30代で起業するときの注意点|有利な点と不利な点を把握しよう

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

30代は、気力も体力も十分で、まさに、社会の中心にいる人たちです。起業するために必要な経験も積み、あとは覚悟だけという年代ですね。
 

スタートライン
 

ポイント 30代前半で迎える、社会人10年目の現実

30代で起業するときの注意点

仲間
 

たとえば高卒ならば、18歳から入社したとして、20代後半ですでに10年目。昇給や昇格のチャンスも巡ってきているころでしょう。大卒であれば少なくとも22歳~24歳で入社していますから、30代前半で10年目、同じ会社にいたとすれば、主任や課長代理などの立場になれる組織も多いはずです。

年収では、国税庁の民間給与実態統計調査(令和元年分)によると、30~34歳の平均給与は男性470万円、女性321万円となっています。ざっくり言えば、10年目で410万円くらいがひとつの目安になるのでしょう。
 
年齢階層別の平均給与

出典:国税庁 長官官房 企画課「令和元年分 民間給与実態統計調査」(PDF23ページ)
 

ポイント 30代の創業者が日本には多い理由

30代で起業するときの注意点

起業
 

日本では、学生起業はまだ少数派で、会社員になって社会経験を積んでから起業する人が圧倒的に多いです。実際、30代よりも、20代で起業する方が有利と私自身は思うのですが、一般論として20代はまだ貯金も少なく、ビジネスも経験が少ないために、起業がイメージできない方は多いと思います。

私も23歳で最初の小さなビジネスをスタートし、いろいろと苦労した経験があります。ですが、当時の私も会社を完全に辞める勇気は持てなかったです。30代になって少しずつ、もう大丈夫かなと思うようになってきましたが、結局長いこと会社員生活を引っ張ってしまいました。

私の経験からも、もし、20代から会社員のまま起業準備を進めることができれば、ビジネスについてかなりの経験を積むことができますので、30代で起業する際に有利に働くと思います。

もちろん、30代になってから始めても遅くありません。ぜひ、一日も早く、会社員のままで、起業準備をスタートしていただきたいです。リスクはほとんどありません。
 

ポイント 個人的に30代にやってきたこと

30代で起業するときの注意点

ビジネスモデル
 

個人的には、20~30代前半で、会社員を続けながら朝晩30分の実務でビジネスの確立に挑戦してきたこと、その時のマーケティングのスキルが今も役に立っています。私の場合は、そこからITの勉強を始めて、DRM、ネット集客やSEOのビジネスへと発展していきました。

そうした経験は、やはり財産となっています。当時は副業ではありましたが、その分、毎日の時間が取れないため、真剣に、いかに短時間でお客様へのサービス、そしてもちろん自身のビジネスの顧客開拓を行うかが課題でした。

朝晩30分で情報発信やサービス提供を行い、そのためにメール文章の書き方やステップメールの開発、SEOなどの様々な技術を身につけていきました。そのおかげで、独立した際には非常にスムーズに仕事を獲得できるようになっていました。
 

ポイント 30代での起業で有利な面

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スタートライン
 

まず最初に「会社員」の長い経験があること。そして、中間管理職や従業員としての立場、上下関係などを通じ、人間性が磨かれている点でしょう。仕事仲間と協力関係を築き、我慢することも経験できたことは、この先の起業家人生でも、きっと役に立つことがあると思います。

一方でこうした経験が皆無で、アルバイトや非正規雇用で30代を過ぎた場合、末端の作業やルーチンワークだけの経験しかないといったような状況になることもあり得ます。

そのような場合、派遣会社を変えるなどして、少しでも社員と近い仕事ができるようにしておくといいですね。短期間でも構いません。せっかく会社にいるのですから、経験しておきましょう!
 

マメ知識:

2021年4月時点における女性社長の割合は、前年比0.1ポイント増の8.1%となった。2年ぶりに上昇し、過去最高を更新した

帝国データバンク「全国「女性社長」分析調査(2021年)」 より引用

 

ポイント 要注意なのは、創業から何年目で軌道に乗るかどうか?

30代で起業するときの注意点

スタートライン
 

30代で起業した場合は、当たり前ですが、5年後は35歳以上、10年も経つとすでに立派な中年です。仮に事業が収益性のある軌道に乗った状態が創業から5年後だったとしましょう。そこで子供が生まれていた場合、その子が成人するのは20年後です。大学卒まで面倒を見るなら、35歳で起業して5年後で子供が生まれたとして55歳で成人です。20年の事業継続の中で、従業員と家庭の面倒をみていく覚悟が必要になるのです。

ですので、より負担を小さくするのならば、一人型起業をお勧めするわけですが、その場合は老後の心配があります。当然、個人事業で起業したら、厚生年金は上積みできません。30代のうちから国民年金基金や小規模企業共済などで、しっかりと厚生年金の代わりに備えておきましょう。

60歳を過ぎても働けばいいやなんて考えず、その時には確実に能力は後退していることを想定し、今から備えておきましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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