記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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男性の起業ももちろんなのですが、起業する女性も増えています。今はインフラ環境が整ってきたことはもちろん、女性の感性が求められるシーンがとても増えているため、当然の流れとも言えます。
今回は、多くの女性が選択する起業ネタ(アイデア)には、どのようなモノがあるのかをまとめてみました。
まず、ひとり起業をする女性の数はどんどん増えています。たとえば、東京商工リサーチ調べの「第9回「全国女性社長」調査」では・・・
2018年の女性社長は全国で45万4,961人と、前年(41万1,969人)から10.4%増加した。2014年(31万55人)と比べると5年間で1.5倍に増えた。構成比でも2014年の11.5%から2018年は13.4%に1.9ポイントアップした。
ちなみに、女性社長で一番多い名前は「和子」5,327人なのだそうです、次いで「幸子」4,751人「洋子」4,657人「裕子」3,681人「京子」3,240人、なのだとか。
また、以下のように、女性の起業は個人事業が7割以上を占めているというデータもあり、ひとりで小資本で起業する女性の割合は、さらに増えてくるだろうと考えています。
- 全体として、個人事業者として起業する者が7割を超えている。
- 特に女性は、個人事業者を選択する傾向がある。
出典:平成28年1月21日 内閣府男女共同参画局「女性起業家を取り巻く現状について」(PDF9ページ)
このような、ひとり起業をする女性は、どのような起業ネタ(アイデア)で起業しているのか、以下にまとめてみました。
1.オークションを利用したECショップ
商材さえあれば、オークションの利用はお手軽です。自前のホームページ(ECサイト)を持たず、メルカリなどを用いて商売を行う方法です。買取はリアル、ネットの両方、販売はオークションサイト、そんな感じですね。初期投資は現金だけなので、最初の一歩としてはとてもよいと思います。
ジュエリー関係のECサイトを構築した女性芸能人も、初期投資はほとんどがネットオークションから始まっていたりします。特に商売未経験の方は「商品価値」や「相場」を知る意味でも有効です。特に女性が好む製品の多くは、トレンドの変化も激しいです。固定費をかけずに、集客力のあるプラットフォームを使うことはとても合理的で、収益性が低くなったとしてもリスクが少ないです。顔バレもしにくいですしね。
2.人脈を利用したリサーチ事業
私の知り合いで、LINEで繋がる友だちを組織して起業した女性がいます。数千人にものぼる女子ネットワーク(全員ブロガー)を持ち、彼女が一言声をかければ、皆が記事を書いてくれるということなのです。これって、使いようによってはすごいビジネスになり得ます。(ステマという批判もありそうですが)
たとえば、商品についての感想文を集めたり、モニターをしてもらってレポートしてもらうなど、女性の意見を集めたいという企業にとっては、貴重な生データが取れるパネルということになり、SNSのコミュニティは、人脈を直接ビジネスに変える手法とも言えるでしょう。
3.ファッション系コミュニティサイトを活用した広告提携
ファッションに興味のある女性は多いです。ネットショップのみならず、スタイリスト、メイクの世界でも、たくさんの女性が起業しています。たとえば、ファッション関連の物販ではなく、ブランドやファッションに関するコミュニティサイトの運営により、関連するECサイトなどの広告収入で生計を立てることも、ひとつの可能性でしょう。
一般的なアフェリエイトよりは、SNSを活用することで、タイムリーなECサイトへの誘導を行えば、双方により大きなメリットを出すことができるでしょう。これも成功事例がいくつか現実にあります。無料でコミュニティサイトを作るサービスも充実しているため、これも資金投資はほとんどない低リスク事業と言えるでしょう。
4.中小企業向けコンサルタント業務
簡単に言えば、公認会計士などの国家資格があるなら、すぐにコンサルティング業務を始めることができます。(※なんとかカウンセラー、コーチ、マイスターなどの民間資格は、取得しても起業には役に立たないことが多いです。)資格がなくても、自らの経験を体系化することができれば、あらゆるコンサルティングを行うことが可能になります。
たとえば、会社員としてショップに勤めていた経験があるのなら、小さな店舗のオペレーションや経営などのアドバイスをしたり、講演やセミナーで収入を得ることができるでしょう。人生で迷った経験があるのなら、今迷える女性にアドバイスをしてあげることもできそうです。たくさんの女性が実際に活躍しています。
5.宝飾品などの輸入代理業
このアイデアは、宝石や貴金属を卸業から購入して店舗展開するのではなく、変わりにやってあげる代行業です。宝飾品に限らないのですが、語学を活かして起業したいがリスクは取れないという女性は多く、バイヤーとの交渉など、日本に輸入をするサポートをしたいという方はたくさんいらっしゃいます。
自分で仕入れと販売を兼ねる場合には、直接仕入れることで、より川上に立てるので、仕切値をコントロールできる利点があります。もちろん、先述の、自分で在庫をしない代行業の方が、よりお手軽かもしれませんね。注文を受けてからその需要に応えるようにすれば、ほとんど初期投資もかかりません。
6.経営パートナーとして起業
これは実際に私が出会ったケースですが、アートギャラリーの中には、ビルオーナーが所有しているが、運営自体は別の人が経営を任されているというケースがあります。そのようなJVを女性が引き受けて起業するケースがよくあります。様々な企画展を催し、その際のコストは主催者であるアーティストが自費で行うため、他ギャラリーとの連携で宣伝を協力して行えば、初期投資もほとんど発生しません。
問題はそうしたギャラリーオーナーの募集要項をどこで入手するかですが、こうした関連は依然として美大や芸大の独占分野なのだそうです。人脈を広げていけば、そのようなチャンスも巡ってくるのかもしれませんね。ただ、殆どの人は、チャンスが目の前に来てもスルーしてしまうものですが。
7.海外渡航サポート関連事業
留学や海外生活体験を活かして起業したいという女性も多いですね。起業18にもたくさんの方がいらっしゃいます。たとえば、個人で海外渡航アドバイザーをしている方がいらっしゃいます。旅行代理店と契約し、留学希望の学生や社会人さんの相談に乗りながら、手配をしてあげる仕事ですね。
代理店業なので、小さな個人事業の範疇ですが、食べていくには充分です。今は、留学だけでなく、リゾート地などへの投資ツアーや、旅行以外のビジネス利用もかなり増えており、需要は拡大していますね。
8.ライフスタイル・デザイナーなどの資格起業
ライフスタイルに限らずなのですが、民間資格のコーディネーター、トレーナー、アドバイザー的な知識を使って、個人をサポートするお仕事は人気です。民間資格を取っても起業できないというのは、いつも申し上げている通りなのですが、仕事内容をイメージしやすいということが利点です。
たとえば、このライフスタイル・デザイナーというものは、個人が勝手に命名する肩書きなので、仕事内容は、個人の人生相談のようなものからインテリアのアドバイスまでいろいろなことをしている人がいますが、こうしたフリーランスとして個人を支援していくお仕事は、今後、女性の小規模起業のジャンルとして、大いに注目されるでしょう。
9.地域密着型保育サービス関連事業
保育士などの資格の必要のない、いわば幼児向けカルチャースクールです。私はこの業界について専門家ではないので、細かい法律、法律改正については専門の情報サイトに譲りますが、今後、規制緩和が進めば注目の起業分野になり得ると思います。
たとえば、このカルチャースクールなら、書道、アート、読書会を一体化させるなどで、地域イベントや商店会との連携で、イベントの会費で収入をある程度得ることができるでしょう。閉店した店舗などを共同で出資し、低価格で借り受け、幼稚園と保育園以外の児童教育の補完として、需要をつかむことができるかもしれません。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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