独立・起業後の『健康保険』と『年金保険』はどうなる?

● 質問

起業して独立した後に、健康保険や年金はどうなりますか?
 

起業前質問集
 

● 回答

税金と同じように支払わなければいけないのが『社会保険』です。独立すると、この支払いもバカになりません。社会保険と一言で言っても、いろいろなものが含まれています。例えば、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険、年金保険なども社会保険です。

独立すると直接関係してくるのは『健康保険』と『年金保険』です。会社を辞めると負担が一気に増えます。
 

ポイント 健康保険とは?

独立・起業後の『健康保険』と『年金保険』はどうなる?

(2016年現在)正確には『健康保険』と『国民健康保険』の2つに分かれます。この違いは、原則として、サラリーマンなどの雇われの身である人は『健康保険』に加入します。(※法人化して社長になると、自分の会社に自分が雇われている形になりますので、サラリーマンと同じ立場で健康保険に加入することになります。)『健康保険』に加入する資格を持たないフリーランス、個人事業主が加入するのが『国民健康保険』です。

例外的に、フリーランスになりたての場合、『任意継続』という制度があり、退職後2年間はサラリーマン時代と同じ『健康保険』に継続して加入することができます。但し、会社が負担していた分も自分が払うので、負担は倍額になります。

サラリーマンが入る『健康保険』(法人化して社長になった場合も健康保険)と、国民健康保険には、どのような違いがあるのか、以下にまとめておきます。まず前提として、国民健康保険は世帯単位で加入するものです。つまり保険料は、世帯全員の年間収入によって決まります。算出方法は地域によっても異なりますので、一概にいうことはできませんが、市役所に行けば教えてもらいます。

『国民健康保険』の保険料は、年間の収入によって決まりますが、扶養者の数によっても変わってきます。ひとりあたりいくらという形で保険料が増えていきます。対して、サラリーマンの『健康保険』は、被扶養者に対して保険料かかりません。年間収入が130万円未満であれば、被扶養者として無料で配偶者の保険に加入することができるのです。しかも、保険料は会社が半分負担してくれます。個人の負担はその分軽くなります。

また傷病手当金も『国民健康保険』にはありません。傷病手当金とは、病気や怪我によって働けなくなった場合、標準報酬月額の3分の2が、1年半もの期間支給されるという素晴らしい制度です。交通費や残業代も含まれます。このような素晴らしい手当てこそ、独立するフリーランスの人に必要だと思うわけですが、これは『健康保険』に加入している人のみの特権です。

保険料が半額負担。家族が増えても負担は増えず、いざという時には手当てまで支給されるのがサラリーマンの『健康保険』です。『国民健康保険』にはそのようなものは何もありません。法人化した場合には『健康保険』に加入することができますので、このメリットを享受したい人は、法人化を検討しましょう。

また『国民健康保険料』の年間負担は、上限65万円です。(医療費分の負担) 収入が突き抜けてしまえば、国民健康保険は『定額』になります。そこまで行く前に保険料を定額化させたい場合には、国民健康保険組合への加入を検討してみましょう。組合はたくさんありますので、チェックしてみましょう。あなたが参加できそうなものがあれば、問い合わせをしてみましょう。
 

ポイント 起業家の年金とは?

独立・起業後の『健康保険』と『年金保険』はどうなる?

年金は、『健康保険』に加入している人は『厚生年金』に、『国民健康保険』に加入している人は『国民年金』に入ることになります。もし、あなたが独立して、フリーランス(個人事業主)になった場合は、『国民健康保険』と『国民年金』に加入することになるわけです。法人化して社長になれば『健康保険』と『厚生年金』です。

国民年金は『未払い』が問題になっていますが、一方で『民間の保険』に加入して、さらに上乗せして払っている人もいます。民間の年金保険と国が保障している年金保険、どちらがよいかはその人の選択ですが、はっきりと言えるのは、国の年金保険は税金面でお得ということです。社会保険控除で保険料を全額控除することができるからです。民間の年金保険は、生命保険控除の限度額が決まっていますので、税金面で言えばお得とは言えません。

国民年金の場合には、『国民年金基金』をプラスするという選択肢もあります。国民年金基金とは、フリーランスのための2階建て部分、サラリーマンの厚生年金のようなものです。こちらも、掛け金が全額、社会保険料控除の対象となっています。また、掛け金を任意で設定することができるので(変更も可能)、掛け金を柔軟に調整しながら、将来の備えを積み上げていくことができるのです。とは言え、年金が信用できないという方もいらっしゃると思いますので、その辺は個人の判断となると思います。

またフリーランスの場合、退職金がありませんので、『小規模企業共済』を利用するとよいでしょう。これはフリーランスのための『退職金積立制度』のようなものです。これも全額、『小規模企業共済等掛金控除』として、社会保険料控除と同様に控除できます。節税と安心を得るためには、このような仕組みを賢く利用することが大切です。

国民年金の保険料は、現在のところ、一律15,590円(平成27年度)×12カ月分と定められています。(まとめて前払いすると、割引きが適用されるのでおトクです。)この保険料は、国民健康保険のように収入で増減するものではありません。また、扶養家族がいれば、成人している人数分だけ支払いが増えます。

また、いざ働けなくなった時に、『障害年金』を受け取るためにも、国民年金に加入しておく事は大切です。
 

ポイント 追記・2016/09/20

独立・起業後の『健康保険』と『年金保険』はどうなる?

国民年金は原則40年間全額を収めた場合でも、2016年現在、年間772,800円と決められています。支給額は世間の物価上昇や、賃金の変化、平均余命の関係で毎年見直しされています。加えて、今の日本は超高齢化社会なので、支給額は減額の方向でスライドすることが多く、金融緩和をしても市中にお金が中々出回らないのも、この年金問題が根幹にある気がしますね。

老後のために、起業する人がよく考えることとして「生涯現役」があります。私は、これ、ホンネでは、自分がやることも、お年寄りがいつまでも現場にいることもイマイチなのですが、、、定年の設定をせずに働き、厚生年金を払い続けて、備え、蓄えを強化するという考え方ですね。確かに、厚生年金支給額は減額されることがないため、年金給付を受けずに長く働けば、それだけもらえるということなのですが、、、うーん、私はもっとゆとりのある人生を生きたい。
 

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