記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
起業をしたいという思いは強いのですが、かつて親の経営していた食堂が倒産したことがあるため、怖くて一歩踏み出せません。
当時は子供でしたが、倒産したらどうなるかの悲惨さを知っていますし、このブロックは取れるものでしょうか?
● 回答
私個人は倒産の経験はないのですが、友人などに訊くと、店やオフィスを訪問しただけで、なんとなく「もう無理だろう」とか、受注していても「そろそろやばい」と気が付くようになるといいますね。
従業員がそう思うわけですから、経営者は本当にそうである場合、とっくに気付いているということになります(なるはず)。
倒産しそうな場合、最初に何が起こると思いますか?
まず「暇」ですね。やっぱり、業績不振が一番大きな理由になります。収益が低くても営業が活発なら、まだリストラなどの手を打ち、人員削減を行えば乗り切ることもできます。しかし、売上が落ちる、新規顧客が来なくなる、店が暇になるなどの悪循環がスタートすると怪しくなってきます。
次に起こることは何でしょうか?
これも非常に単純です。ここまでに会社は、あらゆるコストを下げています。そして、次第に、商品開発力下がってきます。そこに投資できないからです。
弱っている会社は、新しい商品を開発したり、サービス生み出すことができなくなります。やがて「どこにでもあるもの」がたくさん残るようになります。
そうなればどうなるか、想像つきますよね。どこにでもあるものを売る会社は、次第に価格だけで選ばれるようになり、顧客は最後にはその会社を選ばなくなります。
大体これが倒産に至る多くの会社の流れです。
倒産する会社の特徴
これはもう、お店なら行けばすぐわかります。
店内が暗かったり、商品棚に隙間が多かったり、売り子の姿が店内になかったり。。「暇」を無駄に過ごしている場合などは、数年で経営はダメになりますね。
コンビニのように接客が根本的にない業態の場合でも「幟を変えない」「商品を入れ替えたり、配置を変えない」など、売る努力をしなければ、どんなに立地条件がよくても減収します。傾き始めている会社は、新しいことを積極的にしません。
また、中の従業員は運命共同体としてある意味で仲良しになったり、逆に、急にお互いにドライになったりします。ドライなタイプの人は「余計なことはしたくない」と考えますから、当然「できるだけ楽をして給与を」と考えるようになります。
勤務時間中に転職活動を始めることもちらほら。暇でも労働は基本的には時間給ですからね。
倒産した経営者はどうなるの?
それまで融資を受けていた経営者の場合は、様々なことを行います。
まず株式ならば、配当を出来る限りゼロにし、紙切れ同然にするでしょう。債務を減らすために、持てる私財を売り払います。
それでもダメなら、月末に合わせて社員に対し自主退社を促し、時には「退社理由を解雇にしてもかまわない」と社員に告げ、会社のできる力、能力を落とし、経営者自身が営業や販売に参加するようになります。
債務が一応ひと段落して、自分の資本がほとんど無くなる、あるいは事業を続ける設備や人材を雇用する準備金がなくなれば、会社は倒産です。
商社や販売店であれば、メーカーは在庫をすべて引き上げ、決算して請求書を出すでしょう。大きな会社であれな、投資家は社債を現金に換えますから、膨大な請求と支出がやってきます。
お店であれば、買い入れて決済が済んだものは、何でも安売りしてでも現金化するでしょう。中には自分の持ち家を売り払い、賃貸物件に住む経営者もいますね。
ですから、多くの経営者は自分でも自社株を保有し、倒産後でも自分の暮らしだけは確保しようと準備はしています。外資で別口座を作るケースもあるようですね。
悲しいことに倒産で自殺する経営者もいます。債務がどうしても返せず消費者金融を利用したとか、すべての私財を売っても働いても返せないのか、社会的な責任を感じてるのか、、
どんな理由にしましても、そんな悲劇的な結末は避けなくてはなりませんし、仮にそうなってしまったとしても、命を断つようなことはあってはいけません。
倒産させてしまう経営者の特徴
事業収入と自分の報酬を切り分けず「個人のお金」と「会社のお金」の境目がいい加減な経営者は危ないと言われています。
また「景気が悪いから物が売れない」という考え方は間違いです。需要が変わっただけです。
商店街が潰ても、大型ショッピングモールが出店すれば大きな収益が上がります。つまり「消費の仕方」が効率よいところに移ったということです。ネット通販の需要が高まり続けていることも、商店街の景気が悪いからではありません。
そのような世の中の流れをつかめない、変化できない経営者は危ないです。
環境に応じてやり方を柔軟に変え、労働を効率化し、商品の内容やサービスを他者と違うものに発展させれば、会社は生き残ります。市場に自分を合わせていく柔軟性を大事にし、効率化を追求していけば、恐れることはありません。
起業することは簡単で、誰にでもできます。ですが、倒産、廃業をせず生き残ることが一番大切なのは言うまでもありません。
そのために、起業18では、しっかりとビジネスを軌道に乗せるために、会社を辞める前に十分に練習、実践を繰り返し、安定できるところまでお手伝いしているのです。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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