ミツモアで起業準備・最初の受注から始める方法

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「いつか起業したい」の”いつか”は、具体的に何年後を指していますか。

そう自分に問いかけたとき、「ミツモアで試してみよう」と検索を開いたあなたは、すでに動き出す入口に立っています。

ただ、登録する前に確認しておきたいことが2つあります。カテゴリによって成約手数料が大きく変わることと、依頼できない内容があることの2点です。この2つを先に読んでおくだけで、最初の受注が「思ったより手元に残らない」という後悔を防げます。

ポイント ミツモアとは何か・起業準備の入口として何が向いているか

見積もり型サービス市場を試す安全な入口にする

フリーランス

ミツモアが起業準備の入口に向く理由

他のプラットフォームと比べたときのミツモアの特徴は「依頼者が先に仕様を入力する」設計です。フォームへの回答形式で提案するため、提案文ゼロからのスタートでも応募できます。本業スキルを持つ会社員が、実績なしで最初の1件を取りにいく場として相性がよい理由がここにあります。

STAGE論で言えば、ミツモアはSTAGE Ⅰ(売上0〜1万円・最初の一人の顧客獲得)に適したフィールドです。

ミツモアが向かないケース

サービスの種類によっては「応募課金型」で、見積もりを送るたびに費用が発生します。また、出張・訪問が前提のカテゴリも多く、完全オンラインで完結したい方は最初にカテゴリを確認する必要があります。

ポイント 登録前に確認したい手数料の仕組み

成約課金と応募課金の違いを登録前に確認する

フリーランス

成約課金型の手数料率

成約課金型では、仕事が決まった時点で手数料が発生します。ミツモア公式ヘルプの料金ページでは、成約課金型の成約手数料はカテゴリごとに15%〜35%(税込16.5%〜38.5%)と案内されています。ただし、利用規約の別表にはバリアフリーリフォームなど一部のカテゴリで8%(税込8.8%)という最低値も存在します。出品前に、利用規約別表で自分のカテゴリに適用される手数料を必ず個別に確認してください。

  • 成約手数料: 成約金額に応じて発生。公式ヘルプの料金ページでは15%〜35%(税込16.5%〜38.5%)が一般的な案内範囲。利用規約別表では最低8%(税込8.8%)のカテゴリも存在するため、自分のカテゴリを別表で個別確認することが必須
  • 応募手数料: 見積もり送信時に発生する場合がある。応募ポイントや案件紹介料などの名称で表示される
  • ポイント単価: 1ポイントは1円。必要ポイント数は依頼者の回答内容や案件ごとに異なる

たとえば1万円の案件を受注した場合、税込手数料率が16.5%なら手数料は1,650円、38.5%なら3,850円です。手元に残る金額はカテゴリによって大きく変わります。この計算を先にしておかないと、「思ったより残らなかった」という感覚が続き、最初の数ヶ月で意欲を失います。

「起業後の悩みのほとんどは、価格設定の甘さから生まれます」という言葉があります。安すぎる価格は自分自身を疲弊させるという指摘を、手数料体系の確認と一緒に先に整理しておくことが、STAGE Ⅰで地雷を踏まないための基本です。

応募課金型の仕組み

応募課金型は、見積もり送信の時点で応募ポイント等が必要になる仕組みです。成約しなくても費用が発生する場合があるため、見込みの低い案件への応募を繰り返すと固定費化します。

ピアノ教室・英会話・経営コンサルティング・内装工事などが応募課金型の代表例です。自分のサービスがどちらの課金タイプかは、カテゴリページと公式ヘルプで確認してください。

手数料込みの時間単価を先に計算する

期待時間単価が2,000円で、作業3時間・手数料22%なら、見積もりは最低でも7,692円以上が必要です。最初から手数料込みの価格で出すことが、疲弊なくSTAGE Ⅰを抜ける設計の核心です。

経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月26日公表)によれば、2024年のサービス系BtoC-EC市場規模は8兆2,256億円、前年比9.43%増でした。オンラインでのサービス受発注市場は拡大傾向にあります。ミツモアのようなマッチングプラットフォームを起業準備の最初の入口に使う会社員は、この流れと方向が合致しています。

ポイント 禁止されている依頼と起業準備で注意したい点

禁止依頼を登録前に必ず先に確認する理由を知る

電気工事士

実際に禁止されている依頼の傾向

禁止依頼の主なカテゴリは次の通りです。

  • 他者の身体・精神・社会的地位への損害系: 誹謗中傷を目的としたビラ配布の依頼・脅迫行為に類する依頼など
  • 他者の権利・財産・所有物への損害系: 不法侵入のおそれがある依頼・恐喝行為に類する依頼など
  • 犯罪関連: 窃盗・盗難等の犯罪行為で得た物品に関する依頼
  • わいせつ系: ヌード撮影等、わいせつ行為・わいせつ物の作成・入手・販売等につながるおそれのある依頼
  • 自殺・自傷幇助系: 自殺・自傷行為を幇助もしくは助長するおそれのある依頼

これらは依頼者が対象ですが、プロとして「禁止依頼かもしれない」と感じた案件をそのまま受けることも規約違反になりえます。公式ヘルプの「禁止されている依頼内容について」は、出品前に必ず一度通読してください。

起業準備で特に気をつけたいカテゴリ選び

起業準備の文脈で注意が必要なのは「資格が必要な業務」です。医療・法律・税務の相談業務を無資格で受注すると、法令違反になるケースがあります。「相談に乗る」という言葉が曖昧なまま出品しないよう、カテゴリの説明文をよく読んで、自分のサービスが何に分類されるかを先に確認します。

ポイント 最初の受注を取るための3つの行動

最初の一人を得るための提案文設計の要点整理

フリーランス

①プロフィールは「何屋か」の一行から

ミツモアのプロフィールで最初に整えるのは自己紹介の一行目です。「何でもできます」ではなく「中小企業の総務経理4年・給与計算と勤怠管理の実務経験があります」のように、具体的な業務と年数を書きます。

起業18フォーラムの勉強会でも繰り返し出てくるのが、「お客様が依頼を決める判断材料は、資格の数より実務の具体性」という指摘です。総務経理の経験があれば、その一行が最大の武器になります

②最初の提案は相手の質問フォームの答えに一対一で返す

ミツモアの案件には依頼者がフォームで入力した要望があります。その要望の言葉を拾って、「御社の場合は〇〇の手順で対応できます」と一対一で返すだけで、他の汎用提案文との差が出ます。依頼者が知りたいのは「自分の問題が解決するか」であり、実績の羅列ではないためです。

ポイント 岩本さんの場合:11ヶ月目に流れが変わった

総務経理経験を受注に変えた会員の具体例紹介

フリーランス

最初の数ヶ月:提案を送り続けた期間

岩本さんは最初、クラウドソーシングの経験がまったくありませんでした。給与計算・勤怠管理の実務はあっても、ミツモアで何のカテゴリに出せばいいかがわからず、登録だけして手が止まる状態が3週間続きました。

転機になったのは、起業18フォーラムの勉強会で「最初は提案文より相手の質問への返し方」という話を聞いたことです。その日帰宅して、プロフィールの一行目を「総務経理4年・給与計算と労務書類の整備を担当してきました」に書き換えて提案を送り直しました。

受注の流れが変わったのは、

フォーラム会員の先輩から「依頼者が何を心配しているかを提案文に先に書く」とアドバイスをもらい、実践し始めた8ヶ月目です。「書類に漏れがあると後々の手続きで問題が出ますので、雇用前に確認させてください」という一文を先に添えるようにしたところ、成約率が上がりました。

その後1ヶ月で最初の受注が入り、手数料を引いた実質報酬は3,500円ほどでしたが、それが最初の起業収入になりました。

11ヶ月目:リピートが入り始める

11ヶ月目になると、最初に依頼してくれた会社から「入社書類以外の人事周りも相談したい」という連絡が入り始めました。月に複数件のリピートが来るようになり、月収が安定してきた段階がSTAGE Ⅱへの入口になりました。

岩本さんがあとから話していたのは「最初に手数料の計算をしておいてよかった。安売りしなかったから続けられた」という言葉です。

ポイント よくある質問

ミツモア登録前によく出る疑問を整理しておく

起業前質問集

Q.ミツモアは会社員の起業準備でも使えますか?

使えます。ただし勤務先の就業規則と守秘義務を確認し、勤務先と競合しない範囲で始めることが前提です。最初は登録だけでなく、カテゴリ・手数料・禁止依頼を確認するところから進めると安全です。

Q.最初から安い価格で出したほうが受注しやすいですか?

安くすれば反応は増える場合がありますが、手数料を引いた後の時間単価が崩れると続きません。最低限ほしい時間単価と作業時間を先に決め、手数料込みで赤字にならない価格を出してください。

Q.応募課金型のカテゴリは避けるべきですか?

必ず避ける必要はありません。ただし見積もりを送るたびに費用が発生する場合は、成約率が低い段階で連続応募すると負担が増えます。最初は成約課金型か、見込みの高い案件に絞って試すほうが現実的です。

Q.登録前に何を確認すれば失敗しにくいですか?

出品したいカテゴリの手数料(公式ヘルプの料金ページおよび利用規約別表の両方)、禁止依頼、必要資格、対応エリアの4点です。この4つを先に確認しておくと、受注後に「できない」「思ったより残らない」と気づくリスクを減らせます。

ポイント 今日できる最初の一歩

手数料と禁止依頼を登録前に先に確認する手順

point

出品を考えているサービスの「禁止されている依頼内容」と「手数料」のヘルプページだけ、先に確認してみてください。登録はまだしなくて構いません。

ミツモアの公式ヘルプを開いて、禁止カテゴリと手数料の2項目を読むだけで、最初の受注設計が現実的になります。

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明日の通勤時間、いつもの景色の中に「これはミツモアで提案できるかな」という視点を一つ足してみると、世界の見え方が少し変わります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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