芸能人の名前と一緒によく聞く「ステルスマーケティング(ステマ)」とは?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

この記事を最初に公開した2022年3月以降、ステルスマーケティングをめぐる法整備が大きく動きました。

消費者庁は2023年3月に告示を定め、2023年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法第5条第3号に基づく「不当表示」として正式に違法となりました。

これにより、日本でもステマ行為は法律違反として明確に規制対象になったのです。

規制の対象は「広告主(事業者)」です。芸能人やインフルエンサーが依頼を受けた側は直接の規制対象外とされていますが、「PRと書かずに投稿してほしい」と依頼した企業が措置命令を受けることになります。そのため実態としては、依頼を受けたインフルエンサー側にも「これはステマになるのでは」という判断が求められるようになっています。違反した広告主には措置命令が下り、命令に違反すれば刑事罰の対象にもなり得ます。

  • 広告・PR・タイアップである場合は「PR」「広告」「プロモーション」等の表記が必須
  • 企業から商品を無償提供された場合も、PR表記の対象になる
  • 「自分は好きで紹介しているだけ」という弁明は、お金や利益の授受があれば通用しない

ポイント 起業家・事業者が「ステマ回避」で信頼を積み上げる方法

誠実な発信が長期的なブランド資産になる

YouTuber

起業18フォーラムに参加していた33歳の会員Sさん(仮名・元美容部員・コスメ系SNS発信中)は、参加から4ヶ月目のころにフォロワー700人の段階で企業から初めて案件のオファーが届きました。条件は「PRとは書かずに自分のおすすめとして投稿してほしい」というものでした。

Sさんはフォーラムで相談し、断る選択をしました。「断ったら次の案件が来なくなるかもと思った。でも、フォロワーさんへの嘘がバレたほうが、もっと怖い」と気づいたからです。その後Sさんは「PR表記は必ず書く」を徹底した誠実な発信を続け、フォロワーは5,800人に成長。参加12ヶ月目の現在は月収10万円の定期ブランド案件を持ち、「正直さが財産になった」とSさんはふり返ります。

拙著『起業神100則』の中でも書いているのですが、ビジネスの土台は「商品力×発信力×信用力」の掛け合わせです。信用力がゼロになると、どんなに商品が良くても発信力があっても、掛け算の結果はゼロになります。ステマはこの「信用力」を一瞬でゼロにし、どんなに商品が良くても発信力があっても掛け算の結果をゼロにする行為です。誠実なPR表記は、コストではなく信用力への投資です。

  • 案件投稿には必ず「PR」「広告」「スポンサード」を最初に明記する
  • 自分が本当に使って良かった商品だけ案件を受ける(本音と広告を分ける)
  • PR表記ありの正直な投稿は、かえって読者からの信頼を高めることが多い

SNSで商品を紹介する際は、企業との関係(無償提供・報酬の有無)を必ず投稿の冒頭に書き添えてください。それだけで信頼は守られます。

ポイント 「ステマを見抜く目」よりも大切な「ステマをしない覚悟」

消費者目線より事業者目線の意識転換が重要

この記事の読者の中には、20代・30代・40代を問わず、すでに起業を始めた方や、これからSNSを活用してビジネスを広げたいと考えている方もいるはずです。「ステマを見抜く方法」を知っておくことも大切ですが、事業者として大切なのは「ステマをしない側にいること」です。

2023年の法改正以降、大手ブランドが景品表示法違反として措置命令を受けるケースが出始めています。インフルエンサーやマイクロインフルエンサーの発信にも同様のリスクがあることを忘れないでください。フォロワーが100人でも1,000人でも、お金や商品の授受があれば、ステマ規制の対象です。

  • 「フォロワーが少ないからステマしても大丈夫」は誤解
  • 「PRと書くと宣伝っぽくなる」という不安より、読者への誠実さを優先する
  • 正直な発信を積み重ねたアカウントのほうが、長期的にブランド価値が高まる

発信活動を続けている方は、過去の投稿にステマにあたるものがないか一度確認し、企業から商品提供を受けた投稿にはPR表記を追記してください。

SNSのフォロワーが全然増えません。原因と対策を教えてください
● 質問 起業に向けてSNSで情報発信を始めましたが、フォロワーがほとんど増えません。何が問題なのでしょうか。

ポイント よくある質問

ステマ規制に関する疑問を解決

起業前質問集

Q.商品を無料でもらって使ってみただけの投稿もステマになりますか?

  • 企業から商品を無償提供された時点で「広告」の可能性が生まれる
  • 「本当に好きで紹介した」という主観は、法的には免責にならない
  • 提供を受けた事実を明記すれば、問題になることはない

無料提供であっても、企業との金銭・物品のやりとりがある場合はPR表記が必要です。「#PR」「提供:○○社」の一言で済む話なので、正直に書くことをためらわないでください。

Q.2023年以前の古い投稿もステマ規制の対象になりますか?

  • 2023年10月1日以降の新規投稿が主な規制対象
  • 過去分は遡及適用はされないが、整理しておくと安心
  • 現在もアクティブな古い投稿はPR表記を追記するほうが誠実

原則として施行日以降の投稿が対象です。ただし、フォロワーへの誠実さという観点から、過去の企業案件投稿を遡ってPR表記を追記している発信者も増えています。

情報が多すぎる時代だからこそ、「正直に言う人」の声は遠くまで届きます。ステマを回避することは義務であると同時に、あなたのビジネスを守る最も確実な方法です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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