女性の独立は決して簡単ではない! 参考にしたい実際の8つの起業アイデア

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

年々、女性の起業家が増えています。かつては女性が起業する業種は限られていましたが、今は可能性が無限に広がっています。
 

営業活動
 

今回は、女性ならではの発想で成功を納めた、8人の女性起業家を紹介します。
 

ポイント 成功を納めた8人の女性起業家

女性ならではの起業アイデア

30代
 

1.来店できない女性にトータルビューティをサービスする訪問美容

東京都内で訪問美容サービスを行うある企業は、40代の女性社長のもと、病気や怪我などの理由で美容室に行けない人への出張美容サービスを提供しています。

所属スタイリストは、全員、介護職の国家資格を取得しており、車椅子やベッドから起き上がれない方にも家庭で安心して施術を受けてもらえる技術を持っています。

福祉の現場を中心に、訪問サービスによるヘアカットなどは既に行われていますが、この企業のサービスは福祉的な必要性プラスαのコンセプトがあります。

ひとつは、女性が美容室に行ってサービスを受けるときの満足感、自分が美しくなっていくことを楽しむ充実感を全ての女性にいつまでも体験してほしいこと。もうひとつは、結婚子育てなどで一度職を離れてしまった潜在的な美容師の再就職を応援することです。
 

訪問美容
 

社長自身がかつて美容師を志した背景や、数年に渡り経験した闘病生活を、女性ならではの感性でフィードバックした経営方針が話題を呼び、さらにマスコミにも紹介され、やがて東京都のワーク・ライフ・バランス認定企業として評価されるまでになりました。

美容業は昔から女性が資格を生かして独立しやすい分野ですが、最近では美容師だけでなく、ネイルやまつげパーマなどの新規の美容分野の技術を持つ女性も増えています。サロンに就職したり店舗を開業しなくても、持ち運べるキットを活用した出張サービスや、自宅の一室で施術を行うケースも増えています。

このような出張サービス、自宅での小規模な施術は、子どもを置いて外出できない子育て中の女性などのニーズに柔軟に対応できるのが強みです。
 

2.iPhone の話題アプリになった「ご近所助け合い」サービス

少子高齢化が進んだ都会では、老人夫婦二人暮らしで、電球が切れてしまっても危なくて取り替えることができない、共稼ぎ夫婦で、昼間の時間は家に居られないため庭の草むしりができないなどといった、昔であれば隣近所で何とかなった問題が深刻な困りごとになっています。

しかし一方で、リタイアしたシニアや子育てが一段落した主婦など、就職するほどではないけれど空き時間でお小遣いが欲しい、という潜在的な労働力が活かしきれていないのも事実です。

そこで、このような規模の小さな「お手伝い」レベルでのマッチングを思いついたのが、保険会社で地域の顧客の生の声に接していた、ある20代の女性です。
 

コミュニティ
 

彼女は元々、開発途上国で開発援助をする仕事を目指していましたが、社会人として働いていく中で、身の回りの高齢化や都会の人間関係の希薄さを痛感。同時に、潜在的な労働力を資源として生かせないものかと悩んだ末に、それらの社会的な問題を一挙に解決することを思いつきました。

保険の営業で顧客との対話を重ねてニーズを掘り起こす点は、昔ながらのセールス・レディの基本姿勢ですが、それをアプリに展開したのは若い世代ならではの発想と言えるでしょう。
 

3.地方の有名無名の名産品を「女子目線」でおしゃれにプロデュース

ある大学で同級生だった女性2人は、大学3年の時に、栗の産地で有名な長野県小布施の「栗鹿の子」をバレンタイン用の商品としてプロデュース。商品は銀座の人気百貨店で完売し、一躍有名になりました。

彼女たちは大学卒業後、それぞれ就職して本職を持ちながらも事業を続け、その後も「地元の人だけが知っている秘密のおいしいモノ」をテーマにしたお菓子の詰め合わせボックスや「若者がほんとうにほしい一次産品」などをプロデュースしています。

この企業は、その後も自治体を巻き込んで活躍の場を広げています。
 

4.母の目線~自分や家族の健康から自然派志向の商品で起業した2つのケース

 

自然派食品
 

◆「自然派ママに寄り添う地球にやさしいお店」をスローガンにした自然派食品のオンラインショップ

4児の母でもあるこの企業の社長は、自身の体調不良や子どもたちのアレルギーを自然食で改善させた経験を生かして、自然食を扱うオンラインショップを始めました。この会社のポリシーは、人や自然にも優しい商品を開発するためには、会社自体がそのようでなければならない、という考え方です。

実際、この企業のスタッフは全員子育て中のママですが、労働形態は子育てと仕事を無理なく両立できるような仕組みになっています。そのため社員の満足度は非常に高く、モチベーションも高く維持できることから、会社の業績も成長を続けているそうです。
 

オーガニック食品
 

◆出産を機に食の大切さに気づき立ち上げたオーガニック食品会社

環境の汚染や、添加物、食の安全性が問題になっている今日、母親にとって、子どもの口に入る物の原材料は気になるところです。

「自分の子どもに食べさせたいかどうかを基準にして、母親の目線で食材を選びたい。でも、どこで何をか買えばいいのかわからない・・・。

それなら、自分で本当に安全なものを調達しようと起業した女性は、東南アジアからオーガニックの食材を輸入販売することで成功しています。

赤ちゃんをおぶってオーガニック原材料のお菓子を道で売り歩く事から始めた起業ですが、今では、有名百貨店をはじめ、全国に展開する店舗とオンラインショップで実績を上げています。

自分の目で確かめて、納得した確かな商品を販売し「子どものためには譲れない」という厳しい母親の目線が信頼された結果です。今は健康のためには高くても品質の良い商品を選ぶ意識の高い女性が増えています。

「自然志向」は起業の可能性の大きな分野といえるでしょう。
 

5.世界の女性と対等につながることを目指して起業

ある女性はタイを旅行中に、田舎の村できれいな布を織っている女性と出会いましたが、その布の原価はとても安く、仲買人を通すと現地にはほとんど利益が落ちないことを知りました。彼女は、このような実状をなんとかできないかと考えた末、タイの手工芸品を世界に紹介して生産者たちの生活を改善するプロジェクトを立ち上げたのです。

彼女の企業は、援助ではなく真に対等なビジネスパートナーとして生産者を尊重することをポリシーにしています。
 

6.「今の自分が好きなもの」にこだわって商品をプロデュース

「わたしがほしいものを事業の柱として据えています。」

これは、大学3年生の時に日本初のブリュレフレンチトースト専門店をオープンさせ、現在は更にドラフトコーヒーやシリアルなどの新商品も展開している女性起業家の言葉です。
 

フレンチトースト
 

彼女は、大学時代、オーストラリアでフレンチ料理の修行を経験。その時にフレンチトーストと出会い、帰国後自分なりのおいしいフレンチトーストにこだわって試行錯誤と試作を重ねました。

そして、日本初のブリュレフレンチトーストの専門店を出店。その後、実店舗が軌道に乗り始めた頃に再びドラフトコーヒーに出会い、これを日本で展開するため、試行錯誤の末に専用のサーバーを製品化、やがて飲食店に卸売をするようになりました。

さらに、現在は自分のライフステージの変化から、手軽に摂れるグラノーラのプロデュースも手がけています。
 

7.癒しニーズに応えたヒーリングとセラピー

昔から「医者も見放した病人が治った」というような知る人ぞ知る霊能者はあちこちにいて、今も昔もその需要は多いものです。そしてそんな霊能者には女性が多く、感受性と共感性の高い女性ならではの成功分野でした。

現在では、人間の心や霊的な部分が注目を集めていて、スピリチュアルな分野の人気も高まっています。

このような背景もあり、最近では、かつてのダークな雰囲気を払拭した、明るいイメージのヒーリングやセラピーのサロンを開業する女性も増えています。

ある臨床検査技師の女性は、長年の病院勤務から、人間の健康について、既存の医療だけでは癒やしきれないものがあると感じていました。そんな時に精油や植物、スパイス、香油を調合してパワーストーンの効果を加えた「メモリー・オイル」に出会ったのです。
 

スピリチュアル
 

すでに海外では需要のあったフィールドでしたので、専門家としての資格を取得し、主に女性向けのメモリー・オイルを使った個別セッションや、オリジナルブレンドのオイルの販売を始めて反響を呼びました。

現在では、写真撮影で女性の自信を取り戻すフォトセッションを中心に、メモリー・オイルのブレンド教室を開催しています。

その他にも、海外発のヒーリングやセラピーには、フラワーエッセンス、アロマオイル、それらを組み合わせたエネルギーワークなどがあり、これらは更にニーズが増えることが予想される分野です。
 

アロマオイル
 

以上、女性ならではのアイデアで独立起業した8つの例を紹介しました。

いずれも細やかな配慮を生かした発想、母親目線のニーズの発見、女性の「強さ」や「しなやかさ」が起業の原動力となっています。

社会進出がますます進み、女性が経済力を持つようになった今、今後も女性のニーズはますます多様化していくと思われます。今後、ここでご紹介したような女性目線のアイデアがますますたくさん生み出され、日本の社会はさらに活性化していくものと思います。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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