記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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起業といっても様々なやり方があります。
事務所を借りて、人を採用して起業する人や、コワーキングスペースで身軽に起業する人、さらには、スマホ1台で起業する人もいます。
今回は、起業の種類とその方法について、近年のトレンドを踏まえて解説します。
起業の種類
起業の種類には、いくつかの切り口があります。切り口はこれだけではありませんが、まずは組織形態と運営方法によって分けて考えてみましょう。
法人か個人か
起業には、法人を設立して起業する方法と、個人事業主(フリーランス)として起業する方法があります。簡単に言うと、法人を設立しなければ個人事業主として事業を行うことになります。
法人を設立するには定款の作成や設立登記などの手続きが必要で、手間と費用がかかります。株式会社を設立するには5万~25万円程度の費用が必要です。
- 信用力が高い
- 経費として認められる範囲が広い
- 求人面で有利
- 設立手続きに必要な手間と費用(5万〜25万円)
- 法人税の均等割(7万円/年・赤字でも発生)
- 経理処理が煩雑
個人事業主の場合は、開業届を提出すればいつでも事業を始められます。費用はかかりません。事業を廃止する場合にも廃止届を提出するだけですので、起業の際のハードルが低いと言えます。
- 開業の手続きが簡単(費用不要)
- 経理処理が比較的簡単
- 信用力が低い
- 経費として認められる範囲が狭い
法人を設立するか、個人事業主を選ぶかについて考え方は様々です。
売上が数百万円/年の規模であれば個人事業主、1千万円/年が見えてきたら、法人化したほうが手間やコスト面でメリットがあります。法人設立には手間と費用がかかりますので、まずは個人事業主として起業し、様子を見ながら法人化を検討すると良いでしょう。
専業か副業か
会社員が起業して新たな事業を始める際には、会社を辞めて事業に注力する方法と、会社員を続けながら事業を始める方法があります。
- 新たな事業に集中して取り組める
- 突発的な出来事にも対応できる
- 開業当初は収入基盤が不安定
- 事業が失敗した場合のリスクが大きい
- 事業が失敗した場合のリスクを軽減できる
- 収入基盤が安定し余裕を持った経営ができる
- 時間的制約や体力的負担が大きい
- 新たな事業に集中しにくい
起業当初は売上が不安定になるのが普通で、事業が中々軌道に乗らない場合もあります。日々の生活費も必要になるのですから、専業で行く場合は、資金計画をしっかりと立てておく必要があります。
一方、会社員として安定収入を確保した上で、事業にチャレンジするのであれば、そうしたリスクを回避できます。事業の成否を見極めながら、次の展開を模索してきましょう。
「働き方改革」が進む中、副業を容認する会社も増えています。実際に行う場合には注意すべき点もありますが、副業を上手に活用し、リスクを抑えながら起業できます。
起業の方法
ネットインフラの整備が進み、コロナ禍でオンラインミーティングも当たり前になりました。もはや、仕事をする場所や時間の制約はなくなりました。従来のような事務所や店舗を構えるスタイルに捉われないなど、新しいスタイルの起業が確立されたと言って良いでしょう。
事務所を構えて起業する
従来より行われている貸事務所や貸店舗などでの起業です。
- 実体があり信用力は高まる
- 初期費用として敷金、礼金、保証金などがかかる
- 毎月の家賃、管理費、水道光熱費などの固定費支出が大きくなりやすい
初期費用がかかる点や、毎月の固定費支出が大きくなりやすい点は、売上が不安定になりがちな起業当初は大きな負担になるでしょう。
コワーキングスペースで起業する
近年増えているのはコワーキングスペースと呼ばれる場所での起業です。シェアオフィスとも言います。
コワーキングスペースそれぞれにより環境は異なりますが、一般的には、カフェや図書館のようなオープンスペースにパソコンなどを持ち込んで仕事をします。
- 貸事務所など比べコストが格段に低い
- 使用目的や頻度により柔軟に活用できる
- ネットワーク環境が充実している
- 同じような起業家同士のつながりもできる
初期費用や固定費支出を抑えることができる点が大きなメリットです。
駅から近いものが多いため利便性が高く、無料Wi-Fiやレンタルパソコンやモニター、複合機も備わっています。個室や会議室を借りることができることも多いです。
地方に移住して起業する
コストの高い都心を避けて、地方に移住して起業する人も増えています。
- 家賃などの固定費が低い
- 広いスペースを確保できる
- 趣味や自分らしいライフスタイルを楽しめる
- 地方自治体による支援もある
地方は都心に比べて家賃が低く、広いスペースを確保することも可能です。また、最低賃金も低く設定されており、家賃や人件費などの固定費支出を抑えることができます。
ネット環境が整っていれば、都心でも地方でもどこでも仕事はできます。内閣府や地方自治体が積極的に起業家を誘致している事例もあり、コワーキングスペースの設置や、補助金などの整備を行っています。
海外で起業する
都心や地方というだけでなく、海外での起業も可能です。海外に移住しながら日本国内の仕事をするケースもあれば、現地の日本人向けに事業をするケースもあります。
- 東南アジアなどでは家賃などの固定費が低い
- 日本国内とは異なるビジネスチャンスがある
- 将来的には永住権がもらえることもある
海外での事業はハードルが高いと考える人もいますが、家賃や人件費などを低く抑えられる国であれば、選択肢に入る可能性あります。
ネット環境が整っていれば、生活費も抑えながら、国内にいるのと同様の仕事ができます。日本国内では飽和状態となっている事業や、採算の取りにくい事業でも、海外では成り立つ可能性もあります。
スマホ1台で起業する
SNS(ブログ・Facebook・Twitter・Instagram・TikTok)、アフィリエイト、YouTuberなどは、スマホ1台でも起業できなくはありません。
- 広告収入を得る
- オンラインサロンに誘導する
スマホ起業は場所を選びません。自宅のリビングでもベッドの中でも情報を発信できます。
店舗や事務所を構えず、家賃が不要。広告宣伝費もかからないので、初期投資や経費支出も少なく済みます。失敗しても大きな損失になることがありませんので、ハードルはかなり低いと言えるでしょう。
初期費用を掛けずリスクを抑える!
起業の種類や方法は様々です。
インフラの充実に伴い、仕事を行う環境には場所や時間の制約が少なくなっています。起業を考える人にとっては、一歩踏み出し易い環境になっていると言えるでしょう。
自分に合ったやり方で、チャレンジしてみましょう!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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