記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
30代前半、育休中の塾講師です。小学生の子どもが1人います。育休中に起業準備を始めたものの、夜泣きや上の子の宿題、夕方のお迎えで時間が消えていきます。同じ立場の友人にも相談しましたが、みな似たような状態で続いていません。
育児中の細切れ時間で本当に準備は進むのでしょうか?

● 回答
育児中の時間が消える時期に始めて、最初の半年で諦める人と続ける人の差は、ある1点に集約されます。それは「時間の長さ」ではなく、「誰と一緒にその時間を使うか」です。
起業18フォーラムには、育休中・育児中の方からの相談が毎月のように届きます。続けられた方が共通してやっていたのは、自分一人で頑張る前に「同じ条件で同じことをやっている人」を1人見つけて、そこに自分の予定を引っかけた、ということでした。
最初の半年で諦める人の典型パターン
育休中に起業準備を始めて止まる方の半年は、だいたい次のような流れになります。子どもの昼寝中に起業本を1冊買うものの、次の日には上の子が熱を出して読めません。土曜の朝に夫へ子どもを預けて喫茶店に行こうとすると下の子が起きてしまい、日曜は家族時間で何もできずに終わります。月曜になると、また「今週こそ」と思いながら、結局1ページも進まないまま週末を迎えてしまうのです。
厚生労働省の令和6年度能力開発基本調査では、正社員女性が自己啓発を行う上での問題として「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」が35.0%、「自分の目指すべきキャリアがわからない」が26.1%と示されています。差を作っているのは時間の絶対量ではなく、「相談相手と継続の仕組みを最初に作ったかどうか」です。
続けられた人がやっていた1点の工夫
起業18フォーラムの吉野さん(仮名・34歳・育休中の塾講師・小学生の子ども1人・配偶者は会社員)も、最初の半年は調べ物ばかりで動けませんでした。状況が変わったのは、保育園の入園待機期間に同じ立場の親と週1回オンラインで話す枠を作ってからです。
具体的には、近所で同じく育休中の元小学校教諭の知人と「毎週水曜の21時から30分だけ」のZoom枠を約束しました。最初の半年は雑談が多かったそうですが、お互いに「次の水曜までに小さく試したこと」を1つだけ報告するルールを途中で追加してから、急に動き出しました。吉野さんは現在、中学受験を控えた家庭向けにオンラインで保護者面談を提供し、月4万円・継続クライアント6名まで届いています。
時間の長さではなく続ける装置を先に作る
拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』に「案ずるより産むがやすし」という考え方が出てきます。準備期間に時間が取れないと諦める方に共通するのは、産む(小さく試す)前に「時間がない」と判断していることです。30分でも、週1回でも、続く装置さえあれば、半年後には必ず手応えが残ります。
吉野さんが選んだのは「立派なメンター」ではなく「同じ条件の友人と週1回30分」でした。続けるための仕組みは、必ずしもお金を払って買う必要はありません。隣で同じ条件にある人と、週に一度だけ進捗を共有する場があれば十分です。
来週の予定表に「水曜21時・30分・友人と進捗報告」のように、続けるための枠をまず1つ書き込んでください。枠が予定表に入った瞬間から、空き時間ではなく「予定された準備時間」が動き始めます。

速度は落としても、方向は変えなくて大丈夫です。今夜、すでに育休中の友人に「週1回30分だけ、起業準備の進捗をお互いに話す枠を作りませんか」と短いメッセージを送ってみてください。その枠が、半年後のあなたの小さな収入を支える土台になります。
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