副業と独立とではどんな違いやメリット・デメリットがあるの?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「夜間や週末など本業の就業時間外に副業から始めて起業する」副業からの起業。「会社を辞め、独立して起業する」独立しての起業。

それぞれ、働き方が違いますし、向き不向きがあります。
 

就業規則
 

今回は、それぞれのメリット・デメリットや、副業・独立に向いている人・向いていない人について詳しく解説していきます。
 

ポイント 副業からスタートするメリット・デメリット

副業と独立の違い・それそれのメリデメ

起業
 

副業する最大のメリットはリスクの低さ!

最近は終身雇用が珍しく、サラリーマンでも勤務先の倒産や解雇などによって突然収入がなくなるリスクがあります。副業をすることで収入源を複数にすれば、そのリスクは軽減されます。

他にもこんなメリットがあります!

  • 毎月一定の収入が確保された上に副業の収入が得られる
  • 本業の給与の一部を副業の投資費用として使える
  • 社会保険料を抑えられる
  • 副業で赤字申告になった場合、税金が安くなるケースがある
  • 本業で得たスキルが副業で役立つこともある
  • 副業で得たスキルが本業で役立つこともある
  • いつでも副業を一時休止できる

◆毎月一定の収入が確保されており、精神的に余裕を持てる

本業があると、毎月給与が受け取れますね。一定の収入が確保されているので、その一部を副業の経費やスキルアップのための投資に使うことができます。

副業で得られる収入が少ない時でも、生活していく最低限の収入は本業の給与で得られるので、精神的にも余裕を持って起業できることが大きなメリットです。
 

◆社会保険料の半分を会社が負担してくれる!

サラリーマンの場合、健康保険や厚生年金などの社会保険料の半分を会社が半分負担してくれます。保険料の金額は4?6月分の収入に応じて計算されますが、副業で収入があっても保険料計算上の収入には含まれません。

独立して起業した場合は全て保険料計算に影響するので、収入に応じて保険料は高くなります。そのため、副業のほうが社会保険料を抑えることができるのです。
 

● 質問起業して独立した後に、健康保険や年金はどうなりますか?  ● 回答税金と同じように支払わなければいけないのが「社会保険」です。独立すると、この支払いもバカになりません。社会保険と一言で言っても、いろいろなものが含まれています。例えば、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険、年金保険なども社会保険です。独立すると直接関係してくるのは「健康保険」と「年金保険」です。会社を辞めると負担が一気に増えます。  健康保険とは?独立・起業後の社会保険どうなる?(2021年現在)正確には「健康保険」と「国民健...

 

◆副業の所得が年間20万円以下であれば、申告が不要!

副業で得た収入は、個人で確定申告する必要がありますが、年間で20万円以下であれば所得税の申告は不要です。ただしそれは、本業の勤務先で年末調整をしている人で、他に確定申告する必要がない場合に限ります。

医療費控除やふるさと納税などで確定申告する必要がある場合は、20万円以下でもその所得を申告する必要がありますので、要注意ですよ。
 

実は、この記事を書いている私も、会社に週末起業(副業)がバレた経験があります。取引先が会社トップに対し密告したことが直接の原因、その前にもちろん、私が週末起業のことを取引先に話てしまったことが最大の過ちでした。  その経験から、週末起業をする時は会社に絶対に話をしてはいけない、同僚、上司はもちろん、仲がよくても(この件については)絶対に信用してはいけない、取引先に話すなどもっての外。そのように言い続けています。自分で話してしまうという原因が最も多い週末起業の会社バレなのですが、その他にも、Fac...

 

◆副業が赤字の場合、税金が安くなる!

副業の収入を申告する場合、雑所得か事業所得として扱われます。この区分は明確ではなく、小規模であれば雑所得、大規模であれば事業所得になるケースがほとんどですが、それを判断するのは税務署です。

事業所得として扱われた場合、副業で赤字だった時は本業の給与所得との損益通算ができます。副業の所得を赤字申告すると、本業の給与と総合課税され、本業分の所得税や住民税が安くなります。雑所得として扱われた場合は、損益通算ができません。

副業で得た所得分の住民税は、自分で支払う普通徴税を選べば会社に知られるリスクは低くなりますが、会社が給与から天引きする分(特別徴税)にされてしまうと、会社に知られてしまいます。

以前は副業を禁じている企業が多かったですが、最近では副業を解禁、なかには推奨している企業も出てきました。しかし、勤務先が副業を禁じている場合で申告する場合は注意が必要です。
 

● 質問現在、本業の会社からのお給料の他に、おかげさまで約300万円の収入があります。 確定申告で会社に副業がばれないようにしたいのですが、方法を教えてください。  ● 回答確定申告が原因となり会社に副業がバレてしまうケースは、殆どが住民税の支払い方法の選択ミスにより起こります。会社は年末調整後に、市区町村に給与支払報告書を提出します。市区町村は、これに基づき税額を計算し会社に通知し、会社はこの通知に従って、毎月のお給料から住民税を天引きすることになります。その金額が増えていると、経理担当者が「あれ...

 

目標
 

◆副業と本業それぞれ身につけたスキルが役に立つことも

業種によっては、本業で身につけたスキルが副業で役立つことも、副業で身についたスキルが本業で役立つこともあります。

副業を解禁した企業の中には、副業を社員のスキルUPのための社員研修と考えているところもあるようです。副業で身についたスキルが本業のステップアップを後押ししてくれることも。
 

副業のデメリットは、本業への影響と肉体的・精神的負担

副業をしていると、本業の就業時間外に緊急対応が必要になった際にすぐに対応できないなど、本業に影響を与える可能性があります。

また、プライベートな時間が減り、睡眠時間を減らさなければならないことも。肉体的にも精神的にも負担が大きくなることは事実です。

しかし、限られた時間だからこそ集中できる、という考え方もできます。自分で一から作り上げ、軌道に乗せるのは、自信にもつながります。充実した忙しさを楽しむくらいの気持ちでいましょう!

本業が忙しく副業に割く時間がなくなったり、身体がどうしても辛くなった時は一時的に休止するのも良いと思います。一時的に中断できる、というのも副業のメリットと言えます。
 

ポイント 独立のメリット・デメリット

副業と独立の違い・それそれのメリデメ

副業
 

独立のメリットは「自由」であること!
  • 就業時間も休日も全て自分の思い通り
  • 仕事内容・方針は全て自分で決められる
  • 成功した分だけ儲かる
  • 定年がない

独立した場合、上司もいないので全ての決定権は自分です。何事からも自由であることが最大のメリットです。
 

独立のデメリットは「責任」

自由に伴うのは「責任」です。独立した場合、自由があるだけ責任を負う必要があります。

一般的に言われている独立のデメリットは次のとおりです。

  • 開業資金・運転資金が多額
  • 融資と投資が必要
  • 税金などの手続きが面倒
  • 必ずしも「努力=成功」ではない

◆金銭的なデメリットが副業よりも大きい

まず、業種によって幅がありますが、一般的にはまとまった開業資金と起業後数カ月分の生活費が賄えるほどの蓄えが必要と考えられています。また、事業を拡大し、継続していくためには融資と投資は必須と言われています。

副業よりはリスクが高いと言えますね。
 

◆時間・努力=成功ではない!

どれだけ長時間働いて、沢山努力をしてもそれに比例した成功が得られる保障はありません。たとえ高収入を得られても、それが持続する保障はありません。これは独立した場合だけではなく、副業から起業した場合も言えることです。

ですが、その分事業が成功した場合には大きな喜びにつながります!デメリットとも捉えられますが、逆に常に自分で改善していけること、好きなことに全力で向き合えること自体が楽しいと感じる人も多いんですよ。
 

ポイント 独立・副業に向いているのはこんな人!

副業と独立の違い・それそれのメリデメ

 
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独立と副業の基本的な違いは、起業の他に仕事をしているかどうかだけで、向き・不向きに関しては大きな違いはありません。

ここからは起業に向いているタイプについてご紹介します。
 

困難は成長のチャンス!と思える人

どんな起業でも、やはりある程度の壁は現れるものです。それに怯むこと無く自分が成長できるチャンスと考えて、楽しむくらいの気持ちでいられる人は向いている人と言えます。

逆に小さな失敗も恐れ、慎重になりがちな人はあまり向いていません。起業は常に決断が求められます。慎重さも度が過ぎるとチャンスを失ってしまいます。
 

考えるよりまず行動できる人

何も考えずに行動! というわけではありませんが、困難にぶつかった時に「何かいい方法はないだろうか?」と考え込んで全てストップしまう人は、起業には向いていません。

必要以上に失敗を恐れていては、なにも変わりません。まずは一歩ずつ、思いついたことを実行できる行動力のある人は向いている人と言えるでしょう。
 

大学生
 

マーケティングやセールスが得意な人

商品やサービスがいくら良くても売れなければ、商売になりません。自分が扱う商品・サービスがどれだけ好きで、その良さを上手く相手に伝えられるかというスキルが必要です。

しかし、あまりにもこだわりすぎるのも問題です。完璧に提供しようとすると逆効果になることも。どうしたら商品がお客さまに受け入れられるのか、を考えることが重要ですが、中にはその商品を受け入れてくれない相手もいます。

そんな時は、引き下がる決断をすることも必要です。柔軟に対応できることが求められます。

「こんなにいい商品なのに、どうして売れないんだ!」と、商品にこだわりすぎる人は向きません。売りたいがために商売を度外視してしまうリスクもあるからです。
 

起業の目的をはっきり言葉にできる人

起業したいと考える人や夢を持っている人は多いですが、目的をはっきりと言葉にできますか? 今の会社を辞めたいから、という人もいるでしょう。

しかし、それだけが理由では会社を辞めた時点で目標が達成されてしまい、モチベーションが落ちてしまいます。起業に関わらず、嫌なことから逃げるために何かをするのでは、何事も続かないのです。

起業は一生の夢を叶えようとしていることと同じです。1回で成功するケースは珍しいと言われています。

上手く行かなかった時は、一旦再就職したり、アルバイトなどをしながらチャンスを狙うことも必要です。苦しい時も、夢をしっかりと持ち、やりたい事のために前に向かって歩き続けられる人が向いていますよ。
 

ポイント まずは副業しつつ独立の準備を

副業と独立の違い・それそれのメリデメ

解放
 

起業に向くタイプの人でも、成功するためには入念な準備が欠かせません。また、起業に不向きなタイプの人でも、変わっていくことはできます。

いずれもすぐに独立、というよりも、しばらくは副業として経験を積むことをオススメします。途中で上手く行かなかったり、方針転換したい時も副業であれば比較的簡単にできるのもポイントです。

副業での起業は、リスクを最小限にして自分なりの成功を得られます。最初は小さな利益でも着実に独立に向かって地固めができ、次第に大きな利益を得ることにつながります。

それから独立でも決して遅くはありません。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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