記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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社会人として企業に勤務しているものの「起業したい」と思う気持ちは捨てきれない。今の会社を辞めて起業するにしても、色々な準備がいると思うと中々踏み切れないという人も多いのではないでしょうか?
しかし、若さ・熱意・体力がある20代だからこそ、エネルギッシュに起業の夢に進めるという考え方もあります。
今回は「起業したい20代が、サラリーマンでいるうちにやっておくべきこと」を3つご紹介します。
起業したい事業・業界で副業してみる
起業して成功したいなら、起業しようとしている業界で実際に仕事(副業)をしてみることが大切です。全くの未経験では、起業しようとしたところで、何をしたら良いのかもわからず、何もできないまま時間ばかりが過ぎてしまいます。
ごく短期で構いません。お金を得ることが目的ではないので、どのように仕事をしているのか、チェックしたいポイントを確認できればいいのです。
飲食業を始めたいのであれば、居酒屋やカフェ、ファーストフード店やファミレスなどでアルバイトをしてみましょう。小売業なら、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど、物を仕入れて売っている店で働いてみましょう。
起業したいと思っている業界に入ってみることで、リアルな仕事現場を体験して学ぶことができます。従業員を雇うつもりの人なら、雇われている人の立場や不満を理解するチャンスにもなりますよ。
1人で事業を行う予定の人でも、その業界の仕事の進め方、働いている人のモチベーション、不満、目標を知ることによって、自分が起業する時に、現実的で実際的なプランニングをもってスタートできます。
サラリーマンがアルバイトするのであれば、本業の就業時間外、または会社の休日にアルバイトの予定を入れるしかありません。これができるのは、体力的に恵まれている20代サラリーマンの特権です。
もちろん、アルバイト(雇用契約)は、会社が副業を禁止していない場合に限ります。
社会人向けインターンシップもおすすめ
一般的には学生向けのイメージがありますが、サラリーマンなど社会人や既卒者を対象にしたインターンシップの募集もあります。本業の就業後や休日に、副業のようにインターンシップに参加できます。
働いてお金を稼ぐことが主な目的のアルバイトと違い、将来その業界の仕事をしたいと思っている人が、就業体験によってスキルアップするのがインターンシップです。
受け入れる企業側は、インターンシップを通じて優秀な人材の確保を目的の1つとしています。今は転職希望でなくても、いずれ転職または外部のプロジェクト参加パートナーになることを期待しているのです。
大きな企業は社外の人間が社内に入ることのリスクを重要視するため、社会人インターンシップには消極的ですが、20代で起業している創業者も多いベンチャー企業は、社会人のインターンシップ受け入れに積極的な会社が多いです。
インターンシップには無給と有給があります。長期間勤務のインターンシップは有給のケースがほとんどです。「社員見習い」としての立場で正社員と同種の職務が与えられますが、賃金はアルバイトよりも低いところからスタートします。
経験を積み社員と同様の成果を出せるようになれば、アルバイトよりも高賃金を得られるケースもあります。
会社側もアルバイトより業務を覚えたいという意欲が強いインターンには、それこそ容赦なく業務を割り当ててくるでしょう。大変でしょうが実践力は確実に身につくでしょう。
また、同じ目的を持つインターン仲間と出会えたり、稀なケースですが、起業時に投資してくれる相手に出会える可能性があるなど、人脈を広げられるのもインターンシップの大きなメリットです。
事業資金(ランニングコスト)と資金の確保
起業して会社を辞める際には、最低でも3ヶ月分以上の事業資金、1年分の生活費を貯蓄しておく必要があります。
このランニングコストには、事業所の家賃や光熱費・人件費なども含まれますので、忘れずに計算に入れましょう。
事業計画を立て、融資プレゼンをしてみよう
事業を続けていくには、その後の資金調達の方法を確立する必要もあります。最初は小さく始める起業でも、会社を辞めるレベルになってくると、お金もかかるようになります。
お金が必要になる場合、最近ではクラウドファンディングやVC(ベンチャーキャピタル)などの方法もありますが、日本政策金融公庫や保証協会などへ赴き、融資のプレゼンをしてみるのもオススメです。
国や自治体では、特に若い世代の起業を支援する体制を整えています。中小企業庁委託事業のポータルサイトなどもあるので、そちらで補助金や助成金の情報、国などの施策情報をチェックしてみましょう。(参考:中小企業庁「ミラサポplus」)
営業スキルや業務・財務知識を習得する
起業したい分野の勉強は当然ですが、事業を継続させていくためには「自分が扱う商品を売り込む営業スキル」が特に必要です。
今の会社で営業職についている人は日々の仕事で身につけられますが、そうでない人は何らかの方法で学ぶことも必要になります。
営業スキルはどうしても向き不向きがあるため、向かない人は営業スキルが高い人と組んだり、代わりに売ってくれる仕組みが必要になります。得意でないことを自覚されている場合、方法は必ずありますので、事前に対策しておきましょう。
また、経理・人事などに人を雇おうと考えている人でも、起業後すぐは1人でのスタートになりますから、基本的な業務知識は身につけておきましょう。特に経営知識は最低限でもキャッシュフロー、賃借対照表、損益計算書など財務諸表の数字が何を表しているのかくらいは、理解できるようにしておきましょう。
もちろんそれだけでは、財務上問題が出てきたときに対応できませんから、財務に詳しい税理士など相談できる人を見つけておくのが重要です。起業したら、商工会議所の創業支援部門や、起業家の先輩に相談するのも良いでしょう。
ビジネス交流会や起業セミナーには注意!
もしもあなたがビジネス交流会や、実績のない人が主催する起業セミナーへの参加を考えているのでしたら、オススメしません。
冷静に考えるとわかることもあります。例えば、企業が起業支援をしている場合、講師はサラリーマンです。起業を教えられるでしょうか? その企業も何屋さんなのか? 起業支援で起業したような会社も、実業の経験がないということです。
確かに知識を得ておくことは起業するにあたって必要なことですが、ビジネス交流会などはネットワークビジネスや詐欺の巣窟となっているケースも多くなっていますので要注意です。
また、個人からの融資・出資話はトラブルが起こりがちですので、よほど信用おける相手以外は受けないほうが安全です。ネットでの資金集めにも、大手サイトなど実績のあるところを利用した方が良いでしょう。
甘い話・うまい話には要注意!
最近はSNSで「起業」「会社設立」などのキーワードでターゲットを見つけて、甘い話で誘って騙そうとする手口も多発しています。実績のないところ、甘い話、うまい話、無条件におだててくるような相手には十分に注意しましょう。
若いからこそ家族の理解が大切
20代では未婚の人も多く、起業して失敗しても家族に迷惑はかからないと思っている人も多いのではないでしょうか?
確かに配偶者や子どもがいるケースよりはリスクが低いといえますが、両親兄弟などには起業することに対して理解を得ておくことをオススメします。
いざという時に家族の理解を得ていないと、全て、家族すら失ってしまうことになりかねません。
まとめ
20代の起業は、独創的なアイデアが生まれやすく、新しい業種を作り出すこともあります。起業は何歳からでもできますが、それなりにエネルギーが必要です。体力のある20代は、起業準備にうってつけの時期と言えるでしょう。
結果的に起業しないことになったとしても、その経験は意外なところで生きると思います。小さく始めれば会社員のままでもできるのですから、チャレンジする価値は大きいです。
スキルアップと資金を貯めるための起業準備をして、人生を充実させたくありませんか?
20代のうちは動きやすく、国や自治体も率先して支援してくれます。今こそ、起業に向けて動き出す時です!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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