起業のスタートアップ時には東京が最も適している6つの理由

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

昨今の「スローライフブーム」や政府がすすめる地方創生の影響などもあり、今「Iターン」「Uターン」「Jターン」といった、地方での就職や転職を考える流れが特に若い世代の間で活発化しています。

そして、起業においてもその動きは全く同じで、ITベンチャーを中心に、地方で起業を目指す方は年々増えている状況です。

今後ますます加速することが予想される少子高齢化による地方衰退を避けるためにも、私自身、地方での起業には非常に興味があると同時に、地方で起業をしたいという方についても積極的に応援しています。
 

田舎
 

しかし、たとえ地方での起業であっても、起業する際のスタートアップに関して、今日の時点では、やはり東京で学ぶことが最も良い選択だと私は考えています。

今回は、起業するなら、東京で学ぶべきその6つの理由についてお話ししたいと思います。
 

ポイント 東京で学ぶべきその6つの理由

起業は東京で学ぶのが吉!

東京
 

1.起業に関するイベントが豊富

「起業18フォーラム」の勉強会はオンラインでの全国配信と東京池袋を同時に行っていますが、やはり起業セミナーなどのイベントの数は東京開催のものが圧倒的です。

実際に、起業セミナーの情報を扱う某検索サイトを見てみても、現在募集中をしている東京開催の起業セミナーが約300件あるのに対し、大阪開催は約150件、そして47都道府県のうち、半数以上の都道府県で0件という結果でした。

そして、地方で行われる起業イベントで起こりがちなのが「毎回同じメンバー」という現象です。せっかく情報収集をしたくて参加したイベントなのに、同じメンバーでは少しがっかりしてしまいますね。

東京開催のイベントでは、東京を拠点に活動する方だけでなく地方から参加される方も多いため、ひとつの場所で様々な場所で活動する方たちと知り合うこともできるのです。

もちろん、地方在住だって、オンラインでなら、東京の起業イベントに参加することは可能です! 意識の高い皆さんの積極的な活動には、いつも頭が下がる思いです。
 

2.アクセスが至便

起業準備に関わらずビジネス全般に言えることですが、やはり東京の交通アクセスの良さは地方に比べて段違いです。

上述のとおり、起業準備のための情報収集に欠かせない様々なイベントは東京開催が圧倒的に多く、また、人脈が要となるビジネスであればなおさら、会食やミーティングのしやすい東京に出て来て、多くの予定ををこなす方が有利でしょう。

鉄道ひとつとっても、地方では10分以上電車の間隔が空くことすら珍しくはありませんが、都市部では数分ごとに電車が来ます。スキマ時間を大切にすべき起業家にとっては、特に時間を有効に活用するには最適な場所といえるでしょう。

土日に東京に来れば、ひとつのイベントで一日潰れてしまうということもなく、たくさんのことをすることができます!
 

3.起業を支援する体制がある

東京都は2017年1月、起業希望者人口の減少傾向に歯止めをかけ経済成長の停滞を改善すべく、丸の内に起業支援をトータル的に行なう拠点として「TOKYO創業ステーション」を開設しました。

この施設は東京都の監理団体である公益財団法人東京都中小起業振興公社が運営し、起業に関するセミナーなどのイベントを開催するだけでなく、手続きや資金といった起業に関するあらゆる相談や、すでに起業家になった人がさらに事業を成長させるためのコンサルティングなども行っています。

さらに「TOKYO創業ステーション」では女性の起業支援にも力を入れていて・・・

  • 「女性起業ゼミ」と呼ばれる女性専用の起業プログラムの実施
  • 指定の曜日に保育士が子供の面倒をみてくれる保育サービス
  • 女性起業家専任のコンサルタントを常駐させる

などといった取り組みも行われています。こういった女性の立場に立ったきめ細やかな支援は、小池百合子都知事がトップを務める今だからこそなせる技なのかもしれません。

この「TOKYO創業ステーション」以外にも、東京商工会議所では「創業塾」と呼ばれるセミナーなどが随時行われていたり、東京都では行政が主体となって起業支援を積極的に行っているのです。
 


 

4.前例が多い

地方での起業が活発になっているとはいえども、やはり前例の数でいうと東京で起業をして成功をおさめた方が多く、藤田晋氏率いるサイバーエージェントなどはその最たるものでしょう。

そんなサイバーエージェントの本社もある渋谷では、1990年代にIT系のベンチャー起業が相次いで渋谷にオフィスを構え、その様がシリコンバレーのようだったことからかつて「ビットバレー」と呼ばれていた過去があります。

その渋谷では、東急グループにより、100年に一度とも言われる再開発が進められています。(参考:東急株式会社「渋谷再開発情報サイト】」)コロナ禍以前は、オフィスを大量に供給するプランもあったようですが、これについては、今は状況が変わっているようです。

渋谷区全体に目を向けると、オフィス需要はまだまだ厳しい。空室率の好不調の目安とされる5%に達した恵比寿・広尾エリア。コロプラが22年2月をめどに本社を恵比寿ガーデンプレイスタワー(渋谷区恵比寿)からミッドタウン・イースト(東京・港)へ移転。4フロアに分かれていたオフィスを2フロアに集約する。恵比寿ガーデンプレイスのような大規模ビルでの解約に加え、数百坪以下のオフィスの解約が積み上がったためだ。

(中略)

オフィス空室率はピークアウトしているが、先行きはまだ予断を許さない。コロナが収束する兆候はまだ見えず、商業施設や飲食施設に回復の兆しも見えない。「職住遊」を合わせた複合的な街づくりを目指す渋谷は正念場を迎えている。

2021/03/18 日経産業新聞3面「渋谷の飲食、回復遠く「職住遊」の街づくり正念場(沸騰都市再開発)」より引用

 

とは言え、2020年の東京商工リサーチ「社長の住む街調査」においては、上位10位までの街が全て東京23区という結果でした。(データ:東京商工リサーチ「2020年全国「社長の住む街」調査」)やはり、結果を出した成功者たちが多くいるのが東京という街のようです。身近に成功者を感じることができるのも、東京で学ぶ強みです。
 

5.人材が豊富

言うまでもなく、東京は人口密度が高く、上述の起業セミナーひとつとっても人が集まりやすく、様々な考え方やバックグラウンドを持った人と知り合えるチャンスも多いです。

もちろん、地方にもいわゆる「面白い人材」はいますが、都心部と比較すると相対的にメディアなどに取り上げられる機会が少ないため、どうしても自ら会いに行くのではなく、人づてに知り合うことの方が多くなってしまいます。

起業をし、さらに成功させるには、ライバルを知り尽くし、お客様にテストマーケティングをし、自分の仲間となる優秀な人材を確保することが重要です。そして、いずれにおいても必要になってくるのは豊富な人材です。

東京は、神奈川・千葉・埼玉からも非常にアクセスがしやすく、地方では比較的少ない、県をまたいでの通勤なども全く珍しいことではありません。そのため、東京で学べば、東京に住む人だけではなく、首都圏に住む人たちとも容易に関わることができるのです。
 

6.トレンドに敏感になれる

起業はアイデアとスピードが勝負であり、起業して事業を長続きさせるためには「特定の需要に答えること」と「新たに需要を作り出すこと」重要です。

そして、現在の日本においてファッション、食、情報など、流行発信の中心である東京は、それらアイデアやスピード「今ないもの」「今求められているもの」を知るために最も適した場所と言えます。

ある地域に限定し、地域根ざした事業を行なう方にとっては、地域のニーズを知ることが最も重要ですが、将来的に事業を大きくしたい起業家にとっては、やはりトレンドに敏感である東京で学ぶことのメリットは大きいと言えるでしょう。
 

ポイント まずは東京の空気感に触れてみる

起業は東京で学ぶのが吉!

東京
 

東京で起業を学ぶことには、もちろんメリットだけでなく、交通費や宿泊費がかかるというデメリットがあることも事実です。

しかし、今回ご紹介したとおり、地方では決して真似のできない、東京でしか得ることのできない情報も非常に多いです。交通費に関しては、起業18のようにネットでも学べるスクールを選択することで、問題の一部は解決することもできます。

確かに今は、ネット環境が整備され、オフィスを構えないことが普通になりつつあるなど、状況も変わりつつあります。ですが起業をするなら一度くらいは、東京でセミナーなどのイベントに参加してみると、新しい刺激や情報、人々に出会えることと思います。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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