記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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起業塾は本当に役に立つのか。役に立つかどうかは塾の良し悪しより、あなたが今どの段階にいて、そこで足りないものを埋めてくれる塾かどうかで決まります。
同じ塾でも、合う人には近道になり、合わない人にはただの出費になります。ネットの無料セミナーに行ったら、その場で高額な講座を勧められた。そんな相談は今も後を絶ちません。
この記事では、起業塾で得られるメリットと、通う価値のある塾・避けたほうがいい塾の見分け方を、26年の起業支援の現場から整理します。読み終えるころには「自分に塾が必要かどうか」を自分の手で判断できるようになるはずです。

起業塾で得られる8つのメリットとは?

これから起業する人をサポートするのが起業塾です。世の中にはたくさんの起業塾があります。
起業準備を始めようと思ったとき、自分だけで悩んでも解決しない問題がたくさん出てきます。リスクを抑えるために、会社員を続けながら小さく始めたい人もいるでしょう。自分の状況や考えに合わせて、いくつかのタイプから選ぶのがいいと思います。
良い起業塾に出会えれば、年齢や性別を問わず、新しい人生を歩き出すきっかけになります。たとえば、こんな効果が見込めます。
目標が明確になる
起業塾に通うことで、夢を思い描くだけではなく、本当の自分のあり方に気づけることがあります。起業そのものに目が向きがちですが、本当にやりたいことを言葉にできているでしょうか。
周囲のキャッチフレーズに乗せられているだけで、目指すゴールが漠然としていないか。自分に合った塾に出会えれば、風潮に流されず、ブレない自分の軸を作れるようになります。
初心者でも基礎から学べる
多くの起業塾では、ビジネス経験のない初心者でも、起業に必要な知識を得られます。何をするべきか、どのタイミングで動くか。具体的な手順から心の持ち方まで教えてもらえるでしょう。
アイデアが浮かんでも、それが受け入れられるかはわかりません。売れなければ、ビジネスとしては成立しないわけです。趣味に留めるなら問題ありませんが、ビジネスにするには押さえておきたいポイントがあります。学べる範囲はおおむね次のとおりです。
- 売れる商品の作り方(マーケティング)
- 集客・セールス
- 事業計画・個人事業主の手続き
- 法人化・確定申告・お金の知識
- 経営者マインド・時間管理
- 法律関係(個人情報保護法・特定商取引法・著作権法など)
たとえば起業18フォーラムでは、ゼロから起業を目指す方を対象に、成功に必要な「強みの発掘」「売れる商品づくり」「正しいビジネスモデル」を作る支援を行っています。
起業を目指す仲間に出会える
起業は孤独な作業をともなうため、同じ目標を掲げる仲間との出会いは大きなモチベーションになります。起業塾では情報を交換でき、刺激を得られるでしょう。
苦手なことを助けてもらえたり、良いライバルとして切磋琢磨したり。一人では打ち破れなかった壁を、仲間がいることで突破できるようになります。
手続きや資金について学べる
起業塾に通うと、起業のステップをどう進めるか、手続きや資金について少しずつわかってきます。会社員のままだと、退職のタイミングや、どこまで起業準備と両立できるかを想像することすら難しいものです。
お金の心配が頭をよぎって、起業そのものを諦めたくなる人もいます。どんな事業で起業するかにもよりますが、自分の現状や環境に合ったやり方がわかるのは大きいでしょう。

成功者の体験談を聞くことができる
ビジネスを長く続けるには、先に成功した人の話を聞いて参考にするのが近道です。何が明暗を分けるのか。起業に向いている人にはどんな特徴があるのか。自分の知らない世界を見せてもらえると、方向性がつかめてきます。
高い投資をしなくても起業できる。少しずつ実績を積み上げてから会社員を辞める。そんな働き方で成功した人の話は、あなたにとっても手の届く現実になるはずです。
失敗する事例を知ることができる
理想ばかり追って現実を見ない。すべてを自分の形に当てはめて考える。どんな思考や行動がミスを招くのか。過去の事例から、失敗の原因を解説してもらえるのも塾の価値です。
人は完璧ではありません。何をすれば失敗するのか、何をしなければ失敗するのかを事前に知っておけば、避けられるリスクがあります。

コンサルティングしてもらえる
先輩起業家や講師にアドバイスをもらえるので、はっきりした計画を立てられるようになります。興味のある分野が多すぎて方向性を見失ったとき、第三者の俯瞰した目線で正してもらえると、無駄な遠回りをせずに済みます。
これまで思い込んでいた情報の誤解にも気づけます。先輩の助言から、自分に足りないものや欠けているところが見えてくるのです。
高額塾も低額塾も、結局はあなたがやるかどうか
有名な起業家の高額塾なら3カ月で50〜100万円、起業したばかりの人の塾でも30万円という金額設定は珍しくありません。3カ月のコースなら、3カ月で解散して終わってしまいます。
さらに大きな問題があります。3カ月かけてようやくやりたいビジネスに出会った頃に、すぐ解散となる場合です。その結果、次の塾へ移り、塾を渡り歩く人もいます。かと言って「これさえやればいい」「この商品を売れ」と中身が決まっている金もうけ指南塾では、あなたのやりたいことはできません。
ビジネスを軌道に乗せるには時間がかかります。モチベーションも日々上下します。継続的にサポートを受け、わからないところをそのたびに確認できることが大切なのです。
起業塾がビジネスに役立つ理由

人間は弱いものです。一人で何もかもできるわけではありません。人を観察し、人から学ぶことで、自分の能力や才能に気づく人がほとんどです。だからこそ起業塾には意味があります。
ただし、同じ「起業塾」という看板でも、中身は正反対のことがあります。私はこれまで26年、延べ6万人の会社員の起業準備に立ち会ってきました。その現場でいちばん多い遠回りが、塾から塾へ渡り歩く「起業塾ジプシー」です。まず、避けたほうがいいタイプの特徴です。
- 無料セミナーが高額講座への勧誘メイン
- 「これさえやれば」「この商品を売れ」と中身が固定
- 3カ月など短期で解散し、その後の伴走がない
- 主催者本人の起業実績・継続実績が確認できない
- 契約を急がせ、その場で決めさせようとする
独立行政法人国民生活センターも、もうけ話や高額な情報商材・スクール契約をめぐる相談が後を絶たないと、継続して注意を呼びかけています。起業前に資金を高額講座で先に溶かすと、肝心の事業に回すお金が足りなくなり、かえって廃業を早めます。次に、通う価値のあるタイプです。
- あなたの強み・やりたいことから一緒に組み立てる設計
- 継続的に質問でき、わからない都度に確認できる体制
- 成功例だけでなく失敗・撤退の事例も共有される
- 退会自由で、月額など無理のない料金設計
- 同じ目標の仲間と情報交換できる場がある
見分けの軸はシンプルです。「中身が決め打ちか、あなたから組み立てるか」「短期で終わるか、続けて確認できるか」の2点を必ず確認してください。
高額塾で遠回りした飯島さんがやり直せた理由

起業18フォーラム会員の飯島さん(仮名・40代後半・メーカーの品質管理・お子さんが独立したばかり)は、最初に大きく遠回りをした方です。SNS広告で見た起業塾の無料セミナーに行き、その場で98万円の講座を契約しました。
ところが内容は月1回の交流会と動画配信が中心で、3カ月で解散。何が自分の商品になるのかが見えないまま、ノウハウは定着しませんでした。
転機は、自己流で塾を渡り歩くのをやめ、起業18の勉強会で「まず小さくリサーチして検証する」と決めたことです。品質管理の経験を活かした中小工場向けの改善サポートに的を絞り、知人の工場1社から試しに引き受けました。そこから取引先を少しずつ広げ、14ヶ月目に月8万2千円まで届き、いまは月23万円台で安定しています。
高額塾の98万円が学びになったとすれば、それは「決め打ちの塾は自分には合わない」と身をもって知ったことでした。まず知人1人に試しに引き受けてもらう、それだけで合う塾かどうかの判断材料は変わります。大金を払って契約する前に、小さく試せる相手を一人見つけてください。
塾に通う前に、自分の段階を確かめる

起業塾を考える前に、いちばん効くのは「自分が今どの段階にいるか」を見ることです。日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」(2024年11月27日公表)によると、開業費用は平均985万円に対し、中央値は580万円でした。
平均と中央値にこれだけ差があるのは、一部の大型開業が平均を押し上げる一方で、半数の人はもっと少額で始めているということです。自己資金も平均293万円(資金調達額の24.5%)にとどまります。ここから読み取れるのは、店舗や設備に大金を投じる起業ばかりではなく、手元の自己資金で小さく始める人が、いまや半数を占めるという事実です。
つまり、大金を先に塾へ払うより、小さく試して反応を見るほうが、起業準備としては理にかなっています。拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』では「一人で始められるか・一人で続けられるか・大きなお金がかからないか」の3つのチェックを挙げています。起業塾を使うべきかどうかも、この3段階のどこにいるかで考えると整理できます。
起業準備で本当に支えてほしいのは、一発のノウハウではなく、収入を続けるための伴走です。塾を選ぶときは、ノウハウの量より「続けて相談できる場かどうか」を最優先で確認してください。

起業18フォーラムは、いつでも退会自由の低額な月額制で、ゼロから起業を目指す方の「強みの発掘」「売れる商品づくり」「正しいビジネスモデル」を継続して支援しています。塾選びの最終判断は、あなた自身の段階に置いてください。その上で、続けて確認できる場が必要だと感じたなら、選択肢のひとつとして検討していただければと思います。

よくある質問

Q.起業塾は本当に役に立つのでしょうか?
- 塾の良し悪しより自分の段階との相性で決まる
- 合う人には近道・合わない人にはただの出費
役に立つかどうかは塾の側だけでは決まりません。基礎が抜けている段階なら学びが大きく、すでに小さく売れている段階なら伴走の有無が効きます。判断軸を自分の側に持つことが先決です。
Q.高額な塾ほど内容が充実しているのですか?
- 価格と中身の濃さは比例しない
- 30万円超でも短期解散・伴走なしの塾はある
価格が高いほど良いとは限りません。3カ月で解散する高額塾より、退会自由の月額制で続けて相談できる場のほうが、起業準備には合うことも多いものです。料金より「続けて確認できるか」を見てください。
Q.無料セミナーで高額講座を勧められたら断ってもいいですか?
- その場で契約しないのが鉄則
- 急かす勧誘は避けたほうがいいサイン
契約を急がせる、その場で決めさせようとする塾は避けたほうが無難です。国民生活センターにも、もうけ話や高額講座をめぐる相談が継続して寄せられています。一度持ち帰り、冷静に内容を確かめてから判断してください。
Q.塾に通わなくても起業準備はできますか?
- 小さく試して反応を見る方法から始められる
- 大金を先に払う必要はない
先ほどの日本政策金融公庫総合研究所の調査でも、開業費用の中央値は580万円で、半数の人が少額で始めています。まずは知人1人に試しに引き受けてもらい、反応を見る。それだけでも立派な起業準備です。塾はその上で必要を感じたときに選べば十分です。
起業塾は、役に立つか立たないかが先にあるのではありません。あなたの段階に合えば近道になり、合わなければ出費になります。その見極めの軸を自分の手に持つことが、塾選びでいちばん大切なことです。
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