記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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起業を検討する際に「40代であること」には、メリットもあればデメリットもあります。
ただ、人間、40代にもなれば、自分の強みやオリジナリティは豊富に見出せるはず。それらを生かすことで、根強いファンを獲得しながら、先20年、30年と事業を維持することもできるはずです。
そのため、しっかりと自己分析をしたうえで起業することが重要です。
こちらの記事では、40代会社員が起業を成功させるポイントや、40代女性が起業を目指す場合、強みを生かしやすい事業内容・起業方法について解説します。
40代女性の起業成功ポイント
40代から起業を成功させるためには、40代であることを活かす必要があります。30代と戦って、気力、体力、行動力で勝てる見込みは・・・わずかだからです。
また、女性であるならば、その素晴らしさを活かせるポイントを、しっかり押さえる必要があります。
40代が起業を成功させるためのポイントとして、次のことが挙げられます。
- 自分のこれまでの経験や人脈を生かす
- 自分の強みやオリジナリティを生かす
- 家族としっかり相談して協力を得る
- スモールスタートで始める
- 助成金(補助金)を活用する
それぞれについて、ご説明します。
これまでの経験や人脈を生かす
40代ともなれば、これまでにさまざまな経験をして。仕事でもプライベートでもさまざまな人脈を形成していると思います。そういった経験や人脈を起業に生かすことが重要です。
たとえば、ママ友ネットワークのような人脈があったり、趣味でつながっている人がいる場合には、大きな武器にできます。その人たちを顧客にできる以外にも、新しい商品・サービスについての意見がもらえるかもしれません。
自分の強みやオリジナリティを生かす
新しく事業を始める場合、当たり障りのない商品を販売したりサービスを提供したりするだけでは、無数にある同じような商品・サービスに埋もれてしまう可能性が高いです。
自分の強みやオリジナリティを客観的に判断した上で、それらを生かした商品開発やサービス提供を行うことができれば、一目置かれる存在になることも難しくありません。
差別化について自分で客観的に判断するのが難しい場合は、自分をよく知ってくれている周囲の人の意見も参考にするのが一番です。
家族としっかり相談して協力を得る
家庭にもよりますが、日本は未だ、特に40代女性の場合、家庭において家事などを担っていることが多く、起業と家事の両立を迫られることがあります。
起業する前に家族にしっかりと相談して、夫と家事を分担する、子供に手伝ってもらうなど、当たり前の形に戻しておくことが必要です。
事業がうまくいかなかったり、伸び悩んだりしている際に、実務的にも精神的にも支えてくれるのは家族です。
家族の協力を得ることは、起業において非常に重要なポイントです。協力し合ってこそ、モチベーションも続き、安心して事業に打ち込むことができます。
スモールスタートで始める
起業する際にあまりに思い入れが強すぎると、いきなり大きな規模で事業を始めようとしてしがちです。
ですが、最初からうまくいく確率は極めて低いことを知っておきましょう。いつでもリスクマネジメントは怠らないようにすべきです。
身近なところから少人数、小規模で事業をスタートさせて様子を見ながら、うまくいきそうであれば、さらに資金を投下して事業を拡大していくのがおすすめです。
多少の失敗やミスがあったとしても、事業規模が小さければ対処も容易です。今後事業が成長した場合に、同じ轍を踏まないようにすることもできます。
助成金を活用する
小さな起業には使えない制度ですが、40代以上であれば「生涯現役起業支援助成金」という助成金を利用できる可能性があります。生涯現役起業支援助成金は、これから起業する、もしくは事業を始めて間もない個人事業主を対象に、厚生労働省が実施している助成金です。
また、開業場所が東京都内の商店街に限られるものの「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」という制度もあります。
大きな起業に踏み切る場合には、利用できる助成金や補助金を調べたうえで、最大限に活用しましょう。
40代女性の起業リスク
起業にはある程度リスクがあるのは仕方のないことですが、40代には40代ならではのリスクがあります。
例えば、40代が起業する際に考えられるリスクとして、次のことが挙げられます。
- 仕事中心の生活になってしまう可能性がある
- 出産や育児の際の援助・保証がない
- 資金が十分でない可能性がある
- 失敗してしまった場合の転職や再就職が難しい
それぞれについて、ご説明します。
仕事中心の生活になってしまう可能性がある
たとえば、40代であれば小学生や中学生ぐらい、もしくはそれ以上の年齢の子供がいてもおかしくありませんが、起業アイデアを間違えると仕事中心の生活になってしまう可能性があります。
特に作業系の仕事で起業した場合、休日を返上して仕事をしなければならない状態になりがちです。そうなれば、子供に手をかけてあげられる時間が減ってしまいます。
また、子供だけでなく、自身や配偶者の両親の面倒も見ている場合には尚更です。時間管理ができる起業アイデアを、しっかりと検討して選択しましょう。
出産や育児の際の援助・保証がない
会社員として働いている場合は、出産や育児の際に産休や育休といった制度が利用できますし、会社によってはお祝い金が出るようなところもあります。
しかし起業して自身が事業主となると、会社員であれば利用できるような援助や保証はいっさい受けることができません。
出産や育児のために一時的に仕事を休まなければならないとなると、その間の収入が激減してしまう可能性があります。お子さんを持つタイミングや夫婦間での育児の分担などの生活設計は、事前に十分考えておく必要があります。
資金が十分でない可能性がある
40代は、お給料は高くても、住宅や子育てなどに回す出費も多くなりがちです。40代とは言え、手元の資金が十分ではない可能性もあります。
特に非正規雇用の場合、まとまった金額の貯金ができていないこともあり得ます。
手元の資金が十分でない場合には、小さく始めましょう。補助金や融資でお金を集めたくなりますが、それは経営者としての実力がついてからです。
お金が不足すると不安でいっぱいになり、判断も間違えがち。最初は、リスクを最小限に押さえましょう。
失敗してしまった場合の転職や再就職が難しい
起業が上手くいかなかった場合に、元々いた会社で再度働くことは難しいです。さらに、40代で転職先や再就職先を見つけることは簡単なことではありません。
「日本の社会はやり直しがきかない」ということはよく言われますが、20代よりも30代のほうが、30代よりも40代のほうがこの言葉の重みは増していきます。
大きな決断をして起業に臨む以上、最初から失敗するつもりの方はいないとは思いますが、養うべき家族がいるのであれば「絶対に」守っていかなければならない、そいう決意して臨んでください。。
40代女性ならではの5つの事業内容
起業の事業分野や内容は人それぞれですが、40代という自身の特徴を生かして起業するのはお勧めです。
40代に多い事業、起業アイデアとして、次のような例があります。
- 料理関連ビジネス
- ベビーシッターや掃除などの家事代行サービス
- ネットショップ
- 自宅サロン・教室く
- コンサルタント・コーチ
それぞれについて、ご説明します。
料理関連ビジネス
家族のために料理を作ってきた方、一人暮らしで料理を覚えた方など、ちょっとした料理に自信のある方は、レシピや料理風景をインスタやYouTubeに投稿してみるのも面白いです。
食育、夜食、時短料理、作り置き、コンビニ飯に一工夫など、ちょっとした知識として持っておきたいこと、エンタメ性のある内容が出せれば、人気化する可能性があります。
SNSや口コミなどで人気が出れば、ちょっとしたメディアへの出演や料理本の出版も夢ではありません。
料理や掃除などの家事代行サービス
料理や掃除などの家事が得意な場合には、忙しい方に代わってそれらを行う代行サービスから始めてみるのもおすすめです。
どれかひとつに特化した代行サービスでもよいですし、満遍なく家事できるのであれば、全部をまとめてひとつのパッケージにした代行サービスを提供するのもよいでしょう。
料理が得意な場合は、掃除が得意な人とタッグを組むことでサービスの提供範囲を拡大できるので、友人と組んで情報発信をすれば集客力も上がります。
ネットショップビジネス
友人や知人から「趣味がいいよね」とか「センスが洗練されている」といった誉め言葉をもらうことがある方は、それを生かしてビジネスをすると良いかもしれません。
目利きができれば、気に入ったものを仕入れて売れば良いのです。ネットショップは、アプリの普及により、参入しやすくなっています。
自分が好きなものや詳しいものを中心に取り扱えば、事業に対しても前向きになれ、難しい勉強を必要としないので大きなメリットです。
自宅でサロンや教室を開く
空いている時間、スペースを利用して、自宅でサロンや教室を開くことも、コロナ前までは流行りの起業アイデアでした。
先ほどお伝えした料理研究家の中には、自宅で料理教室を開いてる方もおられますし、自宅でエステサロンやネイルサロンを開いているような方もおられます。
今はタイミングが悪いですし、場所が必要なので誰にでもできるとは言えませんが、オンラインと違ってライバルが少ないので、ファンを作ることができれば、安定した収入が期待できます。
特技を生かしたコンサルタントやプライベートコーチ
教室やサロンを開いて大人数を集めるのが大変そうだと感じる方は、コンサルタントやプライベートコーチになることを検討してみましょう。
感染症でオンライン会議の普及が進んだため、相談ビジネスは、誰でも簡単に始めることができるようになりました。相手と直接会わなくともできますので、コンサルティングやカウンセリングは、取り掛かりやすい起業アイデアと言えるでしょう。
専門的な知識や技術がある方は報酬も高くできるため、チャレンジしてみると良いでしょう。
40代女性の起業は副業から始める!
40代といえば、子供もまだ手がかかる年齢のことも多いでしょうし、会社においてもやりがいのある仕事を任され始める年齢です。
自分の夢や、やりたいことを追いかけるために、育ち盛りの子供と過ごす時間や会社での地位を捨ててまで起業することは現実的ではない、と考える方もおられるかもしれません。
40代で起業して失敗してしまうと、日本の社会構造の特徴として、やり直しをするのが難しいという現実も、40代での起業に消極的になってしまう要因のひとつと考えられます。
そのため、40代で起業を目指す場合、いきなり仕事を辞めて起業するのではなく、まずは副業という形での起業を検討してみるのがベストの選択肢です。
副業でテストできれば、起業した後のプライベートとのバランスも確認できますし、事業を大きくするタイミングも図りやすくなります。
今の仕事を辞めて副業を本業にした際に、どれくらいの収入が見込めそうか、家事にどれくらいの時間を割けそうかなど、あらゆるシミュレーションが可能です。
仕事を辞めて起業することがどれくらい現実的か、感覚を掴むためにも、40代にとっては副業から起業準備を始めることは最適な方法と言えるでしょう。
40代女性は強みやオリジナリティを生かす!
40代が起業を目指す場合、家庭とのバランスを取ることの難しさや、出産や育児の際の援助や保証がないといった、様々なリスクもあります。
ただ、40代ならではの強みを活かすことによって、オンリーワンの事業を作り出したり、ファンになってくれる人を増やしやすかったりといったメリットもあります。
いきなり仕事を辞めて起業するのが不安な場合は、まずは副業という形で起業してみるなど、少しずつ上っていきましょう。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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