Wantedlyで社外のつながりをつくる|プロフィールと複業案件の順番

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

私がこれまで見てきた中で、会社の外に早く根を張れた人は、たいてい実績の薄いうちから動き始めていました。完成された肩書きがそろうのを待つより、先に顔を出しておくほうが、ずっと早く外に居場所ができます。

Wantedly(ウォンテッドリー株式会社が運営)は、給与や条件よりも「何をしたいか」への共感で企業と個人がつながるビジネスSNSで、個人はプロフィールの公開もカジュアル面談も無料で使えます。実績が少ないうちに動くほうが、会社の外ではかえって名前を覚えてもらいやすい。この順番は、多くの人が思い描くのとは逆かもしれません。

プロフィールを載せて待っているだけでは、人の目に触れて声がかかることはそう多くありません。動いている人ほど、自分から相手のところへ話を聞きに行っています。この記事では、プロフィールを第ゼロ印象として整え、カジュアル面談から複業へと実績を積んでいく順番を追っていきます。

ポイント Wantedlyを社外の実績づくりに使う全体像

共感でつながるビジネスSNSと個人無料の仕組み

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Wantedlyは、ウォンテッドリー株式会社が運営するビジネスSNSです。転職サイトのように条件を並べて比べるのではなく、企業の想いや事業への「共感」でつながり、気軽に会いに行けるのが特徴になっています。同じビジネスSNSでも、世界規模で経歴をつなぐLinkedInとは入口の設計が違います。

個人の側は、プロフィールの公開も、企業への「話を聞きに行きたい」も、カジュアル面談も無料で使えます。掲載費用を負担するのは、募集を出す企業の側です。募集の種類には、複業や業務委託、インターンなど、正社員の採用にかぎらない多様な関わり方が並んでいます。

  • できること:
    プロフィールの公開から、気になる相手に話を聞きに行くカジュアル面談まで、無料で使えます。
  • 関わり方:
    複業や業務委託、インターンなど、正社員採用にかぎらない募集がそろっています。
  • 費用:
    個人の利用は無料で、掲載費用を負担するのは募集を出す企業の側です。

まず押さえておきたいのは、Wantedlyが「見つけてもらう場」であると同時に「自分から会いに行ける場」でもある点です。この二つを両方使うと、会社の外に自分を差し出す経路が一気に増えます。

ポイント 「実績が少ないうちに始める」ほうがいい理由

実績ゼロの時期こそ動く価値がある理由を整理

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会社の外で働くことは、以前よりずっと認められやすくなっています。厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は平成30年に作られ、令和4年(2022年)7月の改定で、企業に対して副業・兼業に関する情報の公表を推奨する内容が加わりました。働く人が多様なキャリアを選べるよう、国の側が後押しに動いているということです。会社の外で働く土壌は、着実に整ってきました。

そのうえで、なぜ実績が少ないうちがいいのか。完成した実績がそろうのを待っていると、最初の一歩はいつまでも先延ばしになります。後で触れるカジュアル面談は見極めのための選考ではないため、実績が少ない段階でも会いに行けるからです。30代から50代まで、会社での経験を持つ人ほど、外に出せる素材はすでに手元にあります。

何も起きていない今こそ、外との関わりを一つ持っておく好機です。私自身、病気やリストラ、家庭の事情に追われてから動こうとして間に合わなかった相談を、いくつも見てきました。穏やかな日々のうちに、外で顔の見える相手を一人でも作っておくことが、いちばんの備えになります。

ポイント プロフィールは「第ゼロ印象」。声がかかる人の書き方

第ゼロ印象を整えて声がかかる人になる書き方

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拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』では、「第ゼロ印象」という考え方を紹介しています。第一印象のさらに前、SNSなどで初めてあなたを知ったときに生まれる印象のことです。Wantedlyのプロフィールは、相手があなたに会うかどうかを決める、まさにこの第ゼロ印象そのものになります。

同じ本では、プロフィールを4つのパートに分けて書くと整えやすいと紹介しています。①名前や肩書き、②なぜその仕事に関わってきたのかの経緯、③これまでの実績、④どんな人を助けたいかというビジョン。この順番でうめていくと、読んだ相手が「一度話してみたい」と思える輪郭が立ち上がります。

  • 今の仕事で培った経験を、専門外の人にも伝わる言葉に置き換えられる人
  • 大きな肩書きより、誰の役に立ちたいかを自分の言葉で語れる人
  • 完成度より、まず出して相手の反応から直していける人

逆に、声がかかりにくいのは次のような書き方です。ここに当てはまっても、直せばよいだけなので心配はいりません。

  • 経歴と会社名で埋め、何をしたいかが一言も書かれていない
  • 誰に向けた専門性なのかがぼやけ、読んだ人が用途を思い描けない
  • 公開したまま更新が止まり、今の関心が伝わってこない

プロフィールは、一度書いて終わりではありません。反応を見ながら実績を追記し、育てていくものだと考えておくと、気持ちがずいぶん軽くなります。

ポイント カジュアル面談から複業へ。実績を積む3ステップ

面談から複業へ社外実績を積む三つのステップ

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Wantedlyのカジュアル面談は、企業と個人が「お互いを理解する」ことを目的にした場です。合否を決める選考ではなく、募集ページの「話を聞きに行きたい」も、応募ではなく興味を伝えるシグナルにすぎません。選ばれるかどうかの前に、まず知り合う場だからこそ、実績が少なくても会いに行けるのです。

実績を積む流れは、大きく三つのステップに分けられます。STEP1は、プロフィールを第ゼロ印象として整えること。STEP2は、気になる募集に「話を聞きに行きたい」を押し、カジュアル面談で相手と自分の重なりを確かめること。STEP3は、いきなり大きく構えず、小さな複業プロジェクトを一つ引き受け、それを実績として持ち帰ることです。

ここで効いてくるのが、待つのではなく自分から声をかける姿勢です。気になる複業の募集を一つ開き、話を聞きに行く前に「これだけは話したい」という点を一つ用意しておきます。準備した一言があるだけで、面談はぐっと有意義になります。

ポイント 会員さんの実例:指名される側に変わるまで

社外の複業で指名される側に変わった営業職の例

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営業ひとすじ20年の三橋さん(40代)は、はじめWantedlyにプロフィールを載せたものの、しばらく反応が薄いままでした。職歴と会社名は並んでいても、何をしたい人なのかが伝わらない、いわば公開して待つだけの状態だったのです。

きっかけは、あるカジュアル面談で会った別業種の担当者の一言でした。「営業の型を、ここまで言葉にできる人は少ない」と言われ、自分では当たり前だと思っていた経験が、外では価値になると初めて気づいたそうです。そこから三橋さんは、起業18フォーラムの勉強会で、自分の営業経験を複業プロジェクトで出せる形へと整理し直していきました。

プロフィールを第ゼロ印象として書き直し、まずは複業を一件だけ引き受けました。3ヶ月ほどたつ頃には、その仕事ぶりを見た別のプロジェクトからも声がかかるようになっていました。一度きりで縁が切れず、最初に組んだ相手からは「次もぜひ一緒に」と、続けて頼まれるようになりました。売上の数字より先に、また組みたいと思ってもらえる関係が育っていったのが、この人らしい変化でした。

ポイント 本業と両立させるときに気をつけること

本業と両立しながら複業を続けるための注意点

スマホを見て困る女性

会社の外で仕事を受ける前に、一つだけ順番として先に済ませておきたいことがあります。勤め先の就業規則で、兼業が認められているかどうかの確認です。認められている範囲を先に知っておけば、あとは安心して相手の話を聞きに行けます。

続ける規模も、無理のない範囲から始めます。カジュアル面談はお互いを理解する場ですから、条件や時間が合わなければ、その場で丁重に見送ってかまいません。40代でキャリアを棚卸ししたい人ほど、断れる余白を持っておくと長く続きます。Wantedly一つに賭けるのではなく、勉強会などで学びの場も持ちながら進めると、視野がかたよりません。

最初の一歩は、大きく構える必要はありません。今日はまず、Wantedlyにプロフィールを一つ整えて公開し、カジュアル面談を受け付けられる状態にしておきましょう。それだけで、外から声がかかる経路が一本つながります。

就業規則の確認だけ先に片づけておけば、あとは相手の話を聞きに行きながら、自分に合う関わり方を選んでいけます。次の記事も、その一歩の後押しになります。

就業規則に兼業禁止とあります。起業の準備もしてはいけませんか?
● 質問 勤め先の就業規則を読み返したら、服務規律のところに「兼業を禁止する」とはっきり書いてありました。将来

ポイント よくある質問

Wantedlyと複業の始め方でよくいただく質問

起業前質問集

Q.本業を持ったままでも社外の複業プロジェクトに参加できますか?

まず勤め先の就業規則で、兼業が認められているかを確認します。認められていれば、Wantedlyの複業や業務委託の募集に、カジュアル面談から関わっていくことができます。無理のない一件から始めるのが安心です。

Q.実績が少なくてもカジュアル面談を申し込んでよいのでしょうか?

問題ありません。カジュアル面談は合否を決める選考ではなく、お互いを理解する場だからです。実績の多さより、何をしたいかと、これまでの経験をどう伝えるかのほうが見られます。

Q.プロフィールには何を書くと声がかかりやすいですか?

名前や肩書き、その仕事に関わってきた経緯、これまでの実績、どんな人の役に立ちたいかの順で書くと整います。経歴を並べるだけでなく、誰に向けた専門性かを一言添えると、読んだ相手が用途を思い描けます。

Q.Wantedlyの利用にお金はかかりますか?

個人がプロフィールを公開し、話を聞きに行き、募集に応募するところまでは無料です。掲載費用を負担するのは、募集を出す企業の側になります。

ポイント 実績は動きながら増やせる

実績は待つものではなく動きながら増やすもの

point

実績がそろうのを待つ人と、少ない実績のまま外の人に会いに行く人の差は、時間がたつほど開いていきます。プロフィールを整えて一度外に開いておけば、あなたを見つけた誰かのほうから声がかかる経路ができます。この先、会社の名前ではなくあなた自身の名前で頼りにされる日のことを、少しだけ想像してみてください。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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