記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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起業のリスクについては、これまでたくさん書いてきましたので、今回は別の角度から書いてみたいと思います。
起業にはリスクがつきものです。どんなリスクがあるかご存じですか?
起業にはリスクが付きもの
一般的社員であれば、何か問題を起こしても、会社が潰れるようなことにはなりません。しかし、役員や経営者が問題を起こしてしまったら、社運に関わる責任に発展しかねません。
立場や立ち位置によって、責任や責任の取り方、事の重大さが大きく変わってきます。起業するときには、あなたは経営トップです。そのことを十分に理解し、行動に移すようにしていきましょう。
個人情報の取り扱い方
最近、顧客情報の流出事件などよく耳にしますよね。情報をコンピュータで管理する時代になってから、ハッキングやウイルスによる情報の流出、社員が情報を外部へ持ち出せないよう、徹底した管理が必要になっています。
情報として「氏名」「住所」「電話番号」「暗証番号」「クレジットカード」「マイナンバー」など、個人を特定したり、お金を借りたりできる情報まで含まれています。守秘義務同様、他者へ情報を流し、漏らしては決していけないものです。
もし、あなたのマイナンバーが流出したらどうですか? 「すみません」と謝罪して済むような問題ではありません。あなたの番号を流出させてしまった会社は、多大な被害を受けることになります。
自分の情報が流出した時のことをイメージして、情報の取り扱い方、管理の仕方を徹底しなくてはいけないことを、よく心に留めておいて下さい。パソコンには、ウイルス対策ソフトを入れて定期的に更新する、パスワードを掛ける、書棚に鍵を掛ける、私用のUSBを使用しない、などの対策をしっかりと取りましょう。
トラブルにならない対策
顧客とのトラブルや苦情は、必ず起きてしまうものです。トラブルが起こった時の想定は、十分にしておきましょう。トラブルの原因をしっかりと追求し、対策を立てなければ、同様のことが起きてしまいます。
リスク管理の1つとして、文書で記録を残しておくのはお勧めです。「いつ」「誰が」「どのようなことで」「何を言ってきたのか」をしっかりと聞き取り、苦情報告書として保管しておきましょう。
人事や方針管理
小さな起業では、人事は関係ないことが多いですが、取引先、仲間とのトラブルはよくあることです。起業家として重要な「理念」「方針」をしっかりと周囲に対して周知させることは大切です。
年に一回で構いません。仲間や取引先とコミュニケーションを取れる機会を設けましょう。
また、社会人として基本的なマナー(挨拶、言葉遣い、身だしなみなど)を忘れないようにしましょう。フリーランスになると、その辺りが良い加減になる人も多いです。日頃の行いが、業績や評判となって返ってきます。だらしなくなると、人がついてこなくなってしまうのでご注意下さい。
事業に失敗した時のリスク
事業をする時には「職場環境の問題」「事業の方向性の問題」「組織的な問題」などが挙がってきますが、小さな起業では「方向性」が身近な問題になります。
結果が出ないと感じたら、すぐに方向性を転換できるのが小さな事業のメリットです。そのメリットを使わず、いつまでも固執したり、工夫を怠ったりする起業家は多いです。
一人のくせに、巨像のような動きをしていては、廃業は目に見えています。投資は必要最低限にし、お客様の声をよく聞いて、機動性を保ちながら事業を展開してください。
準備段階でリスクを考えながら組み立てる
リスクは起きた時に慌てて対処しているようでは、対応できません。最初に想定しておくことで、リスクはリスクではなくなります。
- 身体を壊した時にどうするか?
- 転勤になったらどうするか?
- 会社が倒産したらどうするか?
起業したら、いざという時、どう動くのかを想定しておかなければなりません。
最も必要なのは「半年、お客が一人も来なかったらどうするか?」などの「集客リスク」です。
そのリスクを回避するために、何が必要か? たとえば、チラシを作って、広報活動をいつからいつまで、いくらかけて行う等の行動計画、ホームページやブログの日々の運用にどの程度の時間を割くなどの、ルーチンワークの設定もしなくてはなりません。
広告宣伝費の予算設定も必要です。店舗ビジネスならHotpepperや広告雑誌など、何が使えるのか、いくらまで試すのかなどもシュミレーションします。
ビジネスによっては、様々なコミュニティに出入りし、人との繋がりを作っておくことも必要です。会費の出費もあるでしょうし、お付き合いの出費もあるでしょう。その全てをざっくりでも構いませんので、予定しておくことです。
起業するときには、全てのリスクを自分で背負わなければなりません。
リスクの分散化をする為には、まずは「どんなリスクがあるのか」を全て洗い出すこと。リスクの大きさと発生確率に応じて「移転」「回避」「保有」「低減」に分類し、それらを管理する方法を考え、予算をつけておくことです。
そして、ルーチンワークの中に落とし込み、毎日少しずつ実行していくことです。そうすれば、起業する時に何も心配なくスタートすることができます。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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