記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
最近、成功している20代の女性起業家をメディアでよく見かけます。
彼女たちはどうして成功できたと思いますか?
● 回答
確かに、ネットメディアに出ているごく普通の女性が起業家だったり、若くして成功する女性起業家が増えていることを実感します。
20代で起業して成功した女性を見ていると、共通する5つの特徴があることがわかります。
成功した女性起業家に共通する特徴
成功した女性起業家には、SNSを活用する、ニッチに着目するなど、5つの共通した特徴があります。
1.ピンポイントの狙いがある
20歳で「課題解決型アパレルブランド ウツワ」を設立したハヤカワ五味さん(1995年生まれ)は、大学在学中に「バストが小さい人のためのランジェリー」のブランドを立ち上げてネット販売で成功。4年後には法人化するまでになりました。
もしハヤカワさんが「若い女性のためのオシャレなランジェリーのブランドを作りたい」というような幅広い狙いでブランドを立ち上げていたとしたら、このような短期間での成功はあり得なかったでしょう。
ハヤカワさんが着目したのは、大ロットで生産する大企業が無視してきた「バストが小さい女性たちの悩み」でした。
大きな資金がなくても成功した20代女性起業家に共通しているのは、大企業がターゲットとして意識していないスキマやマイノリティ、ピンポイントをターゲットにしたことです。
2.違和感、感動を仕事につなげている
城宝 薫さん(1993年生まれ)は、2014年に株式会社「テーブルクロス」を設立し「飲食店を予約すると発展途上国の子どもたちに給食費を寄付できる」というアプリで起業しました。
アプリで予約すると、飲食店からのアプリ運営会社に対するマージンの一部が発展途上国の子どもに給食費として寄付されるという仕組みです。
きっかけは、高校生ときにアメリカのオーランド市で目にした、社会貢献で利益を出している現地の人たちの活動でした。日本では社会貢献といえば利益を追求しないことが前提なので、その活動に衝撃を受けたと言います。
カフェ経営からコーヒーサーバーの製造卸まで事業を拡大した平井幸奈さん(1992年生まれ)も、看板商品のブリュレフレンチトーストのアイディアをオーストラリアでのアルバイト経験から得ています。
平井さんの事業のもう1つの柱である新感覚のコーヒー「ドラフトコーヒー」も、シンガポール旅行で見掛けたものがヒントとなりました。
このように異文化に触れた時のカルチャーショックに限らず、成功した多くの女性起業家が日常生活でのちょっとした違和感、心が動かされた経験をスルーせずに、起業のヒントにしています。
3.SNSの発信力がある
広告・宣伝にお金をかけられない若い起業家にとって、ブログ、Twitter、InstagramなどのSNSは、何よりの「広告手段」です。成功した人は必ず活用しているといっても過言ではありません。
すでに紹介した「バストが小さい人のためのランジェリー」や「香ばしくて美味しいフレンチトーストのお店」も、Facebookで話題になったことがブレイクのきっかけでした。
「良いね!」を送ったりメッセージを投稿したりするSNSは、基本的に「共感のメディア」です。自分の商品やサービスに対する思いやそれにまつわるストーリーを自由に、継続的に発信できるSNSを活用することで、プチ起業が大きく発展する可能性があります。
4.女性目線のオリジナリティがある
成功した女性起業家は、大手と競合しないスキマ(ニッチ)に着目しています。また、商品やサービスに女性ならではの感性を活かしたオリジナルな工夫、味付けをしている点も共通しています。
たとえば、赤ちゃんに背景や小物をつけて撮影する「おひるねアート」で起業した青木水理さん(1985年生まれ)。最初はお昼寝中のわが子の写真を撮っている時のいたずら心でしたが、背景に空や花、バースデーケーキ、絵馬などを置くことで思いがけない楽しい世界が広がることがわかって、起業に結びつきました。
現在ではフォトスタジオを経営するほか、一般社団法人「日本おひるねアート協会」を立ち上げて、企業とタイアップしたイベントを全国で開催しています。
5.メンターに出会っている
メンターとは、師・指導者という意味です。成功した女性起業家の多くが、起業の早い段階でメンターにめぐり会っています。
企業経験、社会経験の少ない20代女性起業家にとって良き指導者、相談相手の重要性は計り知れません。多くの女性起業家が、くじけかけていたところメンターの一言で元気を取り戻したという経験を語っています。
女性起業者とメンター、先輩起業家の出会いを支援するサービスも各所で行われ、各都道府県で様々な女性起業家同士の出会いの場が作られています。
女性と男性に違いはあるか?
ここまでご紹介してきたような女性起業家の特徴は、成功した男性起業家にも共通している点が少なからずあります。働くことに関して、男女の区別は無いのですから当然ですね。しかし、あえて男性と女性の違いを挙げるなら、こんなことが言えそうです。
男性は何事においても格好をつけたがるのに対して、女性は変なところで見栄を張らず、等身大のパフォーマンスができる人が多いという点です。
たとえば、創業当初に他社の事務所に居候するなどのことを、男性は嫌がる傾向があります。また、男性はプライドから、自分が起業したことをは成功するまで知られたくないなどと考える人も多いです。
20代女性が利用すべき助成金・補助金
助成金は、一定の条件をクリアすれば、返済不要の資金が国や地方自治体から支給される制度です。
起業家向けの低金利融資制度もありますが、20代女性ならば、借金を抱えるリスクがない補助金、助成金の利用を検討したいところです。
助成金、補助金の最新の情報を探すには、中小企業基盤整備機構の公式サイトJ-Net21が便利です。このサイトの「支援情報ヘッドライン」から、現在募集されている全国の助成金、補助金の情報が得られます。
助成金、補助金の種類や対象は都道府県によって異なります。また、ネット上の情報はすぐに古くなります。常にアップデートしているサイトから情報を得ましょう。(参考:マネーフォワード「女性起業に役立つ助成金・補助金・融資制度」)
まずは、事業を行う都道府県の産業振興課、商工会議所などに問い合わせてみましょう。
生活で感じた感動や違和感に着目しよう
成功した20代の女性起業家に共通しているのは、日常生活にあるリアルな経験を起業の出発点にしていることです。それによって大企業にはないオリジナリティが生まれています。
ご紹介した5つの特徴や実例を参考に、あなたらしい発想と着眼点がある起業を構想してみましょう!
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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