機械の輸入で起業する場合、メンテ、資金繰り、法規制、販促は?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

東欧から輸入したいマシンがあります。ホームパーティーで使える、カクテルを作るマシンで非常にユニークなものです。

販売先は富裕層の個人で、5~60万円に設定し、ホームページで直販する予定です。デモ対応も行い、マニュアルなども日本語版を用意します。

ですが不安があります。メンテナンスの体制をどうする、高額なのでメーカーに先払いした場合に資金が回るかどうか、法的な規制があるのか、販促はどうするのかです。

アドバイスよろしくお願いいたします。
 

起業前質問集
 

● 回答

欧州の機械は確かに優秀ですが、機械はよく壊れますし心配事も多いですね。
 
まずメンテナンス体制ですが、会社員のまま本業を持ってやるとしたら、昼間のクレーム対応や回収、修理などは難しくなります。不安でしたら、どこかの業者と提携したり、対応可能地域、時間の指定をする必要があります。

競合品があるのでしたら、その会社のメンテ体制をチェックしてみましょう。そして、メーカーにどのような対応が可能かをきちんと問い合わせておき、担当者と常にコミュニケーションをしておくことも必要です。

海外の企業は(日本も同じですが)、転職や長期休暇などでしょっちゅう人が入れ替わりますし、倒産でもされたら受け皿を失ってしまいますので、きちんと状況が把握できる体制を作っておきましょう。
 

カクテルを作るマシン
 

基本、家庭用機器ですので、業務用ほどうるさくは言われないでしょう。ですが、家庭向けにしてはかなりの高額商品ですので、お客様からそれなりの対応が求められることは容易に想像できますね。

連絡が遅くなる、メンテに時間がかかるということであれば、その旨を最初からお知らせし、同意をいただいてから買っていただく工夫が必要です。また、よく壊れる部分や消耗品などのスペアパーツ在庫は持っておくようにしましょう。

また、輸入者となるので「PL法」についても考えておきましょう。保険に入っておくのも良いと思います。
 

特定商取引に関する法律やPL法について教えてください。
● 質問手作りでオーガニックのシャンプーや石鹸を作り、販売したいと思います。ホームページで売る場合、やはり、住所などを開示しないといけないのでしょうか? また、PL法は関係してきますでしょうか?  ● 回答住所の開示というと、特定商取引法の表記のことですね。前提として、ネット上で決済をする場合「特定商取引に関する法律」に基づき、本名や住所、販売価格など取引に関わる条件を、ホームページ上に表示しなければなりません。   確かに、販売者の立場では(特に副業である場合)このような情報は出したくないという気...

 

次に資金の問題ですが、資金が回るかどうかはお手元にある資金と在庫の量、販売のペースによって異なります。もし、支払いから回収までが3カ月を超えるなど、資金が苦しくなるほど長くなってしまうようでしたら、メーカーに交渉をしてみましょう。

とは言っても個人での輸入では、通常100%前払いでユーザンス(支払猶予)を求めることは困難でしょう。銀行経由でL/C取引もしていないでしょうから、このケースでは、以下に在庫をしないか、そして、販売後にお客様からいかに早く回収するかを考える方が現実的かもしれません。

或いは、在庫買取をしないで、委託販売契約にできませんか? 在庫を預かっておいて、売れたらお客様から資金を回収し、それからメーカーに代金を支払うというやり方です。これも最初からは難しいでしょうが、実績があがってきたら交渉できるかもしれません。

また、大きくは改善できませんが、クレジットカードで輸入代金を支払えれば、1カ月は時間が稼げます。
 

ポイント それ以外に、資金繰りを楽にする方法はあるか?

機械輸入で起業する

自己資金
 

納期がかかることを「事前に」お客様に理解してもらえれば、受注したらメーカーに発注するという方法もあり得ます。お取り寄せ方式ですね。

航空便で取り寄せれば割高にはなりますが、資金繰りは心配なくなりますね。送料、リードタイム、通関手続きがどう変わるかなどは、事前にチェックをお忘れなく。
 

ポイント 法的規制、販促はどうなるのか?

機械輸入で起業する

スタートライン
 

法律的にはPL以外は特に心配はないでしょう。念のため、JETROに相談しておくとさらに安心ですね。

また、販促ですが、商品が高額なために簡単にはいかないことが想定されますが、海外セレブが使用しているとかそのようなPRできる素材をたくさん集めて、商品の価値をしっかりと伝えていきましょう。

メーカーにインタビューをして、実際の使用例や、その時の写真だったり、販促素材を集めておきましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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