あなたに合う起業塾の選び方~費用は? 実績は? サービス内容は?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

自分で言うのもなんですが、最近、起業塾って増えましたね。
 

起業18フォーラム
 

顧客目線に欠けた塾は衰退の道をたどり、先生に実力&実績のないところ、詐欺のようなところ、新しいものが次々と生まれ、きりがありません。

40代女性の事例。SNS で見た起業塾の無料セミナーに行ったところ、100万円の講座の勧誘を受けた。高額なので遠慮したが「ゼロから起業したいならバックアップします」と半ば強引に契約へと誘導された。後日、講座の内容を知らせるメールが来たが、毎月の交流会や動画の配信と書いてあるだけで、実のある講義やサポートはなかった。

「結局、交流会に参加したのですが、アフィリエイト(成功報酬型広告)の話とパチンコ攻略法。まったく期待はずれだったとのことです」(国民生活センター)

「フェイスブックをやれとかブログを書けといった内容がメインで、すでにやっていた私には、新鮮味はありませんでした」

次に、その起業塾が開催するセミナーに参加。女性コンサルタントがビジネスを回す仕組みを教えるという触れ込みで、受講料は5000円。受講してみると、そのコンサルタントとコンサルティング契約を結ぶよう勧誘された。契約し、1年間で20万円を支払ったが、フェイスブックでとにかく『いいね』を押せ、交流会に参加しろ、という人脈づくりに重きを置いたアドバイスしか聞くことはできなかった。

Yahoo!ニュース 2017/02/21(火) 11:50 配信「「ママ起業」ブームの陰で「期待外れ」の起業セミナー」 より引用

 

フェイスブック、ブログを書け、というのは確かに事実で、新鮮味がなかったことをクレームされても困ると言えばそうなのですが・・・(笑)それ以外は溜息しかでませんね。。
 

ポイント タイプ別解説・どの起業塾があなたに合うのでしょうか?

あなたに合う起業塾の選び方

seminar
 

私自身も、起業セミナーに費用を払って参加したことがあります。確かに「自分にとって」有益でないセミナーもいくつもありました。しっかりと見極める必要があることは、間違いなさそうです。

起業塾にはいつくかの系統があります。行政系、士業系、コンサル系と大きく分かれ、民間はたくさんの種類に分類されます。

行政系、士業系は、全6回などの講座形式、会社設立や小難しい、どちらかと言えばつまらない、広く浅い講義が多いですね。士業系は卒業生を自分の顧問先にすることが狙いです。

民間は、大きく以下のように分かれます。
 

金額 ネタ 期間 サポート
A. 焼畑型 高額 提供される 3ヵ月~1年 オプション次第
自分で考える 薄い
B. 継続型 辞めるまで
低額 オプション次第
  • A.「焼畑型」とは、プロダクトローンチなどの手法でメールを大量配信、説明会に誘導して一気にクロージングをするタイプの塾。1、2期くらいまでやって消える塾も稀にある。
  • B.「継続型」とは、小規模な面談やセミナーから会員を集客し、継続的に講座を開催しているタイプの塾。低額の場合は、入塾後に様々な有料講座を買う必要がある場合が多い。
  • A-① せどり、カメラ転売塾などのように、塾の方で「これをやれ」「これを売れ」という商品や調達方法が用意されていて、30~100万円レベルの受講料でそのノウハウを提供したり、代行したりするタイプの起業塾。
  • A-② 塾は起業の全体像、枠組みを教え、受講生が「何を商品にするか?」を考えるタイプ。有名先生の主催する焼畑型は3ヵ月で30万円、1年で120万円レベルの受講料で、その割にサポートが薄めの場合がある。
  • B-③ 「●●起業」という縛りをかけて、塾生に資格などを与えたり、塾が運営する何らかの仕組み(協会など)に加入させたりするタイプの起業塾。細かいサービス設計やブランディングは塾生任せのことが多い。
  • B-④ 塾生が講師と相談をしながら、自分で起業を進めるタイプ。「好きなことで」や「会社を辞めずに」を提唱している塾も増えている。講師自身のビジネス経験が浅く、起業塾で起業した会社も多くなっている。

その他、マインドだけ、SNSの操作方法だけ、動画だけ、無在庫転売を奨めるところ、ノウハウが古い、老舗だけどフォローがないなどの、いわゆる「期待外れ」と言われてしまうような塾まで、玉石混合です。

その逆に、ちょっと怪しいかな? と思っても、行ってみればしっかりと実績があり、サポートがある塾もあります。カメラ転売、中国貿易などでも素晴らしいところもあります。

それぞれのタイプで、メリットデメリット、相性があると思います。あなたに合った塾を選んでいただきたいと思います。
 

ポイント 起業塾はここを見て選んで欲しい

あなたに合う起業塾の選び方

ミートアップ!
 

私、新井が思うのは、実際にお金を稼ぐ、事業を回して小さな経営を経験してみることが大事だということです。

つまり、習うだけの起業塾では、知識だけの頭でっかちになってしまい、いつまでも起業はできないのではないかと思うのです。ボクシングを始めたばかりの素人さんが、世界戦のイメージトレーニングをしているような感じですね。

経営者といわゆるお勤めの方のお仕事は、同じ「仕事」という言葉で表現されますが、全く異なるものです。特に違いがあるのが、お金の使い方であったり、入荷や契約から実際の収入になるまでのタイムラグの考え方でしょう。

例え1円であっても、このような実際のお金や書類、物や情報の流れは変わりません。実際にやってみないとわからないものです。

こうした具体的なことは、起業塾の机上で説明をすることには無理があり、故に、操業テクニック、集客、融資、スキル向上のノウハウ、そして自己啓発に偏った起業塾が多くなるのだと思います。
 


 

起業18会員さんから聞いた体験談では、実践を謳うところでも、塾生同士で商品を売買させたりと、結果、起業力には結びつかなかったという意見がありましたし、夢を語るばかりの啓発型の起業塾では「起業準備をしている私が好き」「SNSでお互いにいいね!して友達2000人作れ」みたいなところもあったとのことでした。

個人的には、起業塾に入って基礎を学んだら、後は「実際に仕事をすること」だと思います。

自分の力で情報を収集し、技術は現場で向上させる。集客もやり方を学んだら、とにかく手足を動かすことが必要だと思います。

つまり、起業塾は、知識の習得だけではなく、実践と相談(サポート)、講師との距離感が近いところ、そして、講師の実績で選ぶといいですね。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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