【マネーの虎分析】移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

今回分析するのは、高級オーダーメイドカーテンの激安移動販売事業です。志願者は400万円の1962年式のワーゲンのような車をショールームとして活用し、お客様の元へ直接出向くという斬新なアプローチを提案しました。
 

ポイント 車をショールームに! 斬新な移動カーテン販売とは

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
事業のコンセプトは実にユニークです。通常のカーテン店舗では小さなサンプル生地しか見ることができませんが、この事業では車内に実際のカーテンを吊るし、お客様が実物大のサイズ感を確認できるのです。

他サイトのマネ虎系記事同様に、過去テレビ放送のYouTube動画スクショを載せた方が、より分かりやすいコンテンツになるとは思うのですが、動画も公式ではない(違法アップロード)可能性もあるため、また、テレビ番組のYouTubeアップロードは著作権法違反になるリスクもありますので、画像は記事内容とは関係のないフリー素材を使用いたします。

虎

志願者:「通常のカーテンサンプルは小さな生地なので、お客さんがすごく分かりづらいという声がほとんどでした。こういった大きなサンプルであれば、窓に当てて実際の雰囲気を見ていただけるのです。」

ポイント 番組「マネーの虎」とは?

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

計画
 
皆様は「マネーの虎」というテレビ番組をご存じでしょうか? マネーの虎は、起業したい人が投資家の前で事業計画をプレゼンし「マネー成立」となれば希望額を出資してもらえるという、2001年から2004年まで日本テレビで放送された人気番組です。

この番組から学べることは実に多く、特に会社員として起業を目指す方にとっては、投資家へのプレゼンテーション術や事業計画の立て方など、実践的な学びが詰まっています。今回は、高級オーダーカーテンの移動販売事業を提案した志願者の事例を詳しく分析してみましょう。

ちなみに、今回の虎たちの顔ぶれは、こんな感じでした。

<虎のプロフィール(当時)>
  • 堀之内九一郎(55歳当時)年商67億
    全国規模のリサイクルショップチェーン
  • 尾崎友俐 年商10億
    (株)オリエンタル 代表取締役CEO
  • 加藤和也(31歳当時)
    (株)ひばりプロダクション社長
  • 川原ひろし(37歳当時)年商6億
    (株)なんてんかんでん 社長
  • 岩井良明(43歳当時)年商10億
    (株)モノリス 代表取締役

ちなみに、、この放送回には出演されていませんが、大人気だった虎の南原会長です。虎ノ門・株式会社LUFTホールディングス事務所にて、パチリ。

南原竜樹
 

ポイント 価格競争力と付加サービスの魅力

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
この事業の最大の売りは圧倒的な価格競争力でした。カーテン代金を最大50-60%まで安く提供し、なおかつ施工・出張料は一切無料というサービス内容です。

志願者はメーカー担当者との直接取引により、この価格を実現できると説明しました。しかし、虎たちは「どこよりも安い」という主張に対して、相応の人脈や取引量の裏付けがあるかを厳しく問いただしました。

虎:「カーテンに限らず、どこよりも安いということは、それなりに人脈があるか、取引量が膨大であるかでないと安くならない。メーカーの担当と直接話ができるのですか?」

ポイント 本業との相乗効果を狙った事業戦略

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
興味深いのは、この移動カーテン販売が本業のリフォーム事業の宣伝広告としても機能するという戦略でした。志願者は父親から引き継いだ有限会社でリフォーム業を営んでおり、カーテン販売を通じてお客様との接点を増やし、本業の受注につなげたいと考えていました。

志願者:「カーテンをお安く提供することについて、自分のやっていることも教えるという機会ができるわけですね。お客様とのコミュニケーションも取れますし、アドバイスもできるんです。」

クロスの張り替えやドアの修理など、住宅メンテナンス全般に対応できる技術力があることが、この戦略の基盤となっていました。
 

ポイント プレゼンテーションで露呈した課題

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
残念ながら、この事業はノーマネーという結果に終わりました。最大の要因は、プレゼンテーション能力の不足でした。虎たちは志願者の接客スキルに疑問を持ち、率直にその点を指摘しました。

岩井社長:「大変失礼ながら、接客があまり得意な方ではないように見えてしまうのですが、その点はどうなのですか?」

志願者:「接客が好きだからです。」

志願者は接客が好きだと答えましたが、その説明も具体性に欠け、虎たちを納得させることができませんでした。言いたいことがあるのに言葉にできない状況が続き、最終的に投資を受けることはできませんでした。

ポイント この事例から学ぶべき教訓

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
この事例から学べる教訓は3つあります。

まず第1に、アイデアの独創性だけでは不十分だということです。移動カーテン販売というコンセプト自体は斬新で、顧客メリットも明確でした。しかし、それを実現するための具体的な根拠や計画が不足していました。

第2に、コミュニケーション能力の重要性です。特にBtoCビジネスでは、お客様との信頼関係構築が売上に直結します。いくら技術力があっても、それを相手に伝える力がなければビジネスとして成立しません。

第3に、投資家への説明力の必要性です。優れた事業アイデアも、それを第三者に論理的かつ魅力的に説明できなければ、資金調達は困難になります。
 

ポイント 現代に活かせるビジネスヒント

移動カーテン販売で学ぶ「プレゼン力」の重要性

カーテン
 
現代であれば、この事業はより成功の可能性が高かったかもしれません。SNSを活用した事前告知、VR技術による仮想試着、オンライン決済システムなど、当時にはなかったツールが豊富にあります。

また、コロナ禍を経験した現在では、「お客様のもとへ出向くサービス」の価値はより高く評価されるでしょう。在宅勤務の普及により、住環境への関心も高まっています。

重要なのは、時代の変化に合わせてビジネスモデルを進化させることです。基本的なアイデアは良くても、実行方法やプレゼンテーション手法を現代に適応させる必要があります。

マネーの虎で2,270万円調達に成功! 井出らっきょの野球塾開校から学ぶ起業
今回は、マネーの虎「番組史上最高額調達」の神回のひとつである、井出らっきょさんの野球塾開校プロジェクトについてのお話です。 他サイトのマネ虎系記事同様に、過去テレビ放送のYouTube動画スクショを載せた方が、より分かりやすいコンテンツになるとは思うのですが、動画も公式ではない(違法アップロード)可能性もあるため、また、テレビ番組のYouTubeアップロードは著作権法違反になるリスクもありますので、画像は記事内容とは関係のないフリー素材を使用いたします。結論から言うと、井出らっきょさんは経営経験ゼロながら...

起業を目指す会社員の皆さんは、この事例を参考に、技術力と同時にコミュニケーション力も磨いていくことをお勧めします。どんなに素晴らしいアイデアも、相手に伝わらなければ意味がないのです。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


アイデア

会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!【セミナー@東京/オンライン】

自分のタイミングで学びたい、セミナーは苦手、というあなたは【動画版】起業セミナー(特典付き)

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!