記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
令和2年分の確定申告から、変更になる点がいくつかあると聞いています。
ポイント教えてください。
● 回答
いくつかありますので、ご確認をお願いします。
令和2年分確定申告の変更点(税理士監修済)
ポイント(1)青色申告控除の変更
これまで:
- 簡易的な簿記→10万円の青色申告控除
- 複式簿記(貸借対照表・損益計算書を作成)→65万円の青色申告控除
これから:
- 複式簿記(貸借対照表・損益計算書を作成)→55万円の青色申告控除
- 電子申告又は電子帳簿保存を行った場合→65万円の青色申告控除
青色申告特別控除 65万円控除の要件
- 所得の種類が山林所得のみでないこと
- 不動産所得の場合、事業として行われていると認められること
- 複式簿記で記帳していること
- 現金主義でないこと
- 申告時に、記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付すること
- 確定申告の法定期限を守ること
freee株式会社「【2020年最新】青色申告特別控除で65万円と10万円の控除額を分ける要件と令和2年分からの控除額改正の対応方法」 より引用
ポイント(2)基礎控除額の増額(一定の所得以下の場合)
これまで:
- 所得に対して一律で全員38万円の所得控除
これから:
- 10万円増額(年収2,400万円以下の事業者)
会社員(給与所得者)は、所得控除±0円。
給与所得控除の上限が、給与収入850万円まで下がるため、高所得の会社員は増税。
補足:
給与所得控除に制限のかかる年収850万円超の人については、令和2年分の所得税より「所得金額調整控除」という救済規定が適用できるようになりました。ザックリ言えば、年間給与850万円超の人で一定の扶養親族がいる等の条件を満たすと「年収の額(1,000万円上限)と850万円との差額の10%を所得控除できる」という制度になっています。(参考:所得金額調整控除 国税庁HP)
この制度を年末調整で適用するためには、以下の書類の記載、提出が必要です。
⇒ 令和2年分 基礎控除申告書等
ポイント(3)ひとり親の考え方の変更
これまで:
- 未婚のひとり親は、所得控除が受けられなかった。
これから:
- 結婚しないでシングルマザー、シングルファザーになった人も、所得控除を受けられるようになる。
控除の種類としては、
- (従前)寡婦控除 ⇒(従後)ひとり親控除と寡婦控除に分離
- (従前)寡夫控除 ⇒(従後)ひとり親控除に変更
になります。
この「ひとり親控除」の方は、男女共通の適用要件、共通で35万円控除が取れます。男性の方がシンプルで、ひとり親控除が適用され、35万円控除となります。
女性の場合、ひとり親控除と寡婦控除に分けられ、その使い分けについては、
- 婚姻してない女性等で、扶養親族が実子である場合
⇒ ひとり親控除の適用で35万円控除
- 夫と離婚した女性で、扶養親族がいる(子または親等)場合
- 夫と死別した女性の場合
⇒ 寡婦控除の適用で27万円控除
となります。
男性のほうはシンプルですが、女性のほうは細かい条件によってひとり親か寡婦か、適用できる控除が変わってきますので、ご留意ください。
扶養親族の所得要件も両方48万円以下です。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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