個人間での輸出入
- コロナでの移動が制限されているため
- オンラインサロン
- セルフエステ
- オンラインセミナー
- まだ寒くなってもコロナが終わらないので通信系のサービスが流行る
- 外で飲めるサービス
- キャンプ
- 釣り
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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