マネーの虎で2,270万円調達に成功! 井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

今回は、マネーの虎「番組史上最高額調達」の神回のひとつである、井出らっきょさんの野球塾開校プロジェクトについてのお話です。
 

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結論から言うと、井出らっきょさんは経営経験ゼロながら、「人脈」という最強の武器を持参し、元プロ野球選手という圧倒的な価値提供により、虎たちの心を動かして2,270万円の調達に成功しました。これは起業において「自分にしかできない価値」の重要性を示す、まさに教科書のような事例です。
 

ポイント 番組「マネーの虎」とは?

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

ビジネスプラン
 
皆様は「マネーの虎」というテレビ番組をご存じでしょうか? マネーの虎は、起業したい人が投資家の前で事業計画をプレゼンし「マネー成立」となれば希望額を出資してもらえるという、2001年から2004年まで日本テレビで放送された人気番組です。

今回の虎たちの顔ぶれは、こんな感じでした。

<虎のプロフィール(当時)>
  • 堀之内九一郎(56歳当時)年商102億
    元ホームレスのリサイクルショップ社長
  • 南原竜樹(43歳当時)年商55億
    日本を代表する高級輸入車ディーラー
  • 小林敬(46歳当時)年商65億
    創作料理店を全国にフランチャイズ展開
  • 岩井良明(43歳当時)年商12億
    全国で躍進する名門学習塾
  • 高橋がなり(45歳当時)年商78億
    アダルトビデオのトップメーカー

そして、特別ゲストとして元プロ野球選手の秦真司さんも登場。この布陣を見ただけで、何かただならぬ雰囲気が…!

ちなみに、、この放送回には出演されていませんが、2025年の参院選で維新から出馬された南原会長です。虎ノ門・株式会社LUFTホールディングス事務所にて、パチリ。

南原竜樹
 

ポイント 井出らっきょって何者?

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

井出らっきょ
 
「たけし軍団」のメンバーとして知られる井出らっきょさん。実は、芸能界きってのスポーツマンなんです。

驚くべきその身体能力は…

  • 50メートルを5.8秒で走る瞬足(これ、もはや化け物レベル)
  • 某プロ野球球団の入団テストに合格した実績
  • 軟式野球で4度も日本一に輝いた実力者

うーん、これは確かに説得力がありますね! 5歳から野球を始めて、当時45歳。なんと当時すでに40年間も野球を続けてきた筋金入りの野球人なのです。

井出らっきょ:頭の中は1個のギャグより1本のヒット

…なんて、芸人さんらしからぬ名言も飛び出します(笑)
 

ポイント 2,270万円の使い道は「室内野球塾」

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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井出らっきょさんが虎たちに提案したのは、子どもたちの野球環境を変える革新的アイデア。室内練習場を使った野球塾の開校でした。
 

事業コンセプト
  • 対象:小学生・中学生
  • 規模:200坪の室内練習場
  • 設備:ピッチングマシン4台
  • 頻度:週1回、1日2時間
  • 料金:月額15,000円
  • 目標生徒数:400人

ポイント なぜこの事業なのか?

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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らっきょさんが語る現実は、なかなか深刻でした。

井出らっきょ:「東京で言いますと小学校のチームが軟式野球で1500チームあります。中学に入ると100チームに減ってるんですよ。」

つまり、中学では3つの学校で1つのチームを作るという状況。練習も日曜日だけになってしまい、平日にもっと練習したい子どもたちの受け皿がない。

井出らっきょ:「だから平日やりたい生徒たちいっぱいいるわけですよ。」

うーん、確かにニーズはありそうです。でも、経営者としての経験は?

南原社長:「経営者としての経験とか能力っていうのは自分でどう思いますか?」

井出らっきょ:「僕は経験も何もありません。」

あれ? これは正直すぎる(汗)
 

ポイント 最強の切り札登場! 元プロ野球選手の人脈

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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経験不足を白状し、劣勢に立たされたらっきょさん。しかし、ここでとんでもない切り札を繰り出します。

井出らっきょ:「講師陣は元プロ野球選手を講師陣に揃えて教えたいなと思ってます。」

そして取り出したのは、元プロ野球選手のリスト!

  • 元ヤクルトの秦真司
  • 広島の4番小早川毅彦
  • エース川口和久

などなど、昭和生まれの私が見ると今でもワクワクする名プレイヤーがズラリと名を連ねていました。

この瞬間、スタジオの空気が一変! 虎たちの目の色が変わりました。

井出らっきょ:「もしもっと先生が欲しいって言うんだったらプロOB会の方にも頼みますよ。」

ポイント 事業計画書が招いた「未経験故の悲劇」

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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しかし、事業計画書の詳細を聞かれると、経営未経験者ならではの「数字の甘さ」が露呈してしまいます…。
 

200坪に400人は入るのか?
井出らっきょ:「ピッチングマシンを4台導入して練習をさせようかなと思ってます。」

南原社長:「すごいシンプルな質問なんですけど400の生徒数ってその倉庫で、1つの倉庫で入りきるんですか?」

井出らっきょ:「いやいっぺんにはもちろん… 34-5人プラス。」

小林社長:「どのくらいの大きさの規模なんですか?」

井出らっきょ:「えっと、一応土地倉庫は200坪ぐらいの。」

小林社長:「200坪ぐらいの規模でマシンが4台あって約40人ぐらいの生徒と、え、先生1人じゃないですよね?」

井出らっきょ:「1人じゃありません。」

なんだか怪しくなってきました…(汗)さらに追い打ちをかける質問が。

小林社長:「父兄から見ると満足いくような教育がなされてるような環境なんですか? その200坪に40人ぐらい入れれるっていうのは?」

井出らっきょ:「いっぺんにやるんじゃなくて分けますから。」

岩井社長:「でも200坪に35人は入らないでしょう。あの元プロだからって言って、それだけの大人数を一度に指導することって本当にできるんですかね?」

井出らっきょ:「できます。」

うーん、なんだか説得力に欠けてきました…。
 

ポイント 月額15,000円は高い? 安い?

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そして、料金設定についても熱い議論が始まります。
 

らっきょさんの料金設定
岩井社長:「この1万5,000円という月謝は、井手さんとしてはあの高いとも安いともわずにm適正だという風に判断をしてるんですか?

普通のいわゆるそのクラブチームの場合の月謝っていくらぐらいかご存知ですか?」

井出らっきょ:「え、多分4万ぐらいじゃないですか? 3、4万だと思います。」

岩井社長:「いや5、6,000円でしょ。

えっ! らっきょさんの予想と全然違う…! 実体験を持つ岩井社長からの厳しい指摘です。

岩井社長:「うちクラブチーム持ってるんですよ。あのモノリスベースボールクラブっていうんですけれども。名古屋にありまして。うちは1万円ぐらいもらってますけど、めちゃくちゃ高いて言われてます。」

実際にクラブチームを経営している虎からの生の声です。これは痛い…。
 

決定的な指摘
岩井社長:「1万5,000円出してプロに教えてもらえることに価値を見出して通ってくる人たちが、グループ指導でしかも短い時間しか直接話ができないっていうところに満足感を得るのかどうかということですよ。」

これは…確かに核心を突いた指摘ですね。プロに教えてもらえる価値はあっても、実際の指導時間や質を考えると、果たして保護者が満足するのか? という根本的な疑問が浮上しました。
 

ポイント 実技披露で完全に虎たちのハートを掴む

百聞は一見にしかず!プロの技術指導

そして、ここからがこの回の最大の見どころ。プロの指導を実際に見て欲しいとらっきょさんが言うと、なんと、秦真司さんがスタジオに登場。実際にプロよる指導の実演が始まります。
 

子どもたちの「よくある悪いクセ」

虎の一人、高橋がなりさんにバットを振ってもらうと…

秦真司:「子どもたちもこんなスイングが多いんですね。手だけのスイングなんですね。手が振って、腰が回って、足がついてきてるって感じなんですね。」

あー、確かに素人っぽい振り方でした(笑)
 

プロが教える「正しい体の使い方」
秦真司:「足の親指のところにある母趾球って言うところに、とにかくまず自分の力を全部貯めるんです。」

そして秦さんの美しいスイング!

これは圧巻でした。プロの技術を目の前で見せられて、虎たちも納得せざるを得ない…。

井出らっきょ:「だからやっぱり、野球の楽しさってのはまず教えてやりたいんです。」

南原社長が、「このビジネスの中心は秦さんであるべきだ」と主張するも、吉田栄作さんが井出らっきょさんも野球では十分に説得力があると助け舟を出します。栄作さんは毎回いい仕事をします。
 

ポイント 虎たちの懸念ポイント

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

しかし、ビジネスとして考えると課題も。
 

堀之内社長の指摘
堀之内社長:「どうもビジネスじゃないんですよね。なんかこうぼやけてるんですよね。」

確かに、講師の契約関係など、ビジネスとしての仕組みが曖昧な部分がありました。

堀之内社長:「例えば秦さんの名前を使って秦選手を教えますよって契約をしました。途中で秦選手ができなくなりました。これ契約違反ですからね。」

うーん、これは確かに重要な指摘です。でも…

南原社長:「この1つの会社を経営していく能力っていうのがどれぐらいあるかっていうのが…」

小林社長が遮ります。

小林社長:「あの、答えはもう出てると思うんですけど。」

虎たちの心は動いていました。
 

ポイント 2,270万円調達成功の瞬間!

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マネーが動きます。
 

小林社長:270万円
岩井社長:「みんなで夢を買いませんか?」

という岩井社長からの名言と共に、小林社長が270万円を提示。飲食の虎が、野球塾にマネーを投じます。
 

岩井社長:1,000万円

次いで岩井社長が1,000万円!
 

高橋がなり社長:1,000万円

そして、ソフト・オン・デマンド創業者で、女子格闘道場などを経営する高橋がなりさんが1000万円を提示!

合計2,270万円! 見事にマネー成立です!

井出らっきょ:「全く僕その経営に関して素人なんでの社長さんたちの良きアドバイスをいただいてきちっとした会社を作ってから、それからスタートしたいと思います。」

ポイント 成功の要因分析

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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  • 圧倒的な専門性と実績
    40年間の野球経験と軟式野球4度の日本一という実績は、誰も否定できない価値でした。
  • 他にはない人脈
    元プロ野球選手との関係性は、らっきょさんにしか提供できない独自の価値です。
  • 明確な社会課題の解決
    子どもたちの野球離れという現実的な問題に対する解決策を提示していました。
  • 実技による説得力
    秦真司さんの実演は、百聞は一見にしかずを体現した最高のプレゼンでした。

ポイント 現代の起業家への学び

「自分にしかできないこと」を武器にせよ

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この事例から学べることは、「自分にしかできないこと」を武器にすることの重要性です。

らっきょさんは経営経験こそありませんでしたが、長年培った野球の技術と知識、元プロ野球選手との人脈、子どもたちへの指導への情熱という、他の人には真似できない武器を持っていました。

現代でも、AIやテクノロジーが発達する中で、「人にしかできない価値」は、ますます重要になってきています。

あなたの持っている経験や人脈、情熱は何ですか? それを事業に活かす方法はありませんか?

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ポイント まとめ

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

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井出らっきょさんの野球塾プロジェクトは、「経験不足を独自の価値で補う」という起業の王道を示してくれました。

虎たちが最終的に投資を決めたのは、事業計画の完璧さではなく、らっきょさんの持つ「他にはない価値」だったのです。

これから起業を目指すあなたも、まずは自分だけの武器を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか?

きっと、あなたにしかできない事業のヒントが見つかるはずです!
 

ポイント ちなみに…

井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業

井手らっきょさんは現在、熊本でカラオケスナック『らっきょの小部屋II』を経営されています。

必ず店長(らっきょさん)がお店に居りますとInstagramに書いてあります。当時の思い出話も聞かせてくださいますかね^^


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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