記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
「フリーランス3年廃業率62.4%」はよく見る数字ですが、読み方を間違えると過剰に怖がるだけで終わります(2025年最新データで正しく整理しましょう)。
フリーランス・個人事業主の廃業率は、Webで検索すると「1年で37.7%」「3年で62.4%」など、衝撃的な数字が並んでいます。しかし、これらの数字はそもそも算出方法と前提条件を理解しないと、過剰な恐怖だけが残ります。
中小企業庁が公表した「2025年版中小企業白書(第8節 開業、倒産・休廃業)」によれば、2023年度の廃業率は3.9%、開業率も3.9%で、2024年の倒産件数は10,006件と2021年を底に増加傾向にあります。これらは「全企業ベース」の年次比率で、個人事業主の「3年累計廃業率」とは前提が違います。
今日は、10,000人の起業相談を受けてきた現場から、廃業率の数字の正しい読み方と、廃業を避けるための3つの条件をお話しします。
2025年最新データ:フリーランスの廃業率はどう読むのが正しいか

まず、よく見かける「個人事業主の3年廃業率は62.4%」という数字の出所を整理しましょう。
これは、中小企業庁が公表した経済産業省ベースの個人事業者統計を元にした計算で、起業から1年経過時の生存率62.3%、2年目までの継続生存率75.9%、3年目までの継続生存率79.5%を掛け合わせると、3年後まで生存している人は約37.6%、廃業した人は約62.4%という算出結果が出ます。
個人事業者の場合、統計データでは起業から1年経過した時に生存しているのは62.3%で、その次の2年目にも生存しているのは、1年間生き残った事業主の内の75.9%と記載されています。さらに3年目に生存しているのは、2年間生き残った事業主の内の79.5%です。
ただ、この数字は藤本高等教育研究所「個人事業主3年廃業率は62.4%!でも間違って解釈してませんか?」でも指摘されているように、「100人起業したら62人がすぐに失敗する」と読むのは正しくありません。正確には「3年継続して事業を続けている割合が37.6%」という意味であり、休業・転業・別事業へのシフトも「廃業」に含まれている点に注意が必要です。
| 期間 | 生存率(個人事業主) | 2024年倒産件数(全企業ベース) |
|---|---|---|
| 1年後 | 62.3% | 10,006件 (2021年底から増加傾向) |
| 2年後(累計) | 47.3% | |
| 3年後(累計) | 37.6% |
出典:中小企業白書 2006年版「第2節 事業の存続・倒産と再生」(個人事業者ベース)/2025年版倒産件数は中小企業庁2025年版中小企業白書による。
つまり、廃業率は「怖い数字」というより、「準備不足で始めた人ほど早く退出している」という事実を表していると読むのが正解です。
現場で見えた、廃業に至る3つの典型パターン

起業18フォーラム代表として60,000人の起業相談を受けてきましたが、廃業に至るパターンは驚くほど共通しています。期間別に整理すると、次の3層になります。
パターン①:創業1〜2年で廃業する人(ニーズ未確認型)
このグループは、商品やサービスを作る前にニーズの確認を省略しているのが特徴です。「これは絶対売れる」と自分で確信しているけれど、お客様にヒアリングする前に在庫や設備を揃えてしまうパターン。1年以内に資金が尽き、撤退を余儀なくされます。リサーチ不足と集客力不足が同時に起きるため、回復チャンスが乏しいのが特徴です。
パターン②:創業3〜5年で廃業する人(集客の壁突破失敗型)
最初の3年は知人や紹介で乗り切っていたものの、その先で「新規集客の仕組み」を作れないと、5年以内に縮小・廃業を選びます。SNS・ブログ・広告・紹介制度のどれかで継続的にリードを獲得する仕組みがないと、人口減少時代の市場ではじわじわ売上が減ります。
パターン③:環境変化に適応できない型
5年以上続いた人でも、コロナ禍や生成AI普及のような環境激変期に適応が遅れると廃業に近づきます。「以前は売れていた」が口癖になり、過去のやり方を変えられない状態。2024年の倒産件数10,006件の中にも、ここに該当する事業者が一定数含まれていると見られます。
廃業を避けるための3条件と「3つのチェック」
拙著『朝晩30分 好きなことで起業する』に「3つのチェック・7つの口ぐせ」という考え方が出てきます。廃業しやすい人には共通する口ぐせがあり、それを自覚するだけで撤退の確率を大きく減らせる、という観点です。
- 条件①ニーズチェック
作る前にお客様候補に直接ヒアリングし、お金を払う意思を確認できているか - 条件②集客チェック
新規集客の経路を2つ以上、自分で運用できているか(紹介だけに依存していないか) - 条件③変化適応チェック
3年に一度、商品とお客様像を再点検する仕組みが事業内にあるか
この3つのチェックを毎年実行しているフリーランスは、私の知る限り10年以上ほぼ廃業していません。逆に、3つのうち1つでも「やってない」が続くと、徐々に苦しくなっていきます。
今日この記事を読んだら、3つの条件を自分の事業に当てはめ、1つでも「弱い」と感じる項目があればそこから3ヶ月以内に手を打ちましょう。
会員Oさんの事例:廃業寸前のフリーランスが起業18で立て直し月収45万円に

起業18フォーラムの会員Oさん(40代後半・元WEB制作会社ディレクター)は、独立3年目に大きな壁にぶつかりました。最初の2年は前職の紹介で月商60万円ほどあったのですが、3年目に紹介が途絶え、新規集客の経路がないことに気づいたのです。手元の貯金は3ヶ月分、月商は20万円まで落ちていました。
「このままだと廃業しかない」と追い詰められていたタイミングで、起業18フォーラムの個別相談に参加。勉強会で「3つのチェック・7つの口ぐせ」の考え方に出会い、自分が条件②(集客チェック)を完全に放棄していたことを自覚しました。
そこから半年、自分のSNSアカウントとnoteを再構築し、過去案件の事例を週2本ペースで発信。同時に、紹介に頼っていた営業を「中小企業向け公式LINEからの問い合わせ獲得」に切り替えました。起業準備の再スタートから18ヶ月後に月収32万円、24ヶ月後には月収45万円を達成し、廃業寸前の状態から完全に脱出できました。
「自己流の3年間で身についたのは、自信ではなく『紹介がなければ何もできない』という弱さでした。起業18で発信の型を学んでから、自分の事業に骨が入った感覚があります」とOさんは語ります。
よくある質問:フリーランス廃業率Q&A

Q.「フリーランス1年廃業率37.7%」は本当ですか?
- 個人事業者統計を元にした計算値で、休業・転業も含まれる
- 「事業から完全撤退」だけではなく、別事業へのシフトもカウント
- 準備せず始めた人が含まれているため、計画的に始めれば回避可能
数字そのものは公的統計が根拠ですが、「自分が廃業する確率」ではなく「準備不足で始めた人を含む全体平均」と読んでください。
Q.会社員のうちにできる廃業回避の準備はありますか?
- 退職前に最初の顧客3人を確保しておく(紹介ではなく自分で獲得)
- 月3万円の生活費削減と、6ヶ月分の生活費の現金確保
- SNS・ブログ・公式LINEのうち1つは退職前から運用を始める
会社員のうちに準備した人ほど、独立後の廃業率が低いのが現場の実感です。最低でも、退職前の半年間で「自分で集客できた」体験を1回は作っておきましょう。
Q.「2024年の倒産件数10,006件」はフリーランスにも関係しますか?
- 10,006件は法人ベースの数字で、個人事業主の廃業はここに含まれない
- 個人事業主の休廃業は別統計(中小企業白書「休廃業・解散」項)で把握する
- ただし倒産増加トレンドは、外注先・取引先の選定にも影響するため要注視
個人事業主だからといって法人の倒産動向が無関係というわけではありません。取引先の与信チェックは、独立後の必須スキルになります。
Q.廃業を一度経験しても再起業できますか?
- 廃業経験者の再起業成功率は、未経験者より高いという調査もある
- 失敗の原因を3層(戦略・運用・体力)で分析できれば再起の準備が整う
- 2025年版中小企業白書でも「再チャレンジ支援」が重点項目
廃業は終わりではなく、次の起業の素材です。大切なのは、失敗を「ただ怖い記憶」にせず、構造で振り返ること。
まとめ:廃業率の数字を「準備の地図」に変えよう

フリーランスの廃業率は、確かに数字としては低くありません。しかし、廃業の中身を見ると「ニーズ未確認」「集客の壁突破失敗」「環境変化への適応遅れ」という3パターンに集約されます。これらは、起業18フォーラムの勉強会で扱う「3つのチェック」で全て対策可能です。

2025年版中小企業白書の数字を、自分を脅すための情報ではなく、準備の地図として使いましょう。会社員のうちから動き始めれば、廃業確率は確実に下げられます。
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
★【起業セミナー】会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!
★【動画セミナー】あなたのタイミングで学べる動画版もあります!
