どんな業種が人気? 女性が独立起業しやすいおすすめの仕事4選

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

女性の社会進出に伴い、独立起業する人が増えてきました。

今年以降、しばらくはコロナで状況が変わる可能性はありますが、日本政策金融公庫総合研究所が実施した「2020年度新規開業実態調査」によると、女性開業者の割合は年々増加しており、1991年の調査以来、2020年では最多を記録しています。
 

開業者に占める女性の割合は21.4%である。女性の割合は増加傾向にあり、調査開始以来、最も高い割合となっている。

出典:日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」 (PDF4ページ)

 

全体で見ると女性の割合は21.4%とまだまだ低いものの、女性も独立開業しやすい環境が整ってきていることは間違いなさそうです。
 

20代
 

そこで今回は、女性が独立起業しやすい、おすすめの仕事を4つピックアップしてみました。

今の時代は、極力リスクを抑える、つまり固定費、人件費、設備投資などを抑えることが必須です。そんな柔軟性の高い起業ネタを意識しました。

もちろん自分でやりたいことが決まっていれば、初志貫徹するのが一番ですが「独立したいけどまだやりたいことが決まっていない」という女性は、ぜひ参考にしてみてください。
 

ポイント 女性の割合が高い「医療・福祉」「学習支援」「理容・美容」

女性が独立起業しやすい仕事4選

薬剤師
 

男女別の起業分野を見ると、女性の場合、医療・福祉や教育・学習支援業、理容・美容業などの割合が比較的高めになっています。平成28年の内閣府男女共同参画局「女性起業家を取り巻く現状について」でも、以下のような調査結果が発表されています。
 

女性は男性と比べ、子育てや介護等、生活のニーズに根ざした「生活関連サービス業、娯楽業」、また趣味や前職で特技等を活かした「教育、学習支援業」等の分野での起業が多い。

平成28年1月21日 内閣府男女共同参画局「女性起業家を取り巻く現状について」 より引用

 

以上のことを踏まえ、女性がスムーズに独立しやすい仕事を4つご紹介します。
 

カウンセラー

心に悩みや問題を抱えている人に対し、専門的な知識や技術を駆使して、相談や支援を行う職業です。

精神障害や心身症などの精神的疾患に対して予防や回復、援助することを目的とした臨床心理学を中心としたカウンセリングを行い、現代人が抱えるストレスや悩みを取り除くお手伝いをします。

ストレス社会と呼ばれる現代においてカウンセラーのニーズは年々高まっており、今後もその数は増えていくことが予想されています。

また、カウンセラーの割合は圧倒的に女性の方が多いようです。
 

臨床心理士や認定心理士は女性:約75%、男性:約25%と女性の割合は過半数を大きく超えています。「人の悩みを聞く」という仕事の特性から女性の方が得意意識があるため心理系の仕事は女性が多いのではと言われています。

日本福祉教育専門学校「女性が活躍できる精神保健福祉士の仕事」 より引用

 

これは男性に比べて、女性の方が感情の機微に敏感であること。女性のほうが警戒感を抱きにくく、色々なことを話しやすいといった面が反映されているのでしょう。さらに自宅開業という道もあり、店舗や病院を構えるよりローコストで済む点も、女性人気が高い理由の一つではないでしょうか。

以上の点からも、女性が参入しやすい業界と言えますが、臨床心理士資格の合格率は、昭和63年度以降50%を下回っておらず、毎年、多くのカウンセラーが生まれているため、独立開業する際は、その分、競争率も高く、クライアントを獲得するのは容易ではありません。(参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「「臨床心理士」資格取得者の推移」

自分の強みを生かし、しっかりとアピールしていくことも必要になります。
 

セラピスト
 

セラピスト

カウンセラー同様、問題を抱えている人に対して対話を行い、改善を促す職業のことです。

その性質上、カウンセラーと混同されることが多いのですが、患者さんの話に耳を傾けることを主としたカウンセリングに対し、セラピーは積極的に対話を行い、その症状に合わせて具体的な治療を実施するところが特徴となっています。

治療法は複数あるため、セラピストの名前もアロマセラピスト、スポーツセラピスト、フードセラピストなど多種多様。その分、カウンセラーより選択肢の幅が広いため、一人一人の個性や強みを仕事に生かしやすいというメリットがあります。

また、セラピーを利用するのは女性中心であることから、女性セラピストのニーズが高いというのも大きな利点と言えるでしょう。セラピストは国家資格ではないため、資格を取得する場合は、民間が実施している資格試験を受けることになりますが、難易度は取得する資格によってまちまちです。

人気のアロマセラピストともなると、合格率平均30~40%とやや低めなので、民間の資格といえどもしっかり勉強しないといけません。もちろん、資格を取得しただけでは集客につながりませんので、資格を看板に少しずつ新規開拓していくことが大切です。
 

カウンセラー
 

講師業

学生に対して勉強を教える塾講師のみならず、講師業は多岐に渡ります。ある程度のスキルと経験のある分野で、塾や教室を立ち上げる女性もたくさんいます。

講師業は、専門知識やコミュニケーション能力、人当たりの良さが求められるお仕事ですので、気配り上手な女性の方が向いているのかもしれません。生徒が女性の場合、女性講師の方が安心するという声が多いのも、女性講師の増加を後押しする要因の一つとなっています。

学習塾であれば、個人で立ち上げる他にも「武田塾」のような大手フランチャイズに加盟する方法もあります。起業経験がない人にとって、一から塾を立ち上げて経営していくというのは、かなりハードルが高いものですが、大手フランチャイズであれば、本部がバックアップしてくれますので安心です。(※フランチャイズに興味があるなら絶対にチェックしておきましょう ⇒ 「フランチャイズチャンネル」

武田塾のような大手なら知名度も高いため、ネームバリューだけで一定の集客を見込めるのも大きな魅力と言えるでしょう。(※武田塾に女性オーナーさんが加盟しているのかは不明です。)

FC塾参加の場合は、自分が講師になるよりも、経営(集客)に集中することになります。経営者としてそれなりの実力を求められるので、誰でも参加できるわけではありません。単に大手のバックアップがあるから・・・ということではなく、やるからには、決意、覚悟をもって参加しましょう。
 

受験
 

ネイリスト

ネイルアートから爪のお手入れまで、ネイルに関する様々な施術を行うお仕事です。海外セレブや芸能人によって一躍広まったネイルアートは、ブームが始まってしばらく経った現在もなお人気が衰えず、一般人向けのネイルアートサービスも年々増加しています。

ネイルアートはもちろん、爪のお手入れは定期的に行わなければいけないので、リピーターも多く、一度固定客を獲得すれば、経営を軌道に乗せるのは他業種に比べて比較的楽だと言えるでしょう。

また、ネイルアートは女性客が中心なので、サービスを施すネイリストもほぼ女性。道具が調っていれば自宅でサロンを開業することもできるため、個人でネイルサロンを運営している人も少なくないようです。

ネイリストになるのに特別な資格は必要ありませんが、独学で知識や技術を習得するのは難しいので、ネイリスト専門の学校やスクールに通ったり、通販で学習したりするのが主流となっています。

そのため資格も割と取りやすい傾向にありますが、その分、競争相手も数多くいるので、新規開拓するのは並大抵のことではありません。まずは身近な友人や知人にモーションをかけ、SNSなどを使って集客するなど、地道な努力が必要となります。

2020/08/11追記:

コロナの時代に入り、ネイリスト、ネイルサロンの生き残り競争は、さらに激しいものになっています。外出機会も減り、また、密が発生しやすい業態であるため、少し様子を見てもよいかもしれません。

ポイント 女性に有利な業界で独立開業を目指そう

女性が独立起業しやすい仕事4選

 
ネイルサロン
 
 
独立開業している人の男女比に圧倒的な差がある以上、男性が参入しやすい業界で独立起業するのは女性にとって不利になってしまうかもしれません。せっかくですから女性ニーズの高い業界で独立した方が成功する確率はぐっと高まるでしょう。
 

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もちろん、それだけで安泰というわけではありませんが、少しでも女性に有利な業界に飛び込んだ方が安心ですよね!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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