思い立ってから起業までの簡単5ステップと具体的な方法を解説

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

家を建てる時には設計図、絵を描く時には下描きがあると、仕上がりが良くなります。

起業をする場合もそれは同じで、あらかじめ全体像を把握しておくことが成功へのカギとなります!
 

資金
 

実際に起業が成功するかしないかは起業家次第ではありますが、あらかじめ全体像を把握しておくことで、無駄な不安やトラブルを回避することができますよ。

今回は、起業をする際の5つの手順についてご説明したいと思います。
 

ポイント 思い立ってから起業するまでの5ステップ

失敗しない起業方法

目標
 

起業を考えている方の中には、既にやりたい事があるという方、なんとなく起業に憧れる方など、いろんな状況の方がいらっしゃるかと思います。どのタイプであっても、思い立ってから起業するまでのステップはほぼ同じです。

  1. まず自分が起業をして最終的にどうしたいのか、どうなりたいのかという目的を明確にする。
  2. その目的を達成するには何をどうするのかというビジネスプランを立てる。
  3. 適切な方法で必要な資金を調達する。
  4. 起業方法に応じて適切な手続きをする。
  5. 実際にはじめてみる。

思い立ってから起業するまでたったの5段階。起業にたどり着くまでのハードルって意外と少ないと思いませんか?

拙著や先日の記事でもお伝えしましたが、起業は本来リスクも高く、失敗する可能性も高いものです。だからこそ、成功を狙うというよりも失敗しないことを意識して、なるべく小さな労力で、この5つのステップを確実に踏んでいきましょう。
 

1.目的を明確にする

起業をするために、まず最初にすべきことは、起業する目的や最終目標を明確にすることです。ただし、ここでその目的や最終目標が「起業して大金持ちになりたい」「社長になって人を動かしたい」といった自分本位なもの、はっきりとした軸が定まっていないものの場合は要注意です。

確かに「収入をもっと増やしたい」「時間に縛られず自由に働きたい」という想いを持つことはごく自然なことであり、多くの人が願っていることではあります。しかし、この後ご紹介する資金調達というステップにおいて「大金持ちになりたい」「社長になりたい」という自分本位な目的だけで投資家から資金を調達することはまず無理です。

それに、起業をすると思いもよらない問題に直面することもあり、試行錯誤を繰り返していくことになります。そのため、漠然とした目標や目的では、問題に振り回され「自分は何をやっているのだろう」と、ゴールを見失ってしまうのです。

小さくても構いません。小さくても自分らしく、自分以外の人、例えばあなたの家族や大切な人が幸せになれるような、自分にとって大切なものを守ることができるような、そんな目的・目標を決めましょう。
 

2.ビジネスプランを立てる

目標や目的が決まったら、それを達成するためにはどうすれば良いのか、どんな業種で起業するのかといった具体的なビジネスプランを立てます。あらかじめ好きなことや得意なことがある人は、すでに同じジャンルで起業している人や、似たようなジャンルで経営されている事業を参考にすると良いでしょう。

そうでない人は、自分がよく利用しているサービスや、不便に思っていることなどを参考に「もっとこうすれば利益が出るのでは」「こっちの方法の方が喜ばれるのでは」といった隙間産業を探してみましょう。

アイデアが浮かびあがったら、次は具体的なビジネスの構成を考えてみましょう。この時、以下のような「ビジネスモデルキャンバス」と呼ばれるフレームワークなどを利用するのも、多角的にビジネスを捉えることができおすすめです。
 

ビジネスモデルキャンバスの9つの要素

  1. 顧客セグメント・・・対象とする顧客、ターゲット
  2. 顧客関係・・・リピーターを狙うのか、接客応対はあるのかなどの顧客との関係
  3. 提供価値・・・顧客にはどんな利益があるのか、顧客はどんな価値を見出すのか
  4. チャネル・・・例えばネットショップや店舗など、何を使ってサービスを提供するのか
  5. 収入構造・・・どのようにして利益が発生するのか
  6. 費用構造・・・経営をする上でどのようなコストが発生するのか
  7. 業務活動・・・具体的にどのようなことをするのかといった事業活動の内容
  8. 経営資源・・・人、モノ、知的財産、財務といった事業を行なう上で必要な資源
  9. 提携先・・・アウトソーシングする業務や、製造工場、販売する店といったパートナー
3.資金を調達する

ビジネスプランを立てたあとは、事業に必要な資金を調達します。資金というと大金をイメージされる方も多いと思いますが、何も会社を退職して退職金を元手にするような必要はありません。

これまでにもお伝えしてきたとおり、起業はリスクが高いものであり、最初から直感だけで大金を投資することは危険です。まずは今の仕事を続けながらで構いませんので、なるべく小さな資金からはじめましょう。

もし独立を考えるのであれば、事業資金以外に最低でも1年分の生活費は必要です。

なお、一番理想的なのは当面の生活費を差し引いた残りの自己資金で資金を賄えることですが、どうしても自己資金がない場合、資金の調達方法としては、次のような方法があります。

  • 補助金を利用する

    国や各自治体では起業を支援するための補助金制度を設けています。自治体によって支援内容は異なりますが、基本的には会社を設立した後に資金を受け取ることになりますので、設立資金は他の方法であらかじめ用意しておく必要があります。

  • 金融機関から融資を受ける

    自治体からあっせんを受け、銀行や信用金庫などから融資を受ける低金利の「制度融資」や、起業家を支援する日本政策金融公庫と言われる金融機関、民間の金融機関から融資を受ける方法などがあります。借入期間や借入利率などは金融機関によって異なるため、慎重に検討しましょう。

  • クラウドファンディングをする

    クラウドファンディングは、資金が必要な理由や事業内容についてインターネットを通じてPRし、不特定多数の人から出資をしてもらう方法です。芸能人なども行っていることから、ここ数年で日本でも話題にのぼることが多くなっています。

どんなビジネスをするのかによって必要な資金は違いますので、必要に応じて自己資金のみで行なうのか、融資などを受けるのかといった選択をすると良いでしょう。
 

4.手続きをする

資金調達ができたら、起業に向けて本格的に手続きをはじめます。どのようなタイプで事業を行うかによっても手続きの方法が違ってきます。

例えば個人事業主の場合は、開業から1ヵ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出する必要があります。費用はかかりませんが、会社を設立する場合は会社のあり方を示した定款の作成や、各種必要書類の準備、法務局での設立登記、関係官庁への届け出など、様々な手続きを行う必要があります。
 

● 質問開業届はどのタイミングで出すのが良いですか? まずやってしまおうと言われますが、帳簿とか付けるのは面倒なのですが。。  ● 回答「個人事業の開業届」は「事業をして所得を得ている者として今後は確定申告します」と税務署に宣言するための書類です。開業届を出すこと自体は、事業活動そのものには何の影響もありません。会社員として問題があるとすれば、サラリーマンを辞めた時の失業保険です。開業届を出すメリットとデメリットと併せて、以下の記事をご覧ください。  開業届を出していない場合で、事業と言えるような...

 

5.はじめてみる

必要な手続きが完了したら、いよいよ事業スタートです。何が足りないのか、どうすればもっと結果を出せるのかを知るためには、最低でも18ヵ月、とにかくやってみることをおすすめします。最初から成功を目指すのではなく、まずは失敗しないことを心がけることが重要です。

また、開業した場合には、確定申告は事業形態に関わらず年に一度行う必要がありますので、必ず忘れないようにしましょう。
 

ポイント 大切なのは生き残ること!

失敗しない起業方法

20代
 

ここまで起業をするための手順についてご説明してきましたが、準備期間は長ければ長いほど良いというわけではなく、反対に短いから駄目というわけでもありません。

とにかく大切なのは起業をしたあとに生き残ることです。

気負わず、まずは小さな一歩から踏み出してみましょう!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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