バレンタインは女性が男性にチョコを送る日? 変わりゆくマーケティングを起業に活かすには

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

バレンタインデーは、女性が想いを寄せる男性にチョコレートを渡す日。そう思っていませんか? それは少し時代遅れかもしれません。
 

バレンタイン
 

最近になり、バレンタインデーの内容は随分変わってきています。この変化は起業にも通じるところが多いと感じています。
 

ポイント 変わってきたバレンタインデーの習慣

変わりゆくマーケティングを起業に活かす

バレンタイン
 

以前、バレンタインデーは、「本チョコ」と「義理チョコ」の2種類しかありませんでした。本チョコは女性が本命の男性にチョコレートを贈るもの。義理チョコは女性が身近な男性に、日頃のお礼としてチョコを贈るものでした。

本チョコはさておき、義理チョコは女性側が「面倒くさい」「嫌いな上司にあげたくない」などと言い、いやいや渡しているケースが散見されました。また男性側からも、「お返しが面倒くさい」といった声が聞こえてくるようになりました。

また、「義理とは言え、ハートが描かれているチョコレートを女性からもらうなんて許せない」という既婚女性の声があるなど、歓迎されるだけでもなくなり、その結果、義理チョコ禁止など校則のようなルールを作る企業も出てきました。
 

友チョコ、世話チョコ、逆チョコも登場

しかし、バレンタインにはイベント的な要素があり、今でも流行っていることに違いはありません。では、どのようなものが流行っているのでしょうか?

もっとも一般的なのは「友チョコ」。性別に関係なく送るもので、学校などでは交換するのが定番化しています。また、高級化していると言われるのが「自分チョコ」。自分へのご褒美として、普段は買わないような上等なものをバレンタインデー用として買うのです。

さらに、最近増えているのは「世話チョコ」や「逆チョコ」。「世話チョコ」は義理チョコに似ている部分もありますが、女性・男性という区別がなく、お世話になっている人に贈るもの。義理チョコのような強制感がなく、女性から男性にといった一方的な印象がないのが支持されている理由でしょう。

「逆チョコ」は男性から女性の送るもの。実際、この時期のバレンタインコーナーに行けば、男性を見かけることも多くなりました。海外では、バレンタインは男性から女性に贈り物をする日とされているところもあり、当然の流れなのかもしれません。

どの新習慣も女性から男性にというものではなくなり、強制感もなくなっているのが特徴です。まさに多様化の時代のバレンタインデーと言えそうです。
 

ポイント 新感覚を敏感に感じ取りマーケティングに活かす

変わりゆくマーケティングを起業に活かす

バレンタイン
 

さてこれらを聞いて、「知ってる、知ってる!」と思った方もいれば、「そんな風に変わっているの?」と思った方もいらっしゃると思います。

世の中はどんどん変わっていきます。起業するなら敏感になりたいところです。今はスマホを見ても、自分が興味のある分野の情報しか表示されなくなっています。自分と関わりの薄い人たちの関心事は、自分で取りに行かなければ情報を得られなくなりました。

経営をしていると「この市場はしばらく変わらない」と思い込んでしまうことがあります。ですが、バレンタインのような誰もが知る慣習でさえ、ハラスメント、ジェンダー論、テレワークなどの時代の流れを経て、姿を変え続けています。様々な方面にアンテナを張って、商品/サービスを柔軟に変化させていくことこそ、起業する人に求められる姿勢なのだろうと思います。
 

もし、今からチョコレート市場に参入するなら

もし、今この時代からチョコレート市場に参入し、バレンタインデーに売ろうと考えるなら、それが簡単ではないことは誰が考えてもわかることと思います。

Instagram、YouTube、TikTok、あらゆるメディアを駆使して口コミを作り出し、ブランドを認知させていく活動はもちろんのこと、自分チョコや友チョコ、逆チョコなど、社会の流れに合わせた文化を提案をしていかなければ、厳しい結果になってしまう可能性があります。

原材料の仕入れ価格が高騰してしまったり、目新しさがなくなり広告の効果が落ちてしまったり、一発当てた事業でも、それを続けていくことは簡単ではありません。ビジネスをするなら、常に変化し続けなければならないのです。
 

ポイント 社会の変化を敏感に感じとる手段は?

変わりゆくマーケティングを起業に活かす

マーケティング
 

では、社会の感覚の変化に敏感であるためには、どうすれば良いのでしょうか? 今はやはりSNSでしょう。SNSを眺めながら、近い将来訪れる未来の予兆を感じ取ることができれば、ビジネスに有利に展開することができます。

過去の傾向を知っていれば、「あの時、数カ月前からこんな情報が出始めていた。今回もそのパターンに酷似している」など、仮説を立てることができるでしょう。

すでにAI、ビッグデータを活用し、企業はより確実な未来を予測できるようになっています。私たち個人がそれと競争することは難しいですが、常に一次情報を集め、選別していく努力は、これから益々重要になると思われます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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