記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「脱サラしてラーメン屋」は、男のロマンの一つに数えられるかもしれません。
飲食店起業の中でも、ラーメン屋は起業し易い?という噂もあります。今回は、ラーメン屋の開業方法を解説します。さらに、人気の起業だからこそ知っておきたいリスクも併せてお話しします。
脱サラしてラーメン屋をやるメリットとは?
ラーメン屋を起業している人の中には、元サラリーマン、つまり脱サラしてラーメン屋になった人がたくさんいます。ラーメン屋家業には、サラリーマン時代にはなかったメリット、そしてデメリットがたくさんあります。
まずは、脱サラしてラーメン屋をやるメリットからお話しします。
好きなことを仕事にできる
誰でも、ラーメン屋に客として訪れたことがあると思います。ラーメンは、お腹も心も満たされる、サラリーマンのランチの味方です。「ラーメン好き」という人は多く、脱サラしてラーメン屋を目指す人も「ラーメンが好きだからラーメン屋になりたかった」という理由から開業することが多いようです。
好きなことを仕事にすることには、たくさんのメリットがあります。たとえばラーメン好きならば、ラーメンをたくさん食べた経験があるでしょうし、たくさんの店を訪れて現場を見てきた情報が既にあるでしょう。「もっとおいしいラーメンを作りたい」と思う気持ちは、努力を続ける原動力になるでしょう。
ラーメン屋はリピーターがつきやすい
飲食店で成功するには、リピーターの確保が何よりも大切です。ラーメン屋は、一度ファンになってもらえれば、頻度高くお店に通ってもらえます。会社近くにあればランチで繰り返し利用しますし、ちょっと飲んだ後にも、自宅近くで「ラーメン食べたい」と思ったりします。
もちろん、常に新規客を集める努力、工夫も必要です。ですが、人通りの多い場所に店を出すには高額な家賃がかかりますし、だからと言って人通りのない何もない場所に出しても、ランチの客が見込めません。Uber Eatsなどを賢く使う必要がありますが、経費もばかになりません。
せまい店舗でも開業できる
ラーメン屋開業の初期費用は、居抜き物件で開業すればある程度は抑えられますが・・・
ラーメン屋の開業に必要な初期費用は、約1,460万円です。この費用は、20坪ほどの店舗と仮定した金額で、あくまで目安の一つとして参考にしてください。
結構かかります。上記のサイトによれば、運転資金は、売上が月間600万円ほどの店舗と仮定すると約月500万円とのことです。これも場所、広さ、食券販売機の導入などで変わってきそうです。
近くに駅や大きな商業施設、たくさんの企業があって、家賃が安い場所。そんな夢のような物件があれば良いのですが、そう簡単にはいかないでしょう。とは言え、ラーメン屋は広く落ち着いた空間やきれいな内装は必要ないですし、一人で来店する客も多く、大きなテーブルをたくさん配置する必要もありません。とにかく場所が第一ですから、慎重に選んでください。
ラーメン屋の開業方法
脱サラしてラーメン屋を開業したいと思ったら、大きく2つの方法があります。
フランチャイズ加盟
ひとつ目は、フランチャイズチェーンに加盟する方法です。フランチャイズとは、ラーメン屋の本部と契約をして、様々な経営ノウハウやメニュー(食材)を提供してもらう起業方法です。ラーメン屋開業は経験がある人の方が少ないでしょうから、フランチャイズは心強い起業方法でしょう。
フランチャイズの契約を結ぶことができたら、店舗の物件探しからマーケティングの相談、広告宣伝、アルバイトの研修まで面倒見てくれるため、本部のアテンドに従って開業することになります。
ラーメンフランチャイズを検討される方は、必ずこのYouTubeチャンネルを徹底的に見て、基礎知識を得ておきましょう。(フランチャイズチャンネル・ラーメン)
自分で開業
ふたつ目の方法は、完全に自分で開業する方法です。商品であるラーメンのレシピもオリジナルで作る必要があります。さらに事業計画や物件探しと店舗設計も行います。全く新しい物件からラーメン屋に仕上げるとなるとかなりの費用がかかるので、しっかりと資金計画を立てましょう。
できるだけ費用を抑えるために「居抜き物件」を探してください。居抜き物件とは、元ラーメン屋だった店舗をそのまま使える物件です。厨房や空調など、お金がかかる設備がすでに備わっているため、費用だけでなく開業までの期間も短くすることができます。ですが「ラーメン屋が上手くいかなかった場所」かもしれませんので、撤退理由もきちんと調査しましょう。
物件がみつかり、ラーメンのレシピも決まったら仕入れ先を決定します。そして、ラーメン屋の起業には食品衛生責任者の資格が必要ですので、講習を受けましょう。費用は1万円程度です。ラーメン屋の起業に調理師免許は必要ありませんが、保健所による「食品営業許可申請」は必要です。開店前に許可が出るようにスケジュール調整をしましょう。そして税務署には開業届を提出します。
ラーメン屋ならではの知っておきたいリスク
脱サラしてラーメン屋を続けるのは大変なことでです。ですが、開業すること自体はお金さえあればできます。それゆえに気軽に手を出してしまい、あとから大変な思いをする人も多いのです。ここからは、脱サラしてラーメン屋をやるリスクについてお話しします。
ラーメン屋は起業しやすいためライバルが多い
「ラーメン」は成熟し完成されたジャンルです。様々なデータがあるようですが、日本国内にはざっと3万店前後ののラーメン屋があるようです。好立地では、近くに資金力のある人気ラーメン店が出店する可能性もあります。そんなことになれば、あっという間にお客様を取られてしまう可能性もあります。
口コミが売上に大きく影響する
最近は広告宣伝にSNSが盛んに活用されています。SNSは、店側からの発信だけでなく、客からの発信、さらに口コミも発信されています。影響力のあるサイトから「おいしい」と発信されれば、翌日には長蛇の列ができる可能性もあります。一方「おいしくなかった」と一言発信されただけで、経営が傾くこともあるのです。
こだわりすぎるとお金がかかる
ラーメン屋はラーメンだけでなくサイドメニューも必要です。チャーハンやギョーザをメニューに加えれば、業務用炊飯器やギョーザ焼き器が必要です。起業する際には事業計画を立てますが、想定外の出費がどんどん出てくるようです。
元プロレスラーの川田利明さんの本が非常に参考になると思います。ラーメン店開業をされるなら必読の一冊です。
おわりに
脱サラしてラーメン屋をやりたい人は、人気ラーメン屋になる夢を抱いていることでしょう。ですが、現実は甘くありません。「夢と現実をいかに調節できるか」が成功のカギです。メリットとリスクをしっかり把握して「脱サラ・ラーメン屋」を検討してみましょう。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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