つぶれそうな酒屋を再生させたいのですが

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

家業を継ぐために、田舎(博多)に戻りました。

起業18で引き続き、ビジネスを学びたいと思いますので、宜しくお願い致します。

実家は酒屋と菓子店を営んでいます。完全な個人商店で、つぶれる寸前です。お酒を卸している飲食店は減る一方で、お菓子を買いに来るのは地元のお年寄りたちで、数百円も買っていきません。

そんな状況で、今後の販路開拓、戦略の立案を行いたいのですが、アドバイスいただけますか?
 

起業前質問集
 

● 回答

家業を継ぐご決断、大変素晴らしいと思います。地元のお酒はもちろん、実家で作るお菓子への愛着、仕事への情熱、お客様への感謝と愛情、これらが揃っていれば、きっと繁栄させることができるはずです。

これからも頑張っていただけますことを期待しています!

現在の状況が分からないところが多いので、具体的なアドバイスが難しいのですが、まずは「今の業態のまま昔のように業績を回復させよう」という発想を捨てることから始めてください。もはやコロナ前に戻ることはないと考えるべきですし、また、酒屋や単純な菓子店からの脱却、新しい業態との組み合わせなどを視野に入れることになると思います。
 

酒屋
 

まずは基本的な部分を押さえ、通販やデリバリー、新メニューなどの開発から行いましょう。これは今、ご相談者様がお考えのことを進めていきましょう。

数年前までタピオカがブームになっていましたが、今や壊滅状態です。その後の高級食パンブームも去り、から揚げも鳥インフルエンザや飼料の高騰の影響で、雲行きが怪しい状態です。飲食店経営の難しさがよくわかります。ブームに頼らない、インスタ映え、TikTokなどでの露出を狙うことは当然として、最低限、ネット予約ができるLINEや簡単なシステムくらいは準備しておきましょう。
 

酒屋
 

菓子店なら、たとえばグルテンフリーのガトーショコラ一本で勝負している、ケンズカフェ東京のようなコンセプトで、マスコミ露出を狙うなども戦略として面白そうです。お酒とお菓子の組み合わせで、話題作りをすることができないでしょうか?

あまり尖るのが怖いという場合には、菓子店の基本通り、ショーケースの「映える」生菓子で集客し、お土産用の焼き菓子など利益の高い商品を売っていくビジネスモデルをしっかりと確立することが大切です。

接客なども、家族経営ですと適当なお店も多いので、迅速で丁寧な対応を心がけるなど、ネット上の評価が高まるようにしていきましょう。お店の繁栄には、一人でも多くの女性のお客様にリーチすることが大切だと考えると、地味ですが、クチコミ、Instagramなどで拡散するお客様の声は馬鹿にできません。
 

ポイント 基本戦略の例

つぶれそうな酒屋を再生させたいのですが

酒屋
 

顧客の再定義

再生を始める前に、誰のためのどんな酒屋さんにしたいのかを明確にしましょう。20代、家族、観光客、日本酒ファン、誰に最も届けたいでしょうか?
 

商品の入れ替えと拡充

ターゲットとして定義したお客様のための商品を揃えます。地酒、健康志向商品、海外に持って帰りやすいお土産なども検討しましょう。
 

ネット販売の活用

全国への通販はもちろん、ご近所への配達も検討しましょう。重いものは持ってきてもらいたいニーズが確実に存在します。
 

酒屋
 

地域コミュニティとの連携

地元商店街とのお付き合い、イベントやお祭りに積極的に参加しましょう。観光施設と協力するのも良いですね。
 

店舗の改装

昔ながらの暗い店内ではなく、明るく開放的な空間にするのも差別化になります。観光地なら英語や中国語、韓国語の表記も添える、トイレをきれいにするのも大切です。
 

体験型販売の取り入れ

お酒の試飲、飲み比べ、ワークショップなど、体験型販売を取り入れましょう。
 

酒屋
 

情報発信の強化

地元メディアやInstagramで積極的に発信しましょう。LINEクーポンなどでリピーター特典を用意することも忘れずに。
 

ホスピタリティ精神

笑顔、丁寧で親切な対応を心がけましょう。気持ちの良い買い物体験はリピーター獲得に必須です。
 

コラボ商品の開発

地元企業やYouTuberなどのインフルエンサーとコラボし、限定商品やパッケージなどを作るのはいかがでしょうか?
 

酒屋
 

定期的なイベント開催

季節のイベントやワークショップを定期的に開催し、地域の住民や観光客の憩いの場に育てていきましょう。
 

ポイントカードや会員制度の導入

公式LINEを使って、ポイントカードや会員制度を導入し、特典や割引を提供してみましょう。
 

企業向けギフト販売

法人向けにギフトや贈答品を提供することで、新たな販路を開拓できます。
 

これらは基本的な戦略ですが、意外とできていないことが多いのではありませんか? できることから取り組んでください!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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